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総合生活研究科 田子歩実さんの修士論文研究成果が『Nutrients(MDPI:Basel, Switzerland, impact factor 5.0)』に掲載されました
2026年3月、和洋女子大学大学院 総合生活研究科博士前期課程修了の田子歩実さん[指導:鈴木敏和教授]が修士論文研究で、千葉大学大学院園芸研究科、千葉大学教育学部、およびIPB大学動物科学部との共同研究成果を取りまとめた論文「Compounds Contributing to the Modulation of Visceral Adiposity and Hepatic Lipid Metabolism in High-Fat-Diet-Fed Rats by Pometia pinnata (Matoa) Peel Powder: Identification of Pancreatic Lipase Inhibitors」が国際栄養学雑誌『Nutrients』の2026年3月上半期号(18巻5号)に掲載されました。『Nutrients』は、世界中で発行されている197の国際栄養学雑誌中、第17位にランクされるインパクトの高い雑誌です (Scopus)。
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<論文情報>
【タイトル】Compounds Contributing to the Modulation of Visceral Adiposity and Hepatic Lipid Metabolism in High-Fat-Diet-Fed Rats by Pometia pinnata (Matoa) Peel Powder: Identification of Pancreatic Lipase Inhibitors.
【著者】Tago, A.; Kagawa, N.; Sakai, T.; Tian, A.; Takano, S.; Nahrowi; Nomura, J.; Suzuki, T.
【掲載誌名】Nutrients
【巻(号)論文番号】18(5), 786
【概要】
マトア(Pometia pinnata)の果皮に含まれる肥満抑制成分の解明
トロピカルフルーツ「マトア」の果皮粉末に高脂肪食による肥満や脂肪肝を抑える効果があることは、鈴木研究室および千葉大学・インドネシアIPB大学の共同研究チームによって報告されていましたが、どの成分が効いているのかは不明でした。本研究では、果皮粉末の水抽出残渣には肥満を抑える効果が維持される一方、エタノール抽出残渣では効果が失われることから、エタノール抽出物に有効成分が含まれると着目しました。そこで、エタノール抽出物を活性指標に基づき分離・精製した結果、マトア果皮に、「ヘデラゲニンサポニン」を含む膵リパーゼ阻害成分が含まれることを明らかにし、さらに「プロトカテク酸」を脂肪の消化・吸収に欠かせない酵素(膵リパーゼ)の活性を阻害する成分として新たに単離・同定しました。ただし、消化管内の環境を模した試験では単独成分の効果が弱まることも判明しており、これら二成分を含む複数成分が腸内で変換・協調しながら働くことで、はじめて肥満抑制効果が発揮されると考えられます。
<鈴木教授のコメント>
田子さんは卒業論文から修士課程まで3年以上にわたり、異なる専門分野を持つ千葉大学・IPB大学の先生方や大学院生の方々と協力し合いながら、動物実験から有効成分の単離・構造同定、さらに消化管内での挙動評価まで一貫した研究を推進しました。複数の共同研究機関と連携しながら得られた本成果は、食品成分による肥満予防の可能性を示す意義深いものです。今後は本研究を足がかりに、食と健康をつなぐ研究がさらに発展することを期待しています。
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