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2024「ひらめき☆ときめきサイエンス」開催レポート

8月21日、小学5・6年生対象の科学実験講座「ひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~ KAKENHI」(令和6(2024)年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(研究成果公開促進費)研究成果公開発表(B)、後援:市川市教育委員会)を、和洋女子大学で開催しました。これは、独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)による「科研費」の事業の一環で、全国の教育機関・研究機関で実施されています。和洋女子大学での同様のプログラムの開催は今年で20年目。今回のプログラムには、小学5・6年生34名が受講しました。

テーマは、「身近な光の科学」。家政学部 服飾造形学科岡本由希准教授、人文学部 心理学科髙梨一彦教授、全学教育センターの鬘谷要教授が担当し、当日は、助手2名、家政福祉学科4年生の学生4名、総合生活研究科の大学院生4名が、スタッフとして参加し、受講者をサポート。なお、今回のプログラムと関係している科学研究費は、「近赤外線吸光法による食用油脂の過酸化物価の非破壊測定」(若手研究B、課題番号17700569、代表 家政学部 岡本由希)です。

「光と色の科学」を学ぶ

開会式に続き、研究支援課による科学研究費の説明後、講義と実験がスタート。初めに「光と色の科学」を学びました。鬘谷要教授が、目に見える光と見えない光を解説し、「太陽の光は何色だと思いますか?」と質問を投げかけると、受講生たちは「赤!」「黄色?」「白!」など、じっくり考えながら答えてくれました。どちらも正解で、すべての色が混ざっている太陽光は白色に見えるといった説明がありました。

【写真】「太陽光の色は何色でしょうか!」と聞かれ、次々と手を挙げる受講生たち

また、鬘谷教授が「虹の色は7色ではない」と続けると、受講生たちは驚いた表情を見せました。「実は、虹の色はすべてグラデーション。さらに、雨上がり、空に現れる虹をよく見てみると、虹の外側にもう一つの虹“副虹”が見えることもあります」。また、“赤色”が赤く見える現象については、「赤は、赤以外のすべての色を吸収、つまり“色を食べてしまう”ので、“食べ残しの色”が、私たちの目に”赤色”として見えている」と、物の色が見える仕組みをわかりやすく解説しました。

【写真】虹の色について説明する鬘谷教授

【写真】色が見える仕組みを学ぶ、受講生たち

「光の波長」を学ぶ

続いて、ビー玉と地球儀を用いて、「波長の単位『ナノメートル』はどのくらい大きさだと思いますか?」と鬘谷教授が問いかけ、ナノメートルビッククイズに挑戦。さらに、偏光シートを通して電卓の液晶表示を覗いて見ました。偏光シートを回転させると、電卓の液晶表示が見えたり見えなくなったりします。これは、一方向に振動する光だけを通すという偏光シートの特長を利用した実験です。光には波の性質「波長」があり、波長が短いほど、エネルギーが大きくなります(例えば、紫外線、ガンマ線・X線など)。また、波長が長く、エネルギーが小さい電磁波には、赤外線やラジオやテレビの電波などがあることを学びました。

【写真】「ビー玉の直径を、10億倍すると?」

【写真】「答えは地球の直径です!」と話す、鬘谷教授

【写真】2枚の偏光シートを手に取る受講生

【写真】偏光シートを通して電卓の液晶を見ました

「太陽の光」の色を見てみよう

光の色を分ける「分光シート」や身近なCDを使って、光の色について解説した後、東館18階のラウンジ「Wayo DINER」に移動しました。
昼食には、カレーライスのお弁当を提供しました。普段は大学生が利用しているオシャレな空間に、受講生たちは大喜び。見晴らしの良い景色も楽しみました。ちょうど太陽光が差し込んでいたので、「太陽の光は何色?」を体験するために、「プリズム」を使った実験を行いました。太陽光をプリズムに通し、カラフルに分光された光の色を観察することができました。

【写真】プリズムで分光された光の色を観察

【写真】東館18階からの景色を楽しむ受講生たち

【写真】昼食のカレーライスは具だくさん!

【写真】美味しそうに昼食を食べる受講生

光を使った「技術」を学ぶ

午後には、ブラックライトを使った実験に挑戦。岡本由希准教授の解説で、紫外線やブラックライトに反応するビーズや蛍光クレヨン、蓄光折り紙などを使って、実際にブラックライトで光る物があることを発見しました。「他にも、家の中に光る物があるか探してみよう!」と発展課題としての宿題も。さらに、ブラックライトを当てると光って見える、シークレットペンを使って、はがきに夏休みの思い出などを書きました。

【写真】ビーズにブラックライトを当てる受講生

【写真】岡本准教授が優しく解説しました

【写真】実際にLEDの光の色を見てみました

【写真】夏休みの思い出をはがきに書く様子

「ミクロの世界」や、「見えない光」を見てみよう

続いて、「ミクロの世界クイズ!」に挑戦。スクリーンに映し出された、電子顕微鏡の写真に様々な答えが出され、正解が表示されると歓声が上がり、皆さんの興味・関心を引き付けていました。その後、髙梨一彦教授による「赤外線カメラとサーモグラフィを学ぶ!」では、人間の目には見えない光を見るために、サーモグラフィで温度を可視化できることをクイズ形式で体験したり、赤外線カメラを使って暗くなった教室の様子を観察したり、「見えない光の科学」を体験しました。また、音を光に変換する装置を使って、皆で発声や拍手をしたりして、音が光に変わる様子を見たり、光ケーブルを使った実験では、曲げた光ケーブルの中を通っていく懐中電灯の光を確認するなど、光に関する様々な実験を行いました。

【写真】髙梨一彦教授による「サーモグラフィ」についての説明の様子

【写真】ブラックライトで光る食品

【写真】音を光に変換する装置を体験している様子

「光の三原色」を学ぶ

最後の実験では、「光の三原色混色実験」を行い、光の三原色について詳しく学びました。まず、赤、緑、青のセロファンを貼った3つの懐中電灯を点灯させ、光の加法混色を実際に目で見て確かめました。続いて、「LED 光の三原色混色キット」を使って、赤(R)・緑(G)・青(B)の3色のLED光の出力を調整することで、いろいろな色の光を作り出せることを学びました。最後に、質問コーナーやクッキータイム(おやつ)を楽しみ、すべてのプログラムが終了しました。

【写真】鬘谷教授による「光の三原色」の解説

【写真】教室を暗くして3色の光を見てみました

【写真】LED光の三原色混色キットを使った実験の様子

「修了式」皆さん、お疲れさまでした!

修了式では、和洋女子大学 副学長の拝田清教授から、参加者一人ひとりに、修了証書『未来博士号』が授与されました。「普段あまり体験できない『身近な光の科学』に触れ、科学の楽しさを知ってもらうことによって、受講生の皆さんが、これからも科学に興味を持ち続けてくれることを願っています。多くの皆様にご参加いただき、ありがとうございました」とお話がありました。

和洋女子大学では、今後もこのような取り組みを継続していきます。どうぞ、ご期待ください。

【写真】副学長の拝田教授を囲み、受講生たちとスタッフ全員で記念撮影!

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