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日本文学文化学科 小澤京子教授が『ユリイカ』セリーヌ・シアマ特集号に寄稿しました

詩と批評の雑誌『ユリイカ』セリーヌ・シアマ特集号(2022年10月号)に、日本文学文化学科 文化芸術専攻小澤京子教授が寄稿しています。その概要を、小澤教授が解説してくれました。

セリーヌ・シアマ(1978年生)は、「クィア映画」の第一線に位置し、「女性たちの絆」をみごとに描き出すことでも知られる、フランスの女性映画監督です。2019年には、『燃ゆる女の肖像』がカンヌ国際映画祭で脚本賞と女性監督初のクィア・パルム賞を受賞し、一躍国際的に名を知られるようになりました。最新作『秘密の森の、その向こう』の日本公開に合わせ、彼女のこれまでと現在の作品をとらえるべく企画されたのが、この『ユリイカ』セリーヌ・シアマ特集号です。

私は「書かれなかった歴史を描きなおす——セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』」と題して、『燃ゆる女の肖像』を取りあげました。これは18世紀のフランスを舞台に、肖像画を描く役割を担った女性画家と、そのモデルとなる伯爵令嬢の間に生まれた愛情・情愛と精神的な絆を、眼差しの交錯をモティーフに描き出した映画作品です。見る、描く、欲望する主体と客体にまつわるジェンダー二項対立図式(主体としての男性/客体としての女性)の解体、絵画と「鏡」の関係に与えられた新たな意味、絵画の生成プロセスをメタ言及した映像という観点から本作をとらえ直し、美術史においては未だ不十分にしか書かれていないフェミニストの視点、さらにはレズビアンの視点を、この映画がフィクション作品として「描きなおす」ものであることを論じています。

ちなみにこの『ユリイカ』セリーヌ・シアマ特集号には、現在本学で「映像文化論」(日本文学文化学科 文化芸術専攻専門科目)を担当されている非常勤講師の宮本裕子先生も、「蛸の誕生——『水の中のつぼみ』における「クィア」な少女たちと同性愛の脱ロマンティック化」を寄稿されています。

和洋女子大学の日本文学文化学科 文化芸術専攻では、映画やアニメーションを批評理論や歴史の側面からも、制作技法という側面からも学ぶことができます。さらに同じ学科のなかにある日本文学専攻でも、文学作品とそれを「翻案」した映像作品の比較や、映画・アニメーションの物語分析といった視点を扱っています。

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