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日本文学文化学科

名前: nihonbungaku 作成日: 2014/02/06 16:49
日本文学文化学科のブログ

投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/07/12 9:14
■専門・研究分野
日本語そのものを対象に研究をする「日本語学」が私の専門分野です。その中でも、日本語の変化に着目する「日本語史」という分野で主に研究をしてきました。言葉が変化する時、そこにはどのような背景・要因があるのか、変化していく過程はどのようなものか(じわじわゆっくり変わるのか、一気にがらっと変わるのか)、日本語として生き残る言葉と廃れてなくなってしまう言葉にはどのような違いがあるか、といったことに興味があります。近年では、特に、近代化(新しい科学技術や概念が入ってきて、社会の仕組みやあり方などが変わること)が言語変化に与えた影響について研究をしています。
研究を進める際に、大量の言葉のデータを集めてきて、それらを数えて量を比較することなどから、言語の実態を浮き彫りにするという方法を取る点も、私の研究の特徴です(計量言語学といいます)。データを作ったり分析をしたりするのに、プログラミングや統計の考え方・手法を使いますので、パソコンが研究に欠かせない相棒です。

■現在の道に進もうと決めたきっかけを教えてください
幼い頃から本が大好きで、多読が功を奏したのか国語だけは得意でした。教育系大学の国語科教員養成課程に入り、周りと同様に自分も国語科教員になるんだろうなと思っていたのですが、知識を得るだけでない大学での学びは楽し過ぎました。当時、言語学のゼミに参加していたのですが、「共感覚表現」という、五感のうちのある感覚を表す語が、別の感覚を表すのに転用される比喩表現(「暖かい色」「甘い香り」「臭い演技」「黄色い声援」など)について、辞書やさまざまな作品から用例を大量に集めてきて、転用の方向性について発表をしたことがあったんです。その時、ゼミの担当教授が「面白い!素晴らしい!あなたはセンスがある!」と言ってくださって、その言葉を真に受けてしまった私は「研究者になるしかない!」と大学院進学を決めたのでした(その教授は「素晴らしい」が口癖だと有名だったのですが……)。何より、自分でたくさんの材料を集めてきて、そこからルールを見付けたり、新しい事実を発見したりするのは、パズルや謎解きをしているようで楽しくて楽しくて。そのワクワクを求めて、今もこうして言葉の海の中を泳ぎ続けています。

■いわゆる「若者言葉」について、先生の見解をお聞かせください
(最近の中学生や高校生は「OK」→「おけまる水産よいちょまる」、「良い」→「よきまるざえもん」 など、一昔前は省略言葉が流行っていたようですが、最近は元の言葉より長くなるのが特徴のようです)

言葉の変化や、定着・淘汰に強い興味を持っているので、「若者言葉」は格好の観察対象です。若い人の話に聞き耳を立て、SNSなどでも日々、情報収集をしています。言語学者の多くは、こういった新しい表現や変化などを興味・研究の対象として見ていて、その良し悪しをあまり問題にしません。良し悪しが語られるとすれば、それはミスコミュニケーション(情報伝達上の機能不全)についてですが、そもそも若者言葉は「隠語」などと同様に仲間内だけで通用するという点が最も重要なファクターなので、仲間以外の人達とのミスコミュニケーションなんて、むしろ大歓迎!なんですよね。若者言葉が、次から次へと移り変わっていくのは、ある意味、当然。若者はずっと若者でいるわけじゃありませんし、オバサンやオジサンが使うようになったら、もうそんなダサい(死語?!)表現なんて使えません。最近の若者言葉が少し冗長な表現に変わってきているとしたら、どんどん略して短くする表現に飽き(や反動)が来ているからでしょう。若者言葉が次々と元気に生まれているのは、若い人達の創造性や新しいものを求めるエネルギーが損なわれていないことの表れだとホッとしますが、表現の成り立ち方自体は、略すにしても、無関係の言葉を継ぐにしても、昔の新語・流行語等の作られ方となんら変わりはないので、まだびっくりするような表現には出会えていません。発明的な表現が今後出てくるか、これからも注目していきます。

■学生たちへメッセージ
できるだけ多くのことにチャレンジしてください。早くから「これ」と思えるものがあることも、とても素敵なことです。でも、選り好みせず、「ちょっと苦手かも」と思うことも含めて、いろいろなことを試してみてください。勉強に限らず、です。一見、無関係に思えることも、実は深いところで繋がっているということはたくさんあります(大の数学嫌い、ただの本の虫だった私が、プログラミングや統計を駆使して言葉を研究するようになるなんて思ってもみませんでした!)。人も物も出来事も、出会いは全て皆さんの血肉になって、必ず将来の皆さんを助ける財産になります。失敗を恐れず、正解ばかりを求めず、目の前の新しい扉を次々、開けていってほしいなと思います。

間淵洋子准教授のプロフィールはこちらから
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投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/07/07 15:54
■専門・研究分野
書道(漢字)が専門で、中国・北宋時代の政治家、詩人、書家である蘇東坡の人と書について、蘇東坡書法の研究を行い、日展をはじめとした展覧会の作品制作をしています。
蘇東坡にまず興味をもったのは、本学の日本文学科 書道コース(現 日本文学文化学科 書道専攻)の『中国書道史』の授業で北宋の三大家(蘇東坡・黄山谷・米元章)等について学んだことがきっかけです。北宋の初期は、二王(王羲之・王献之)の伝統書法を基準とするものでしたが、北宋中期以後の士大夫文化の発達から、書にも変化が生まれます。北宋の三大家は伝統的書法を学んだ上で、個々に特色ある書法を形成していきます。この革新的な、個性あふれる書に興味をもち、北宋書法において突出した存在感を放つ蘇東坡について研究したいと意欲が高まったのが発端です。

■𠮷山先生にとっての書の魅力をお聞かせください
小学校1年生から近所の習字教室に通いはじめ、筆をもって書くことがとても楽しかった思い出があります。書を本格的に学んだのは大学に入ってからです。和洋女子大学の書道コース(現 書道専攻)では、実技・理論の両方をバランスよく学ぶことができ、充実した設備と先生方の手厚いご指導を受け、書の奥深さに魅了されました。
作品を制作する上では、書技術の向上だけでなく、それを裏付ける理論を学ぶことも大切です。その、いずれもが作品に投影されます。また、自分自身の内面的な動きも作品に反映されます。どのような書表現をめざすか、作品ごとに思案しますが、私にとって書は自己表現の最たるものだと思っています。

■制作の時に心がけていることや、こだわりなどがあれば教えてください
蘇東坡の書はよく『蝦蟇が潰れたようだ』と評されます。一見、上手な文字とは言い難いと思われますが、多彩な線が見て取れます。末端まで気を配られた重厚な筆画、大小長短が極端なまでに伸びた文字が自然なまでに調和しています。またそこに、蘇東坡の『意』を感じます。
その蘇東坡の文字を素材に、特に線、要墨、余白美にこだわって作品制作をしています。宋時代までの詩文を題材にすることが多く、どこにどの文字を配するかをまず考えます。また、どのような書風で書くかを決めます。そして様式ですが、ここ数年は横の形式に漢民族のシンメトリーの様式美を作品に落とし込んでいます。重厚な左払いの線を中心に、蘇東坡独自書法の線の表現をすべく思考錯誤をしておりますが、『宋人の書は意を尊ぶ』と評されるように、理論的に思考してできるものではなく、自己を表出させた線の表現を模索中です。墨は作品を見る距離によって、しっとり落ち着いた墨の表現を意識し、行立ちにおける余白の美しさを心がけています。
作品制作においては、時間を決めて、じっくりと制作にあてる時間を確保したいところですが、実際のところは育児をしながら、慌ただしく書いています。ですが中国の能書といわれる人物たちも、現在、作家活動をされている書家の方々もそれぞれに生活をしながら、書を書いており、逆にそれがないと、鑑賞する側の共感は得られないと思います。蘇東坡の代表作『黄州寒食詩巻』も流謫地で大変な境遇な中で書したものであって、そのあたりから蘇東坡の独自書法が確立していったと考えると、私自身もそれを励みに書と向き合い続けていきたいと感じます。

■学生たちへメッセージ
自分がどのようなことに特に興味を持ち、学びを深めたいのか、明確な目標をもって過ごしてもらいたいと思います。4年間、充実した学びが得られたら、社会に出た時の一生の宝になります。学生生活でできることを、積極的に挑戦してみてください。
また、書を専攻する学生においては、歴史ある伝統文化を学ぶことを誇りに思って、社会に広めていく人材が育っていくことを期待しています。ともに頑張っていきましょう!

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投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/07/06 10:04
日本文学文化学科では、2年次まで学科に所属し、3年次以降はより専門的な専攻へと進みます。文化芸術専攻では、専攻に分かれた初年度に、専攻課程の学びを深めてゆくため、また、教職員や学生相互の親睦を図るため、懇親会を毎年開催しています。今年度はZoomによるオンラインでの開催とし、前半が専攻の卒業生によるお話、後半が専攻教員によるゼミ説明会という、二部構成のプログラムとなりました。

プログラム前半では、文化芸術専攻の卒業生3名をゲストスピーカーとしてお招きし、現在の働いている環境や活動内容、社会人として大学での学びがどのように生きているのか、といったことについて、様々な角度から話してもらいました。

1人目の先輩(2019年度卒)は教育財団法人に就職しました。教育財団法人、と聞くとなかなか具体的に働いている姿が想像しにくいお仕事かもしれませんが、例えば公民館や図書館といった、社会教育や生涯学習の拠点となるような施設が主な勤務先になります。このような業種に密接に関わってくる「地域文化論」や「生涯学習」は、本専攻の学修においてもキーポイントの一つです。
 


続いての先輩は2020年度卒と、社会人1年目。アニメーション制作会社の制作進行として就職しました。アニメーション制作という専門的な業界の中でも、職種によって必要な資質・技量が全く異なるということがよくわかるお話でした。文化芸術専攻では、アニメーション業界に関心をもつ学生も多いので、就職活動の方法についても具体的なお話が聞ける貴重な機会となりました。



3人目の先輩も2020年度の卒業生。リサイクル系の一般企業へ就職し、現在マーケティングのお仕事をしています。一見難しそうな職種……と感じてしまいがちですが、「正解のない問いについて考えてゆくこと」や「資料を収集・分析し、アイディアを広げてゆく作業」は、まさに大学で訓練してきたことに当てはまり、現在の開発業務にそのまま反映することができているとのことでした。柔軟な思考を培う「芸術系」は、一般企業の就職活動においても、実際に働く現場においても、大きなアドバンテージになるのだそうです。



続いては、卒業研究のゼミの説明会です。日本文学文化学科では、4年間の学修の集大成として、4年次には「卒業論文」が必修となっています。文化芸術専攻では、論文と実技制作の2種類からひとつを選び、4つある「ゼミ」のいずれかに所属して、研究や制作を行います。この4つのゼミにつき、それぞれの担当教員から紹介がなされました。ゼミの選択にあたっても、先の卒業生のお話の中には、様々な考えるヒントがちりばめられていました。



日本文学文化学科のゼミ一覧はこちらから
文化芸術専攻の過去の卒業論文(制作も含む)題目はこちらから
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投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/07/05 11:14
日本文学文化学科吉井美弥子教授が司会・コーディネーターを務めたシンポジウム「古文教育における文法学習―ニワトリが先かタマゴが先か―」が、2021年6月19日(土) 14時半よりオンラインにて開催されました(以前に掲載した告知記事はこちらから)。以下、吉井美弥子教授からの報告です。

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この度、私が司会・コーディネーターを務めたのは、早稲田大学国語教育学会主催の2021年度夏季大会シンポジウムです。本シンポジウムでは、高校生が古文を嫌いになる理由のひとつといわれる「文法学習」の問題を正面から取り上げました。登壇者は奈良教育大学の有馬義貴准教授、福岡女学院大学の小林賢太講師、聖光学院中学校高等学校の根本駿教諭のお三方です。先生方から、文法学習そして古文を学ぶことの理念と意義、和歌を用いた文法学習の具体的な実践方法案、高校生のアンケートを踏まえた現場での問題、と三者三様のアプローチによる刺激的なご提言があり、文法学習の問題と意義をめぐって熱い討議が繰り広げられました。フロアからも活発な質問が出て、たいへん充実したシンポジウムとなりました。


【写真】シンポジウム登壇者の先生方(写真掲載につき、ご本人と学会事務局の許諾を受けています)

当日は、会員と一般参加者をあわせ、北海道から九州まで全国各地より125名もの参加がありました。オンライン開催の利点が活かせたと思います。高校・大学の先生方はもとより、さまざまな大学で国語科教員を目指す学生さんたちも多数参加してくださり、このテーマへの関心の高さが大いに窺えました。もちろん、和洋の学生、大学院生の皆さんも参加してくださいました。頼もしい限りです!

本シンポジウムの内容は、『早稲田大学国語教育研究』第42集(2022年3月発行予定)に活字化される予定です。

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#教員研究業績紹介 #在学生へ #市民社会へのアウトリーチ #教職 #資格
投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/07/02 12:15
新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため開催を中止とさせていただきます

令和3年度 第51回 和洋女子大学 夏期公開講座(書道)
文部科学省認定 芸術科書道免許状単位取得教職講座  書道実技公開講座

一 趣旨
和洋女子大学においては、昭和45年に文部科学省(当時文部省)より高等学校芸術科書道の教員免許状取得の教職講座が認可されました。それを機会に特に書道によって東洋的精神を普及するために夏期講座を開催して、早くも第51回を迎えることになりました。その間、伝統的書学・書法を通して豊かな教養と高い文化を理解し享受すると共に、自由な境地で書表現の真髄を追及してきました。
以上の趣旨により、本講座は教育課程に則った現職教員の資質向上と、高等学校芸術科書道・中学校国語科教員免許状取得に必要な単位を修得するためのものであります。
また、同時に本講座は開かれた大学として、既に半世紀前から生涯学習のための公開講座として位置付け、書道指導者、書道愛好家、一般社会人等の実力養成と実技認定も併せて実施しております。多数受講くださいますようご案内申し上げます。

二 受講目的
   (a) 単位取得のため
     1.高等学校教諭1種免許状(書道)取得のため
     2.中学校教諭1種免許状(国語)取得のため
   (下記のA~C科目、E~G科目、I~K科目は各3日間で1単位取得
    DHL科目は各2日間で1単位取得)
      *大学入学資格を有する者とします。
   (b) 実技認定のため・実力養成のため
     1.一般書道愛好家が対象です。どなたでも受講できます。
     2.段級位希望者には講座終了後に認定証を授与します。
      *高校生から受講できます。

三 会場
  千葉県市川市国府台2-3-1  和洋女子大学書道教室 (東館 6・7・8階)
  電話  047(371)1938  *夏期公開講座(書道)事務局 直通
  道順  JR総武線  市川駅下車 … 松戸行バス (乗車時間約10分) 真間山下 下車
      JR常磐線  松戸駅下車 … 市川行バス (乗車時間約20分) 真間山下 下車
      京成電鉄 国府台駅下車 … 徒歩約10分 *バスは渋滞する可能性があります。

四 期間
  令和3年8月19日(木)~8月29日(日)  <8月22日(日)・8月26日(木)は休講>

五 日程及び開講科目 → 時間割はこちら
 一期 8/19・20・21  A 楷書法 B 草書法 C 隷書法 D 日本書道史
 二期 8/23・24・25  E 行書法 F かな書法 G 篆書法 H 中国書道史
 三期 8/27・28・29  I 創作漢字 J 創作かな K 漢字かなまじり書法 L 書道科指導法

六 講義及び実技の時間割
1. 9:30~10:15 2.10:15~11:00 休憩 3.11:10~11:55 
4.11:55~12:40 昼食 5.13:30~14:15 6.14:15~15:00 休憩 
7.15:10~15:55 8.15:55~16:40

七 受講定員
  各科目24名 (定員になり次第締め切ります。)

八 受講料
   ( A・B・C・D・E・F・G・H・I・J・K ) … 1科目 13,500円
   ( D・H・L ) … 1科目 9,000円

九 受講申込書記入について
  1.教職単位取得講座 … 教職単位を希望する者が受講する場合の講座名
  2.実技認定講座 …  実力養成を希望する者が受講する場合の講座名
  ★1・2 共に証明書・認定証を希望される方は別途申し込みになります。

  3.講座科目の選択
  ABCD(一期)EFGH(二期)IJKL(三期)の各科目は授業が各期同日・同時間に
  行われますので各期1科目を選択してください。
  (本年度における最高受講科目数は3科目です。)

  4.申込みについて 

申し込み方法はこちらから
申込書はこちらから

申込書・受講料の確認をもって受付とします。
8月2日(月)以降の申込みは下記にお電話ください。


 <お問い合わせ受付時間>*夏期公開講座(書道)事務局直通(係・𠮷山)
 月・火・木  10:00~17:00  047-371-1938 

注意事項
  ○新型コロナウイルス感染症に伴い、開催を中止にする可能性があります。
  ○定員になり次第締め切りますので、受講をご遠慮願うことがあります。
  ○一度振り込まれた受講料は理由のいかんにかかわらず返金しません。
  ○領収書は、郵便振替払請求書兼領収書とさせていただきます。

投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/06/28 10:14
日本文学文化学科小澤京子教授も寄稿した批評誌『ユリイカ』ココ・シャネル特集号(2021年7月号)が、6月29日(火)に発売されます。小澤京子教授が、その概要を語ってくれました。


【写真】ユリイカの表紙

「ファッションにあまり興味がなくとも、「シャネル」というブランドの名前を知らない人はいないでしょう。化粧品や香水のラインも含めて、いまでも世界中で人気があります。その創始者ココ・シャネルも、何冊も評伝が書かれ、たびたび映画にもなっているほど、神話化された女性デザイナーです(たとえばTwitterを「ココ・シャネル」で検索すると、彼女の発言だという「名言」のたぐいが数多く出てきます)。しかし、今回の『ユリイカ』ココ・シャネル特集号は、これまでにつくられてきた紋切り型のシャネル像を解体したりずらしたりしながら、複数の新しい視点を導くものとなっています。

私は、「フィルムのなかのシャネル」と題して、ココ・シャネルが衣裳提供した映画数点をとりあげ論じました。なかでも、謎めいた複雑な構成と独特の映像美で名高い『去年マリエンバートで』(アラン・レネ監督、アラン・ロブ=グリエ原作・脚本)では、シャネルによる衣裳が謎を解く――あるいは謎を解いたつもりで、さらなる罠にはまる――重要な鍵となっています。ほかにも、ジャン・ルノワール『ゲームの規則』、ルイ・マル『恋人たち』、『ボッカチオ‘70』収録のヴィスコンティ作品など、映画史に残る作品と衣裳の関係にふれていますので、ぜひ映像とともにご一読ください。この原稿のためにいくつかの映画を見直してみて改めて気づいたのは、シャネルの服はけっして悪目立ちするデザインではないけれども、映画のヒロインを、そして彼女を演ずる女優たちを、特権的に際立たせるものであるということです。

ところで、和洋女子大学の創立者、堀越千代が下の写真で着用している帽子とドレスは、シャネルによる1926年のリトル・ブラック・ドレスのデザイン(Chanel公式サイト掲載の図版)によく似ています。日本には10年ほど遅れて、シャネル風のデザインが伝播したとのこと。フランス人女性に洋裁を習っていたこともあるという堀越千代。時代に先駆けて、パリのモードもさっそく取り入れていたのかもしれませんね。シャネルのデザインをどのように知ったのか、興味深いところです」


【写真】1929(昭和4)年に撮影された堀越千代(『和洋学園百周年記念誌』より)

日本文学文化学科では、ファッションと身体の関わりについて、映画表現の歴史について、文学作品とその映画化との関係について、さらにはアナログ技術から先端のデジタル技術までを駆使した映像制作の技法についてなども、学ぶことができます。

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#教員研究業績紹介 #在学生へ #市民社会へのアウトリーチ
投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/06/23 13:00
■専門・研究分野
日本近代文学を専門としています。その中でも、田山花袋を中心にこれまで研究を進めてきました。花袋といえば『蒲団』、『蒲団』といえば作者の体験の私小説的な告白、という尻取り式のイメージが、今日でも根強く残っています。しかし、その『蒲団』にしてからが、すでに同時代評のなかで、作者の告白とする読み方とともに、同時代、つまり20世紀初頭の知識人の典型的な姿を描いた作品、という評価を与えられていたことが、注意されます。そうした、花袋の作品に映し出された(時には作者の意に反して映し出されてしまった)時代の姿を読み取っていきたいというのが、現在の私の関心の方向です。


■現在の道に進もうと決めたきっかけ
私は子供の頃から本が好きでした。小学生の頃、学校の図書館で江戸川乱歩の「少年探偵」ものを、古いポプラ社版のシリーズで読んだことを今でも覚えています。中学生になると、祖父母の家から、祖父が若い頃買い揃えた筑摩書房版の『現代日本文学全集』を借りてきて読むようになりました。祖父は鉱石の分析などを専門とする理系の技術者でしたが、文学好きで、その書架には新書版の『啄木全集』なども並んでいました。高校時代には岩波文庫の、むしろ、赤帯(海外文学)や青帯(哲学・思想)をよく買っていたように思います。大学で専攻を決める際には、当時好きだった(今でも好きですが)ロシア文学をやろうかとも考えましたが、日本文学を選んで今日に至ります。


■先生が寄稿された書籍『文豪たちの住宅事情』の執筆または発行の際の裏話などあれば教えてください
この本は、以前、私が項目執筆者として参加した『文豪の家』『文豪の風景』『文豪の素顔』という3冊の「文豪本」の執筆メンバーが、あらためて集まって作ったものです。この本で私の担当した「文豪」のうち、企画段階で特に頼んで入れてもらったのが、島村抱月でした。今では論じられることの少ない文学者――当時、主に評論家として知られた人ですが、本格的な評論のほかに、ちょっとした小品や随筆に味わい深いものがあります。それに、田山花袋『近代の小説』の評言を借りれば、「ある時には、博士(プロフェッサー)になることを目的にしてゐる人ではないかとすら思はれたくらゐ」でありながら、「しかしかれは熄火山ではなかつた。やがてその爆発の時が来た」という抱月の生き方も、私は書いてみたいと思いました。それがうまく出ているかどうか――それは読者の皆さんに判断していただきたいと思います。

■学生たちへメッセージ

私は学生の頃から、図式化が嫌いでした。文学史の本などで、この作家は何派である、この作品の主題は何である、というような、いかにも裁断的な記述を読むと、そのたびに退屈と反発を感じたものです。しかし、自ら講壇に立つと、一定の図式化は避けられません。そのような図式化を決断するとき、その図式からこぼれ落ちるものを惜しみながらも、私は出来るかぎり、その作家・作品の典型的な側面を包括できる図式を提示しようと努めます。それでもやはり、学生の皆さんには、一つの図式によっては掬い取れないものがその作家・作品にないかどうか(それは常にあるのですが)、という問いかけの姿勢をもって、授業に臨んでもらいたいと思います。その問いかけが、ある作家・作品に、よりふさわしい図式を与えることにつながるはずです。


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投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/06/15 15:39

文化芸術専攻の「表現教育」の取り組み

文化芸術専攻は、みずから表現し、社会に発信してゆくこと、人々の表現を尊重し、次世代へと繋いでいくことを重視した教育を、一貫してつづけてきました。芸術と文化についての専門的な知識と、みずから創作を行うために必要な技術、豊かな感受性と自由な表現力を養うために、授業のカリキュラムから学生の自主的活動まで、充実した制度を用意しています。

世界をとらえ表現する基礎を学ぶ「ファインアート」


【写真】西洋絵画の基本的な技法である油彩画を学ぶことで、表現活動の基盤となる「ものの見方ととらえ方」、「見たものを表現する力」を磨くことができます。空間構成や色彩感覚といった、視覚表現の基礎も鍛えられます

デジタル化の時代にふさわしい文化の伝承と発信の技法を学ぶ「表現特殊演習Ⅰ」


【写真】現在、注目されているヴァーチュアル・ミュージアムやデジタル人文学。この授業では、資料のデジタル化やウェブ展示についての知識とスキルを実践的に学ぶことで、現代の「文化の伝承者」に求められている技能を身につけることができます

みずからの学びを主体的に表現する 学生作品展「First Step」

「First Step」は、毎年、和洋女子大学文化資料館で開催している、文化芸術専攻主催の学生作品展です。学生たちが授業で制作したデッサン、油彩画、テンペラ画、水彩画などを、広く地域社会に向けて発信する機会であり、展示企画から会場設営まで、すべて学生たちが手がけています。 2020年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により文化資料館での公開展示が中止となったため、学生たちのアイディアで、オンライン作品展示を実施しました。


【写真】「First Step」の展示風景(2019年度)


【写真】「First Step」のウェブ展示(2020年度)

「表現教育」を実践する課外活動  デザインフェスタへの参加

文化芸術専攻では、大規模な国際アートイベントであるデザインフェスタに毎年出展し、学生たちの表現を広く社会へと公開しています。展示のコンセプト決定から展示品の制作、販売品の管理、広報活動まで、すべて学生たちで企画し実行します。学外イベントで表現活動を発信し、社会の人々とつながる機会は、学生にとって大きな刺激となります


【写真】デザインフェスタでの出展ブース(2019年度)。学生たちの作品の展示販売に加えて、専攻の学びも紹介しています

「表現教育」の集大成 卒業論文・卒業制作

文化芸術専攻では、4 年次の卒業研究を、論文と制作から選ぶことができます。どちらも4年間の学修の集大成として、言葉や作品で「表現し、伝える」ことを目的としています。

卒業論文・卒業制作発表会

卒業論文は、みずからの研究成果を言語として表す、まさに「表現教育」の完成形です。日本文学文化学科が毎年開催している卒業論文・卒業制作発表会には、文化芸術専攻で卒業論文を選択した学生も参加します。
*卒業論文・卒業制作発表会については、日本文学専攻における「表現教育」の取り組みをご参照ください。


【写真】卒業論文・卒業制作発表会でみずからの研究について発表する文化芸術専攻の学生(2019年度)

卒業制作展

卒業制作を選択した学生は、毎年、卒業制作展を市川市の市民ギャラリーや市民文化会館で開催します。ここでも、会場探しから作品の運搬、展示設営、さらには開催中の会場運営まで、学生主体で決定し実施します。みずからの制作物を地域社会へと発信する卒業制作展は、表現によって社会とつながり、人々と分かち合う「表現教育」の結晶化といえます。
2020年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により会場での展示は中止となりましたが、学生たちの発案と企画により、ウェブ上で卒業制作展を実施することができました。
*2020年度卒業制作展示ウェブサイトは、すでに公開を終了しています。


【写真】卒業制作展の展示風景(2019年度)


【写真】卒業制作ウェブ展示(2020年度)

「表現教育」や日本文学文化学科に興味をお持ちの方へ

和洋女子大学 人文学部では、「表現教育」をテーマにした体験型のプログラムを、2021年6月に企画しています。このプログラムでは、本学入試の総合型選抜などで活用できる「受講修了書」も発行します。詳細はこちらをご覧のうえ、ふるってご参加ください。

日本文学文化学科 日本文学専攻と書道専攻の表現教育についてはこちらから
日本文学専攻の表現教育
書道専攻の表現教育

日本文学文化学科の学びはこちらから
日本文学文化学科の紹介動画を公開中! 動画はこちらから
投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/05/31 15:26
6月29日(火)、令和3年度 日本文学文化学会を開催します。発表者は和洋女子大学の大塚千紗子助教です。 参加費は不要、会員以外の方もご自由にご来聴下さい。


(クリックでPDFが別窓表示されます。)

【開催日時】
2021年 6月29日(火)13:30〜15:00
【題  目】『日本霊異記』における「気」とその表象(発表者:大塚千紗子助教
【参 加 費 】無料
【開催方法】オンライン
参加をご希望の方は、nichibun.wayo@gmail.comへ、メールにてお申し込みください。
※会員以外の方は事前にお申し込みをお願い致します。

日本文学文化学科での学びについてはこちらから
日本文学文化学科の紹介動画はこちらから

#教員研究業績紹介 #在学生へ #市民社会へのアウトリーチ
投稿者: nihonbungaku 投稿日: 2021/05/21 16:35

書道専攻における「表現教育」の取り組み

書道専攻では「書への理解を深め、高いレベルの表現力を身につけるとともに、創造性に富んだ感性豊かな人間を育む」という目標を掲げています。では、そのためにはどういった学習をしていくのか。表現するために必要な条件として<技法><知識・情報><感性>があると考えています。

そこで、書道専攻では
・書に関する<技法>
・書に関する<知識・情報><感性>

それらを習得できるように、さらに書に関する<技法>、または書に関する<知識・情報><感性>のバランスを保ちながらカリキュラムを構築しています。中国古代から日本の近・現代にいたるさまざまな時代、ジャンルの書道作品を読解し、それぞれの時代書の技法や感性を学び、創造的に表現する力を身につけていきます。また、大学の教室での授業だけでは学びえない大作の制作などは、佐倉セミナーハウスを利用した合宿形式の集中講義で補完します。さらに、こうした大学での学びを基に書としての表現、つまり各自が書作品を制作し、高校生・大学生を対象とした公募展や一般を対象とした展覧会へも応募し作品を発表しています。

「書道特殊演習Ⅰ」「書道特殊演習Ⅱ」

「書道特殊演習Ⅰ」は『倣書』をテーマに、「書道特殊演習Ⅱ」は『創作』をテーマにした、いずれも書の表現のための授業です。

 
【写真左右】「書道特殊演習Ⅰ・Ⅱ」の授業の様子(佐倉セミナーハウスにて)

表現教育の集大成(その1)【卒業論文】

4年間の学びの集大成として、4年次には卒業論文・制作に取り組みます。作品や先行研究に体現された他者の思考と対話を交わしながら、自身の思考を言語化し表現する卒業論文は、まさに4年間の書に関する<知識・情報>習得の集大成といえます。書道専攻では、完成した卒業論文を発表する「卒業論文発表会」を毎年開催しています。表現教育の成果を特に3年生を中心とした、他者に伝える力を養うことを目的としています。

表現教育の集大成(その2)【卒業制作展】

― 表現学習の成果公開 ― 表現教育で地域社会とつながる

「雁鴻会書展風景(卒業制作個展)」について
書道専攻の学生は4年終了時に個展形式の展覧会を各在住市町村で開催し、4年間の学びを展示公開します。会場の確保から表具、案内状作成、作品搬入、陳列まで、展覧会に関わる全ての作業を学生自身が行います。<表現学習の成果を公開する場>を学生自身が準備し、さらに在住市町村にある会場で行うことは、学生になじみの深い<地域社会とのかかわり>のなかでの公開ということになります。

 
【写真左右】雁鴻会書展(卒業制作個展)の様子

※令和2年度はコロナ禍のため、個展形式での開催ができずメイン作品を一堂に合同開催となりました

書に関する<知識・情報>の習得と<感性>の享受【書道研修】

長い伝統をもつ書と、その誕生の地について学ぶことを目的に、書道史上重要な史跡を実際に訪れます。表現のための知識と情報、そして書が生まれ育った風土を体感することで感性にも刺激を与えるものです。書学・書法の学習を深めるとともに4泊5日の研修中には現地の書を学ぶ学生との交流もおこなってきました。

 
【写真左右】書道研修の様子

「表現教育」や日本文学文化学科に興味をお持ちの方へ

人文学部では、「表現教育」をテーマにした体験型のプログラムを企画しています。このプログラムでは、本学入試 の総合型選抜などで活用できる「受講修了書」を発行します。詳細はこの和洋女子大学公式ウェブサイト上で改めてご案内しますので、ふるってご参加ください。

次回は、日本文学文化学科の文化芸術専攻を紹介します。こちらもぜひご高覧ください。

日本文学文化学科の学びはこちらから
日本文学文化学科の紹介動画を公開中! 動画はこちらから

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