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「心身を整えて、落ち着きをセルフコントロールする「自律訓練法」について研究・実践しています」(佐瀬竜一教授)
■専門・研究分野
専門分野は臨床心理学、健康心理学、教育心理学です。心身を整えて自分に必要な落ち着きを自分の手で作り出していくセルフコントロールの一つである自律訓練法の効果と活用法について、大学院生の時から約20年間、研究・実践しています。自律訓練法の心理的効果に関する研究から出発し、年齢や立場の変化と共に自律訓練法のより効果的な指導法に注目し、研究しています。また、大学教員となって大学生の指導に携わるようになってからは、大学生に、より身近で有効なセルフコントロールの方法を探求するようになり、自律訓練法に加えて、書くこと、音楽を聴くことの心理的効果についても研究するようになりました。大学生の指導をしていく中で、より効果的なグループ学習とは何か、個人を犠牲にしないグループ学習や、個人の成長や学びにつながるグループ学習はどうしたら可能になるのかに興味を抱くようになり、協同学習の研究にも着手しています。最近は、スクールカウンセラーとして活動してきた経験なども活かして、青年の時間的展望や、社会人基礎力を視野に入れたキャリア教育プログラムの開発や教材の開発にも取り組んでいます。月日を追うごとに研究テーマが増えていますが、日々の授業を受講してくれている学生の成長に役立つ知見を得ることができればと思って取り組んでいます。
■現在の道に進もうと決めたきっかけを教えてください
大学入学後に最初に受けた心理学の授業が面白かったことがきっかけです。大学入学前までは勉強を面白いと感じたことはなかったので、大学にもあまり期待していなかったのですが、心理学の授業で「こんな面白い世界があるのか」と衝撃を受けました。とにかく心理学をもっと勉強したいと思い、授業を熱心に受けるだけでなく、自分で色々調べるなど、どんどんハマっていきました。そして、心理学を専攻すべく、大学卒業後に大学院に進学したのですが、そこで出会った指導教員の先生の影響で研究者を志すことになりました。人を成長させることができる、懐が広い先生で、「この人のような大学教員になりたい」と心から思いました。尊敬できる師と出会えたことは自分にとって幸運でした。その先生のおかげで頑張ることができ、大学院修了後、すぐに大阪国際大学に専任講師として採用され、大学教員になるという夢を叶えることができました。その後、常葉大学を経て、和洋女子大学で大学教員を続けることができています。まだまだ足元にも及びませんが、尊敬する師に少しでも近づくことができるように、日々を大切に取り組んでいきたいと思っています。
■趣味や、今、ハマっていることがあれば教えてください
映画を見ることですね。子どもの年齢やコロナ禍というタイミングも重なって、ここ数年でハマりました。特に、特撮ヒーローやアクションものを息抜きによく見ています。あとは食べ歩きですね。特にラーメンには目がありません。年齢も年齢ですので、気をつけないといけないのですが、ラーメンと一言で言っても大変、奥が深くてやめられないですね。
■学生たちへメッセージ
心理学は「人がいかなる環境にある時、心がいかに動き、いかに行動するか」を知るための学問です。例えば、大事な場面でなぜアガり過ぎるのか、なぜ人は落ち込むのか、なぜ他人と揉めるのか、なぜ人は騙されるのか、どうすれば心を強くすることができるのか、といったことが分かってきます。具体的な人間生活を対象にする日常生活の科学であるため、「なるほど。あの時のあの行動にはこんな意味があったのか」と自分と結びつけて、自分について振り返りながら楽しく勉強することができます。このようなことを学ぶと、自分や他者の心の動きや行動を、予測して動くことができるようになります(例:相手に興味を持ってもらうためにはどう振る舞えばよいのか)。仕事やプライベートでも、人は一人では生きていくことはできません。自分や他人の心の動きの特徴を知っておくと、自分や他者とうまくつきあっていくことができます。人と接する仕事がしたいけど、あまり人とうまく接することができないと自信が持てないという人にこそ、オススメの学問といえるかもしれません。よく、心理学って難しそう、大変そうという声も聞きます。人の心や行動の「働き」や「違い」に関心や疑問を持つことができればいいのかなと、私は思います。つまりは自分も含めた人の心に興味があればできる学問だと思います。心理学は大学からみんな横一線でスタートするので、高校まで頑張ってきた人はもちろん、大学から頑張りたいという人にもオススメします。心理学科では、0からじっくり心理学の知識やスキルを身につけることができるように、無理のない計画的なカリキュラムやサポート体制が作られています(赴任してきて、和洋女子大学は随分と贅沢な学習環境だなと日々感心しています!)。卒業時には、データに基づいて説得力を持って人に分かりやすく物事を伝える力、人の心をいろいろな角度から見ることができる、決めつけない力が身につきます。さらに、ストレスに対処する力や、人間関係を円滑にしていくための知識やスキルを学ぶことができます。これらのことを身につけて卒業すると、社会に出てから幅広く長く活躍できることでしょう。これまで指導した学生も色々なフィールドや立場で、自分らしく活躍しています。学生の皆さんの日々の成長に寄り添うことができる幸せをこれからも忘れずに、一緒に頑張っていきたいと思っています。
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