家政福祉学科 児童福祉コース4年生の保育士資格取得のための必修科目「子育て支援」の授業では、子育て家庭を取り巻く社会的状況と子育て支援の意義と必要性、保育の専門性に基づく子育て支援の内容について学びます。前期の授業では、ゲスト講師に新澤拓治氏をお招きして子育て支援の実際を伺ったり、学内で昨年から定期的に開催している子育て支援プログラム「あそぼう・はなそう会」で実際に親子に関わり、保護者から子育てのお話を伺ったり、体験的に学びを深めていきます。

ゲスト講師による講義
6月29日、江東区東陽子ども家庭支援センターのセンター長である新澤拓治氏をお招きして、お話を伺いました。待機児童、男性の育児参加の現状、利用者の求める支援、保育士が果たすべき役割について、子ども家庭支援センターの実際の様子を動画、写真、データなど使って説明していただき、学生の質問にも多くの資料を使って丁寧に答えていただきました。学生からは、「子育て支援は、地域の親子の出会いの場を作ること、子どもがたくさん遊べる環境を提供することの大切さを再確認した」、「支援というと保護者から相談を受けるイメージが強かったが、何気ない会話の中で保護者の気持ちを汲み取って、アドバイスをしていることが分かった」などの感想があり、多くの気付きを得る講義となりました。

あそぼう・はなそう会での実践の学び
5月、7月に開催された、児童福祉コースの地域交流活動である「あそぼう・はなそう会」では、「子育て支援」の実際を学ぶ場として、一家族を学生1名または2名がお出迎えから見送りまでを通して担当し、子どもと遊び、親子とふれあい、保護者からは子育ての話を伺いました。
学生は、実習では保護者に関わることはないため、事前に、「親子が一緒に安心安全に過ごせる場」、「保護者が寛げる場」であるための環境設定、保育士としての援助について考え、具体的にどのように声をかけるか、お話を伺うか、学生同士で保護者役と学生役になりロールプレイを行って練習をして会に臨みました。
当日、学生はとても緊張していますが、保護者の方々が学生に話かけて話しやすいよう配慮してくださるので、子育ての実際について、たくさんの貴重なお話を伺うことができます。学生たちは、親子の姿から「子どもは安心できると親から離れる、遊んでいても時々、親のところに戻る」、「保護者は話をしていても目の端で子どもを見ている」などの気付きがあり、保護者との話からは「子育ての喜びや大変さなど具体的なお話を伺うことができた」、「子どもだけでなく、保護者にとっても安心できる場所が必要であることを実感した」など保護者への理解も深めていました。

保育士は、子どもの保育と同時に、保護者を理解して子育てを支援する重要な役割を担っています。「子育て支援」の授業で、子育て支援の最前線に立つゲスト講師のお話を伺い、「あそぼう・はなそう会」で実際に地域の親子と一緒に過ごし、保護者から一対一でじっくり子育ての話を聞かせていただくことで、実習や見学等では経験しにくい子育て支援の実際を経験する機会となっています。
学生の振り返りからは「保護者が暖かく見守ってくれて安心して話をすることができた」と参加者への感謝の気持ちとともに実践を通して、これまでの学びを実感しながら整理していることがわかります。学生に貴重な学びの機会を与えてくださるゲスト講師と、地域の親子の皆様に厚く御礼を申し上げます。

5月の「あそぼう・はなそう会」の様子はこちらから
7月の「あそぼう・はなそう会」の様子はこちらから

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