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調理科学について研究している大石恭子教授からのメッセージを紹介します
「おいしさ」に向き合い、科学的根拠に基づいて「おいしい理由」を明らかにするのが調理学の役割。大石恭子教授は、この「おいしい!」の理由を解明する調理科学について研究しています。
「調理にはおいしくするための技術がある。その技術には科学があるはず。」という信念のもと、調理学が学問として誕生しました。食品の成分、調理過程における成分の変化、成分同士の相互作用、食べる人の評価等、様々な角度から「おいしさ」に向き合い、科学的根拠に基づいておいしい理由を明らかにするのが調理学の役割です。
下に掲げる『NEW 調理と理論 第二版』という本は、厚さ3cmにもおよぶ本ですが、私は大学生時代にこの本を片手に勉強してきました。2021年からは執筆者として加わり、読み手から書き手に変わりましたが、おいしさの解明は極めて複雑であることを実感しています。家政福祉学科1年次の必修科目「調理学」では、「これまでおいしさの原理なんて考えてもみなかった!」という学生たちに、おいしさの科学的な裏付けを紹介しています。
客観的な分析は、機器を用いるだけではありません。私たちが食べておいしさを感じることができなければ意味がありませんので、人もおいしさを評価する測定機器になり得ます。家政福祉学科3年次の選択科目「食品官能評価演習」では、人の五感を使っておいしさを評価する方法を教えています。
【写真】山崎清子・島田キミエ・渋川祥子・下村道子・市川朝子・杉山久仁子・米田千恵・大石恭子編著『NEW 調理と理論 第二版』同文書院(2021年)
「おいしさ」について、じっくり向き合ってみたいと思う方、調理学の門戸を叩いてみてください。おいしいものを食べると人は幸せな気分になりますよね。「おいしい理由を解明することに携わること」も、また幸せな気分にさせてくれるものです。
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