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心理学科

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投稿者: shinrigaku
2020/03/16 14:46

心が傷ついたときの対処法
人から傷つくことを言われたとき、みなさんはどうしますか?
人に知られないようにわざと明るく振る舞ったり、できるだけ早く忘れようとして、勉強や部活に没頭したり、楽しいことを想像したり……。そうしているうちに忘れられるなら、傷は浅かったと言えるでしょう。ところが、いつまでも心の中に残ってしまい、忘れられないこともあります。そんなときは、体の傷を優しく手当するように、心の傷を優しく見てあげられるといいのですが……。

 
私たちは大事な友達に優しく声をかけることはできますが、自分の心を優しく見てあげることは案外苦手で、厳しく自分を責めてしまう人も少なくありません。たとえば、“そんなこと言われたぐらいで傷つくなんて情けない”とか“早く忘れて、勉強でもすればいいのに”といった調子で、自分を非難したり、励ましたりすることが多いようです。でもこのような叱咤激励(しったげきれい)では、心の傷を治すことはできません。それではどうしたらいいのでしょうか?
 
カウンセリングの効果について研究したジェンドリン(Gendlin, E.T)は、自分の心が今どのような状態になっているのかを優しく見て、実感し、それを言葉やイメージで表すことができると、心の傷が治ることを見出しました。そして、この一連のプロセスをフォーカシング(Focusing)と名づけました。フォーカシングは成功したカウンセリングの中で生じるプロセスですが、それだけではなく、日常生活の中でも、友達に話を聴いてもらっているときや、日記を書いているときにも生じることがあります。私は心の健康に最も効果的な筆記の仕方について、研究しています(本研究は科学研究費補助金(基盤研究(C)研究代表者酒井久実代、課題番号15K04147 による助成を受けて実施しています)。
 
心の傷を癒すカウンセリング
カウンセリングはうつ病などの精神疾患の治療技法として行われるだけでなく、心の傷を癒す技法でもあります。心の傷は誰もが日常生活で経験するものですが、適切な手当てをしないと、いつまでも心に残っていて、その人を前に進めなくさせてしまうことがあります。たとえば、20代、30代に“ひきこもり”になってしまった人のお話を聴くと、子どもの頃の親子関係や級友との関係の中での心の傷をずっと引きずっていることも少なくありません。心に傷を受けたときは、それを見ないようにするのではなく、優しく見てあげる必要があります。でも、それを一人でやるのは怖かったり、難しかったりするので、一緒に見てくれる人がいると助かります。それを専門的にする人がカウンセラーです。 
 
カウンセリングを学ぶことの意味
私は大学でカウンセリングの理論や方法を教えています。和洋女子大学の心理学科では、公認心理師というカウンセラーの国家資格に対応したカリキュラムを2019年度からスタートさせます。このカリキュラムで学んだ人が将来、カウンセラーになって活躍してくれたら、どんなにうれしいことでしょう。でも実は私が望んでいることはそれだけではありません。カウンセラーにならない人にもカウンセリングを教えて、自分の心の健康を守る術(すべ)を身につけてもらい、職場や家庭、地域での人間関係にも活かして、幸せな生涯を送れるよう願っています。
 
公認心理師は“国民の心の健康の保持増進に寄与すること”が求められています。健康寿命を延ばすことが、今の日本の目標となっていますが、この健康には当然“心の健康”も含まれています。高齢者になっても、人の話を親身に聴くことはできると思いますし、自分の心を見て、それを人に伝えることもできると思います。カウンセリングは、その人の心の健康を一生守ってくれる技になるのではないでしょうか。

カウンセリングは練習することによって、少しずつできるようになるものですが、私もまだまだ練習が必要です。
みなさんも心理学科で共に学んでいきませんか?

酒井久実代教授のプロフィールはこちらから 

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