日本文学文化学科 日本文学専攻の小堀洋平准教授が、『図書新聞』※（2024年1月27日号）に、「自然主義文学の社会学的研究――小説の読者および作者としての地方小学校教員たちの姿を活写する」（ピーテル・ヴァン・ロメル著『「田舎教師」の時代――明治後期における日本文学・教育・メディア 』書評）を寄稿しました。

※『図書新聞』は1949年に創刊された、歴史のある週刊の書評新聞です。

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＜小堀准教授からのコメント＞
近代の日本文学に大きな足跡を残した田山花袋の代表作『田舎教師』（1909）。今回は、この小説の周辺を社会学的な方法によって論じたヴァン・ロメル氏の新著を採り上げて、書評を執筆しました。
明治期の地方小学校教員たちは、どのように同時代の文学を読み、また自ら創作したのか。本書はこの問題を豊富な資料によって明らかにしています。近代文学に関心をもつ学生だけでなく、教職をめざす学生にとっても興味深く読める一冊ではないでしょうか。

現在、日本文学文化学科3年生の演習授業『日本近現代文学特殊演習Ⅱ』で、この『田舎教師』を学生たちと読んでいます。100年以上も前の作品ですが、文学好きの地方小学校教員としての主人公の生き方は、学生たちの眼にも意外に身近なものとして映るようです。授業では、「他者に認められたい」という主人公の欲求について承認論的な観点から論じる発表が多い印象ですが、そのような欲求を主人公に生じさせる歴史的背景を浮彫りにした本書を、ぜひ皆さんに手に取ってもらいたいと思います。

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