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英語コミュニケーション学科で翻訳家・小川高義先生による特別講義を開催!

6月9日、東京工業大学名誉教授、本学客員教授の小川高義先生が、英語コミュニケーション学科で特別講義「小説の翻訳と時代考証」を行いました。小川先生は、ジュンパ・ラヒリ、スコット・F・フィッツジェラルド、ジョン・アーヴィングなど、これまでに数多くの翻訳書を手がけてきた翻訳家として知られています。特に最近では、3月に『ドリトル先生アフリカへ行く』、7月にはケイト・ショパンの『目覚め』を刊行されるなど、児童書から女性文学まで幅広い作品を翻訳されています。文学・翻訳・言語に興味をもつ英語コミュニケーション学科の学生約60名と、人文学研究科英語文学専攻の大学院生が講義に出席しました。

【写真】司会の長妻教授が小川先生を紹介

講義では、まず印象派の絵画を例に、「同じ風景を描いても画家によって作品が異なるように、訳者が異なれば翻訳も異なる」という話から始まりました。この説明に、学生たちは驚きと感心をもって聞き入りました。一方で、絵画や写真と小説が異なるのは、小説は「一瞬で見る」ことができず、文章が流れの中で展開していく点です。そのため、「1センテンスを訳して終わり」ではなく、作品全体のつながりや流れを意識することが、小説翻訳では何よりも大切であると語られました。
続いて、最近刊行された『ドリトル先生アフリカへ行く』や過去の翻訳作品を例に挙げながら、時代背景や文化的背景をふまえて英語を訳すことの重要性についてお話しされました。原著では内容と時代設定が一致していないこともありますが、それをいかに工夫・調整しながらも、自分の考えを入れずに現代の読者へ伝えるかという翻訳家の苦労に、学生たちは深く感心していました。また、古い小説は現代の感覚だけで読むのではなく、当時の生活やインフラなどを想像することが大切であり、それが翻訳にも欠かせないというお話にも、一同納得していました。

【写真】「翻訳は印象派の絵画のようなもの」と説明

「英語のニュアンスや感覚を磨くためにはどうすればよいか」という学生からの質問もありました。これに対し小川先生は、「文法は地図のようなもの。地図を知っているからこそ、実際に訪れたときに見比べ、地図を書き換えることができる。だから文法も良いものだ」と回答されました。さらに、「文章を読むことも大事だけれど、たくさん絵を見たり音楽を聴いたりすることも大切。構図や配置などを学ぶことができ、それがきっと役に立つ」と話され、学生たちは新たな英語学習の視点を得ることができました。講義後の学生たちは、「偉い先生だと思って身構えていたのですが、とてもお茶目な方だと感じた」「声が心地よいので朗読もしてほしい」など、小川先生の人柄にも魅力を感じていました。また、星野文子准教授の「英語圏文学 I」で小川先生の訳書に触れた学生は、「講義では授業で実際に読んでいる本の話があったので、よりよくこの本のことを知りながら聞くことができ楽しむことができた」、「翻訳書がたくさんあるので、授業で扱っている作品以外も読んでみたい」という感想も聞かれました。

【写真】翻訳リストの多さにびっくり 

【写真】星野准教授「英語圏文学I」の授業風景

【写真】「英語圏文学I」の学生たちは、小川先生の翻訳書で予習をし、特別講義に備えました。

いつも英語と向き合っている学生たちは、「『翻訳すると文法と友達になれる』という言葉に励まされ」たり、「英語は知識を土台として正確に訳すだけではなく、人それぞれの訳し方があり、正解は一つではない」と学びました。また、「翻訳の世界で仕事をしてみたいというモチベーションになりました」と意欲を高めた学生もおり、大変有意義な講義となりました。

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