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将来像~卒業生の活躍

将来像~卒業生の活躍一覧

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患者様やご家族が、自分らしい生活をおくるための伴走者でありたい

大倉 茜 さん

国保直営総合病院 君津中央病院
医療ソーシャルワーカー、社会福祉士
2015年3月卒業

――現在の仕事内容について
病気になると、私たちを取り巻く環境は大きく変化し、身体のことはもちろん、生活への不安も生じます。入院や通院をしている患者様やご家族が安心して生活が送れるよう、相談を受けて解決方法を一緒に考えるのが医療ソーシャルワーカーである私の仕事です。相談内容は多岐に渡り、医療費・経済面の不安、仕事と治療の両立、介護、療育、在宅療養、転院支援など様々です。他にも、各種制度の案内や、制度利用のために他機関との連絡・調整も行っています。相談者の方以外にも病院内のスタッフと連携をとりながら、日々の業務を進めています。

――仕事の魅力・やりがいを教えてください
患者様やご家族に寄り添い、その人らしい生活が送れるよう、一緒に考え、実現に向けて色々な職種・機関と協働していくことにやりがいを感じます。その人が大切にしている価値観や生きがいを大事にし、オーダーメイドで共に人生設計をしていけることが、この仕事の魅力だと思います。その人の人生を知り、これからの人生を一緒に考えていく。誰かの人生に関わり、より豊かな生活を送れるよう、可能性を探っていくことがこの仕事の醍醐味だと思います。

――この分野・仕事に進もうと思ったきっかけを教えてください
小さい頃から親に「人の話を聞いたり、相談を聞くような対人の仕事が向いているんじゃない?」と言われ、漠然と福祉や教育の分野に興味を持っていました。高校生の頃に「社会福祉士」という仕事を知り、相談を聞くことで人を支える一助になれるところに魅力を感じました。また、祖父母が病気を患っていたので、病気になることが、その人や家族の人生にとって大きなターニングポイントになるのだという実感もありました。医療によって身体を治療することはもちろんですが、福祉的な視点で生活をサポートしていくことの必要性も感じ、「医療ソーシャルワーカー」という仕事をしてみたいと考えるようになりました。

――和洋女子大学への進学を決めた理由
まずは、社会福祉士の受験資格がとれるということ。加えて、衣食住のすべてに関する科目を履修することができ、人を取り巻く生活環境を幅広く学べるところに魅力を感じて進学を決めました。入学してからも、「和洋女子大学を選んでよかった」と感じることが多く、とくに社会福祉士の実習では、担当教員から密に指導を受けることができ、より充実した実習を行うことができたと思います。

――大学の学びで、今の仕事に役立っていると思うことはありますか?
ソーシャルワーカーは、人と環境の接点に介入します。そして、私たちの支援対象は「人」だけでなく、その人を取り巻く「環境」にも焦点を当てることが必要だと大学で学んだことが印象的で、大きな気づきでもありました。また、生活環境学類(現:家政福祉学科)では、福祉に加え、衣食住を学べることが特徴なので、まさに、人を取り巻く生活環境について学ぶことができたことが、現在、より日常生活を意識した支援に繋がっていると実感しています。

――学生時代の思い出をお聞かせください
学生時代はアルバイトや趣味の舞台鑑賞で日々、アクティブに行動していました。自分の好きなことを楽しむ分、勉強も頑張っていました。大学での勉強の支えになっていたのが、先生方とゼミの仲間たちです。先生方がいつでも親身になって勉強や課外活動のサポートをしてくださり、ゼミの仲間とは卒業論文の執筆の傍ら、国家試験の勉強も一緒にしていました。そのおかげで定期試験や国家試験も乗り越えることができたと思っています。アットホームな雰囲気は、和洋女子大学の魅力の一つだと思います。

――後輩たちへメッセージを一言、お願いします
「今」を大切に! どんな経験も無駄にはなりません!

※写真提供:株式会社リクルート

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大学で出会った仲間や先生方のおかげで、夢を叶えることができました

奈良 歩 さん

筑波大学附属聴覚特別支援学校
中学部 教諭
2018年3月卒業

■現在の仕事内容について 
家庭科教諭として特別支援学校に勤務し、「道徳」や「自立活動」といったクラス担任としての授業と、全学年の技術・家庭科の授業を担当しています。実技教科もあるので、授業準備には力を入れています。例えば木材加工や被服製作を行う際には、必ず自分で作ってみて、生徒が難しく感じそうな点や、複雑でわかりにくいところを確認し、分かりやすい説明を心掛けています。
授業の無いときに連絡帳を確認し、保護者に対しての連絡や生徒の日記へのコメントを記入しています。放課後は卓球部の顧問として生徒と一緒に台に入り、汗を流しながら練習をしていて、生徒と一緒に練習してきたので少しは上達したと思います。部活動後は下校指導を行って、生徒が帰ったあとに、学級の事務仕事や授業の準備などを行っています。 

■大学の学びで印象に残っていることを教えてください
大学では、家庭科教諭として必要なことを多く学ぶことができました。家政学だけでなく福祉についても学べたことで、広い知識を得ることができました。また、ボランティア部での活動や、大学の授業での実習で経験したことを生徒に話す機会も多く、私自身も知識や経験の幅が狭い分、大学での経験がとても役に立っています。
和洋の先生方は本当に優しく、授業以外の時でも相談に乗ってくださり、分からないところを教えてくださいました。特に教職関係の先生方には、在学中だけでなく卒業後も話を聞いていただいたり、採用試験に向けてご指導いただいています。 

■和洋に入る前と後の自分の変化を教えてください
和洋に入る前は「言われたことをこなせばよい」という考えが大きかったですが、入ってからは「自分の考えをもって行動したり、他の人に伝えること」ができるようになりました。また、勉強はテストができればよいと思っていたのですが、勉強したことを教師になった時に生かしたいという気持ちで勉強するようになりました。ただやればいいという意識から、目的をもって行動するようになりました。 

■印象に残っている授業を紹介!
佐藤宏子先生の「家族関係学」がとても印象に残っています。家族というもののとらえ方や結婚観の変化など、多様性について学ぶことができました。また、それらが統計などの調査から導き出されたことであり、今まで関心のなかった社会学への関心もこの授業で得ることができました。自分自身が中・高の家庭科の中で家族分野についてあまり教わっていなかった分、生徒にはしっかりと教えてあげたいと感じています。
「地域生活創造演習」では、防災女性リーダー養成講座として、避難所で女性にできることやサバイバル調理など学ぶことができました。大災害がいつ自分の近くで起こってもおかしくないので、いざという時の対応など学べたことはとてもよかったです。去年の自分の授業には防災に関する内容あまり入れられなかったので、今年は大学での学びを授業にもっと取り入れたいと思っています。

■これからの目標・夢
自分のクラスの生徒を立派な姿で卒業させたいです。担任になってまだ短いので、わからないことばかりですが、先生方にご指導いただきながら、熱意と愛情をもって生徒と関わっていきたいです。和洋の学生を巻き込んで、何か面白い授業をしたいというのも夢ですね。

■後輩たちへのメッセージ
社会人になって、「大学生の時はなんでもできるし、逆に何もしなければただ時間を無駄にしてしまう」と思いました。在学中、自分は勉強も部活もアルバイトも頑張っているほうかなと思っていたけれど、教師になって、「もっと勉強しておけばよかった。」「海外に行ってみたかった。」「もっとあの先生の話を聞きたかった。」など後悔ばかり。しかしその反面、大学で出会った仲間や先生方のおかげで、未熟者ですが夢をかなえることができました。やり過ぎかなってくらいがちょうどいいと思います。気になることはどんどん勉強して、いろいろな人と関わり、いろいろな経験をしてほしいです。困ったときは、優しい大学の先生方に相談してみてください。きっと力になってくれます。つらい課題などもあると思いますが、楽しく充実した大学生活を過ごしてください。

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大学で学んだことや経験したことは、社会人になってからのいい財産になる

土屋 彩乃 さん

明治安田生命保険相互会社
総合営業職
2018年3月卒業

■現在の仕事内容について
今年の春、大学を卒業し、明治安田生命保険相互会社で総合営業職として働いています。入社してから5月末までは業務に必要な資格試験の勉強や会社のことを学んだり、商品について学んだりしてきました。6月からは引き続き、商品や会社のことを学び、先輩社員の営業活動に同行したり、上司や先輩社員に付き添っていただきながら、自分の担当職域の営業活動をしています。

■大学の学びで印象に残っていること、いま役立っていると思うこと
私はひとり暮らしをしていたこともあり、家のことや朝の用意は大変でしたが、「遅刻だけは絶対にしない」ように心掛けていました。通学の電車は授業に間に合う時間のもう一本前に乗るようにしていました。そのため遅延や寝坊の場合でも遅刻することがなく、4年間で一度のみ遅刻してしまいましたが、しっかり通えたと実感しています。卒業論文の制作を通して学んだことは、社会人になっても役立つことが多いと感じています。パワーポイントの作成や論文の書き方は指導教員の大石恭子先生のご指導の下、見やすさ、文末など細かいところまで丁寧に作成しました。その学びは社会人になっても役立っており、学生の時は「細かくて大変だ」と感じましたが、今ではやってよかった! とつくづく思っています。

【写真】卒業後、5月に学校に遊びにきました! 大石先生との記念撮影

■後輩たちへのメッセージ
大学生活の一つ一つに無駄なことは無いので、講義内容や課題など、おろそかにしないで取り組んでみてください。大学生なので勉強も大切だと思いますが、自由な時間があるのも今だけだと思うので、沢山遊んでアルバイトなどもして、たくさんの経験をしてください。大学生のうちに学んだことや経験したことは、社会人になってからのいい財産になると思います。

■これからの目標・夢
まだ研修中なので、いまは多くの事を学びながら少しずつ成長していきたいです。「あなただから選んだ」「いつも気に掛けてくれてありがとう」「担当者があなたでよかった」と言われるようなお客様に寄り添える営業職員になりたいと思います。 

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部活や学生生活も充実していた4年間! 楽しみながら学べる環境でじっくり学びました

石倉 歩実 さん

品川区立上大崎特別養護老人ホーム
介護職
2017年3月卒業

利用者の皆さんが毎日、安心して楽しく暮らせるよう、入浴や食事、生活していく上で必要な、様々なことのお手伝いをしています。

和洋で印象に残っている授業は「相談援助演習」。様々な議題についてグループワークを行い、話し合いの場でのリーダーシップのとり方や進め方、雰囲気づくりを学びました。先生方は皆、学生の目線に立ってわかりやすく授業を進めてくださり、また、いろいろな相談にも乗ってくださったので、国家試験に向けての勉強も最後まで頑張ることができました。

高齢者介護の現場で経験を積んだ後は、社会福祉協議会で働きたいです。地域で暮らす方々の不安に寄り添える社会福祉士になりたいと思っています。

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衣・食・住、福祉を幅広く学んで、念願の家庭科教諭の道を歩んでいます

瀧口 愛 さん

いすみ市立国吉中学校
家庭科教諭
2017年3月卒業

思っていた通り、教員という仕事は忙しい毎日です。日々の授業や部活指導はもちろん、打ち合わせや事務処理なども多く、それらをこなしながら自分の授業準備や教材づくりなどを行っています。

けれど、どんなに忙しくても、生徒の努力している姿や笑顔をみると、頑張ろう! と思えてしまうのが不思議です。この仕事に就いて本当に良かったと思っています。

大学時代はソフトテニス部に4年間在籍。上下関係や礼儀だけでなく、忙しい中での時間の使い方など、部活動を通して学んだことが、私にとって大きな財産になっています。

生徒に「わかる、楽しい」と思ってもらえる授業が行えるよう、日々、教材研究に励んでいます。

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子どもたちの夢をサポートできる教員になりたい!

江澤 有佳 さん

千葉県公立中学校
家庭科教諭
2015年3月卒業

家庭科教員をめざして生活環境学科(現 家政福祉学科)で学び、卒業後の1年間、和洋女子大学の実験助手として勤務。2016年4月より千葉県の公立中学校で家庭科教員として働いている江澤さん。日々の仕事の様子や和洋での学びのことなどについて、話していただきました。

■現在の仕事について
千葉県の公立中学校で家庭科教諭として働き始めて、今年で2年目になります。家庭科の授業が週17時間。道徳、学活、総合の時間を含めて週21時間の授業を担当しています。今年から、初めて1年生のクラスを受け持ち、ソフトテニス部の顧問にもなりました。授業、生徒会活動、教室掲示、生徒の日記へのコメント、個人面談、生徒指導、部活指導……、去年よりも仕事の量が多くなりましたが、生徒たちと一緒に笑ったり泣いたり励ましあったりしながら、充実した毎日を送っています。そして、「笑顔」をモットーに生徒と共に成長していける教師をめざして頑張っています。

■和洋の学びで印象に残っていること、役立っていること
高校生の頃から「家庭科教諭になりたい」「テニスで全国に行きたい」という目標があったので、どちらも叶えられる和洋の生活環境学科(現 家政福祉学科)に入学。毎日のテニスの練習と教職課程も含む勉強の両立はとても大変でしたが、大学生活を通じて「いまやるべきこと」を決めて、気持ちを切り替えて集中することができるようになり、どちらも全力で頑張ることができました。なにより、4年間で「衣食住」「福祉」を幅広く学べたことが、教員採用試験にとても役立ったと思っています。これは本当に一番大きかったと思います。また、卒業後、和洋女子大学の家政福祉学科で実験助手として働いた1年間に先生方の傍らで、授業の進め方や学生との関わり方を見せていただくことができ、学生の時とは違った角度で教育者としての在り方を学ぶことができた経験も、現在の家庭科教諭の仕事に活かされていると思います。

■後輩たちへのメッセージ
家庭科教員をめざすなら、家政福祉学科はとてもよい学科だと思います。毎日の勉強はとても楽しいし、衣・食・住、福祉を学べる学部というのは他にはあまりないと思うので。先生方も本当に親身になって相談に乗ってくれます。和洋はアットホームな雰囲気に溢れている大学だと思うので、ぜひ一度、大学の雰囲気を味わいに足を運んでみてください。

■これからの目標
家庭科は生きる力・自立する力を身につけることができる科目。自分が生きていくのに必要不可欠な教科だと思います。そして、これは今の学校教育にとって必要とされているものでもあると思っています。家庭科を通じて生徒たちと信頼関係を築き、私がこれまで先生方から教わってきたように、今度は私が子どもたちの夢をサポートする立場として頑張っていきたいです。

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常総市役所で働いています

徳田 絢子 さん

常総市役所
2013年3月卒業

転職を経て、2016年の春より、公務員として常総市役所の都市建設部という部署で働いています。県庁からの照会対応、広告物に係る許可申請手続き、土地利用に関するお問い合わせ、都市計画図の販売、担当予算の収入・支出の記帳、地域証明の発行などの業務を担当しています。

■現在の仕事に至るまでの経緯
和洋女子大学を卒業後、企業に一般職として就職し、品質管理の業務を担当していました。けれど、企業であれば当然のことである「利益の追求を重視すること」に対する違和感をどうして拭えず、自分はどんな風に生きていきたいのか、どのようなスタイルで働きたいのかをいろいろと考えた結果、公務の仕事をめざすことを決意してメーカーを退職。公務員の試験勉強をしながら、非常勤職員として地元の筑波大学に2年間勤めました。大学を転職先に選んだのは「公が重んじるもの」を現場から感じ取りたいと思ったからです。

■筑波大学の職員時代のこと
最初は経理の仕事を担当し、最後の4ヵ月間は教授の秘書を務めました。経理の職務内容はとても多様で戸惑うこともありました。私が勤務した大学院の専攻事務室が担当する先生方の数は当時、約60名、学生は約300名の大所帯。初めは旅費(出張手続き)・総務担当だったのですが、大学院での研究がどのように進められるのかを把握することにも努めました。それが、与えられた業務をより円滑で確実なものとなることにつながると考えたからです。そのことを先生方や職員の双方が認めてくださったこともあり、着任して4カ月目には組織の会計担当を命じられました。当時はその予算額の規模に驚愕し、知った時には緊張でしばらく硬直してしまうほどでしたが、一日も早くこの業務の「プロ」にならなければ! とすぐに思い立ちました。発生案件、会計書類を着実に効率重視で進めるのはもちろんのこと、規則集を読み込み、経費毎の特徴を職員から学び、残額や収支の把握を徹底しました。そして先生、秘書、学生の皆さんの要望や相談、提案を傾聴し、事務職員としてできることは何かを考えて模索しながら働く日々でした。振り返ってみると教育研究の現場、事務の現場、各々からの理解と協力を得なければ実現できなかったことばかりでした。けれど、長期のスパンで考えて必ず益となることや、その根拠の整理と提示を自分なりに行えたからこそ、周りの方々の理解や協力を得られたのかもしれないとも思っています。

そして、鬼門である年度末・年度始めを皆さんと共に何とか乗り越え、2年目を迎えました。なかなか実を結ばない公務試験の方も少しずつ結果がでるようになり、それに伴いキャリアステップについてさらに真剣に考えるようになりました。わがままにも、本就職前に専門知識や語学などの経験値を重ねるため「出勤日数を減らしたい」と先生方へ相談したところ、教授秘書への異動が決まりました。秘書になってからは、主に某自動車会社との共同研究、3.11の震災研究、北海道の小さな自治体の地方創生の研究、そして常総市の水害復興等の各プロジェクトの補助業務に従事しました。というのも、研究やプロジェクトは一つ一つが独立しているようで、実は領域と領域が重なる部分が存在しているのです。そのため、横断的で枠にとらわれない仕事を求められますので、業務に楽しさとやりがいを感じました。また、出張同行やシンポジウム開催といった刺激的なスポット用務も度々あり、「能動的に動く力」を担当の先生に培っていただいたと思います。これらの業務を経て、大学とは金銭的利益だけを追求するものではなく、世界の資産となる技術、学術、そして人材の育成をめざし、努力と連携が第一に問われる現場であることを知りました。

そして、この2年間で都市計画やまちづくりに密接な組織に関わったこともあって、行政に興味と関心を持つようになっていきました。

■現在の仕事の魅力
まず、「まちの将来に携われる仕事である」という点にやりがいを感じています。過去は変えることはできませんが、これからの未来に向けて実現できることを見出して、難しいことがあってもそれに邁進していかなければなりません。そんな市政にまだ微力ながらも貢献できることは、とても嬉しいことだと思っています。次に、都市計画という分野がまちづくりに直結する点にやりがいを感じています。学校、病院、役所等の公共施設、道路や鉄道等の交通インフラ、そして住宅や商業施設、企業等のそれぞれの配置が変わるとまちの発展は大きく異なってきます。昨今は全国的に財源不足に陥っているため、より一層、失敗は許されない状況となっています。その緊張の中で、少しでも行政の都市計画を円滑に進められるようにしていくことが、私たちの仕事ではないかと考えています。

■和洋で学んだことで今、活かされていると思うこと
横断的なカリキュラム構成でしょうか。家政福祉学科(旧 生活環境学科)のカリキュラムは衣・食・住、福祉、それらにまつわる教育、心理、経済、文化など、幅広い分野構成となっているため、人の生活を科学することが可能です。市役所の仕事は市民の生活に寄り添い、支え、基盤形成を担うものだと考えています。ですから、事務職とはいっても目の前の事務をこなすだけというような縦割りの仕事ではなく、横の繋がりや連携が求められることもたくさんあります。それには幅広い知識を有し、意見提示や進言をする能力が求められますから、大学での学びは充分に活かされていると思っています。

また、私は在学中に司書の資格をとりました。司書というと、書籍や新聞などの紙媒体を連想するかもしれません。けれど、それは情報メディアの一つにすぎず、それら以外をも取り扱うスペシャリストが現代の司書だと思います。情報化社会という言葉は定着しつつありますが、実態としてはその膨大な情報を取り扱う人々のスキル、倫理、リテラシーはまだまだ追いついていません。個人的には、司書課程を履修したことで「現代社会を生き抜けるよう、一歩リードする能力」を備えることができたと感じています。

■後輩たちへのメッセージ
皆さんが学生の時にイメージする将来像や職業観は、各々違うと思います。でも、実際に働いてみると、学生時代に思っていたこととの違いや感じること、働いてみて初めてわかることもたくさんあるはずです。そんな時に学生時代の考え方や思い描いていた働き方を変えてみるという選択肢も私たちにはあります。私たちの世代以降は転職する人が少なくないのも不思議なことではありません。もちろん、ずっと同じ職場で安定して働き続けていくこともあると思います。ですから、皆さんはまず学生時代に自分の将来をじっくり考えてみてください。そして、まず社会人としてのスタートを切ってください。その後に学び直したり、働き方は変えたりしてもいいのです。自分の人生を自分らしく生きるために、自分自身を大切にゆっくりと長い目で考えていきましょう。

また、公務員をめざしている皆さんには、同じ問題集を反復して解いてみる勉強方法をおススメします。私は大学で働きながら公務員試験に合格するまで、平日は毎日6時間くらい勉強していました。その分、焦りがない限りは土日を完全にオフにして仕事と勉強を両立させてきました。無理のし過ぎは心身ともに悪影響を与えます。大切なのは地道に確実に努力を重ねること。自分の夢に向かって、皆さん、頑張ってくださいね。

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何事にも全力でチャレンジを!

坪井 一恵 さん

千葉県 私立東京学館船橋高等学校
教員
2007年3月卒業

家東京学館船橋高等学校の食物調理科のクラス担任として生徒の指導にあたるとともに、専任教員として「調理実習」「食品学」「食文化」などの授業を担当しています。調理実習では火や包丁を使うため、緊張感が保てるよう厳しく指導することも……。一人ひとりの生徒の良いところを見つけ、ほめてあげることを大切にしています。和洋で学んだ技術や知識は、教員として仕事をする上で役に立っていることばかり。授業の内容や展開は、「家庭科指導法」の模擬授業で作成した内容などを今でも参考にしています。また、「食品加工」の授業でのパンやせっけん作りなども印象深く、高校の授業でもキムチ作りや味噌作りなど、体験型の授業を生徒たちと楽しんでいます。

■興味のあることをとことんやった大学時代
大学時代、「教員」と「社会福祉士」のどちらの道を選ぶか迷っていた私は、「興味のあるすべての授業を受ける!」と決めました。和洋の生活環境学科(現 家政福祉学科 家政福祉学専攻)で幅広く学べたことは、多くの視野を持ち幅広く考えようとする教員としての私の原点になっていると思います。和洋で、様々なものを選択でき、そして多くの分野を学べたことは、私が得られた大きな財産です。生活環境学科の特長は、カリキュラム選択の自由度が高く、選択肢の幅が広いところ! 専門とする科目だけでなく、異なる分野も学んでいくことで、いろいろな考え方のできる人間になれると思います。そして、生徒と対話する中で活きているのは、手話サークルでの活動や、アンサンブル部でのチェロの演奏、家庭教師のアルバイトなど、授業以外にも色々なことにチャレンジした経験。何事にも全力で取り組むことで、自分が本当にやりたいことが見えてくるのだと実感できました。

■後輩の皆さんへメッセージ
そんな自分自身の経験をふまえて、生徒たちには「失敗してもいいから、とりあえず、まずやってみなさい」とアドバイスしています。迷って足踏みしている時間があるなら、興味を持ったことは「まず、やってみる」べきです。そうすることで、自分が本当にやり続けていきたいものがわかってくると思います。私は大学時代、いろいろなことに挑戦していました。未経験のサークル活動や家庭教師のアルバイトを「まず、やってみた」ことは、かけがえのない経験になっています。何事にも全力で取り組むことで、自分に向いていること、やりたいこともみつかるはずです。そして、そのチャレンジする過程の中で得られるものこそが大切なんだと私は思っています。

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日々の原動力は子どもたちの笑顔です!

高橋 静香 さん

東京都立墨東特別支援学校
家庭科教員
2008年3月卒業

東京都立墨東特別支援学校で、家庭科教員として働いています。生徒たちの障害の状況は様々なので、それに応じて教育課程を3つに分け、学習グループを編成しています。私は、知的障害を重複し、身体的にも重度の障害を持つ生徒が多く在籍する自立活動を主とする教育課程を担当。そのため、日常的に医療的ケアや身体の状況に応じた訓練(ストレッチやマッサージ、立位や歩行の練習など)を行っています。また、身体に障害はあっても、知的障害がなく、通常の学習を行える生徒が在籍する教育課程もあり、そのグループの家庭科の授業も担当しています。彼らが将来、自立して社会で生きていくために必要な力をつけられるよう、スーパーでの買物や電子レンジを使った調理など、生活に密着した実習を多く取り入れた授業計画を立てています。その他に校務として、給食・摂食の仕事を担当。肢体不自由の生徒たちは食べることに課題を抱えていることも多く、摂食指導の勉強をしていく中で、和洋で学んだ知識は大きな糧となっています。

在学中は中学校の教員をめざしていましたが、2年次の養護学校での介護等体験で学校全体の温かい雰囲気と、生徒や先生たちの底抜けに明るい笑顔にすっかり魅了され、進路を特別支援学校に変更。その時から変わらず、私の原動力は「子どもたちの笑顔」です。特別支援学校の言葉のない子どもたちであっても、病気と闘う子どもたちであっても、心からの笑顔はとても素敵で愛おしい。その笑顔を近くで見守り、信頼してもらい、一緒に笑いあえることの素晴らしさ。また、同じ志をもった仲間や先生方とチームで彼らの成長に寄り添えることも、この仕事の大きな魅力だと思っています。生徒一人ひとりの人生が豊かになるような家庭科の授業をするために、日々勉強し、生涯、現場で子どもたちの笑顔を見守っていきたいです。

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介護ほど難しい仕事はない。でも、介護ほど面白い仕事もないと思っています

渡邉 早紀 さん

株式会社ベネッセスタイルケア
2010年3月卒業

私は現在、株式会社ベネッセスタイルケアで介護の仕事を担当しています。弊社は、24時間365日、入居されている方々が「それぞれの生活習慣に合わせた生活」を送れるよう、介護職と様々な職種のスタッフ同士が連携を取り合いながら、入居者の方々のサポートを行う会社です。介護と聞いて連想するのは身体的(食事、入浴、排泄など)な、お手伝いが多いと思います。しかし、暮らしをその人の生活習慣に合わせていくためには身体的な介護だけでなく、精神的な部分に対しての介護や介助もしなくてはなりません。また、入居者の方々は様々な理由で入居される為、家族の方々の想いも考慮し、両方の希望を組み入れながら介護を行っています。ホーム単位ではなく個人一人ひとりをサポートしていくためには、その人の気持ちをどこまで汲み取れるかがカギとなります。そこで、弊社では介護施設で使われているケアプランを『生活プラン』に変えて個別サービスを行っています。「現在」だけを見るのではなく、その方の「人生(背景)」まで見つめなおし、その方の「Benesseよく生きる」の実現を目指しています。さらに、担当制度を用いて1人のスタッフが約5名の入居者を担当しています。介護は常に職員全員で行っていますが、一人ひとりを重点的に見ていくために担当制度を設けています。そして毎月、チーム単位で担当する入居者の状況や改善点・継続点・問題点を検討します。ホームの規模によっても異なりますが、全体で80名近く入居されているホームもあり、また入居者には日々、体調や気持ちの変化があるため、この担当制度によって素早く的確に入居者の方々のお手伝いをすることができています。高校生のときから福祉と教職に興味がありました。大学進学時に進路を1つに絞れなかったため、どちらも学べる生活環境学科に進みました。最終的には家庭科教員をめざして学んでいましたが、教員免許を取得するために必要な介護等実習で訪問した介護施設(デイサービス)での入浴介助を見たとき、「やっぱり介護がやりたい」と思いました。その時はなんとなく直感で決めたことでしたが、いま思うと入浴のときにはみんな一番良い顔をしているのが印象的だったからだと思っています。けれど、いざ介護を将来の職業にしたいと思っても、まわりの人たちの反対や教員をめざし頑張ってきた4年間のことを考えると、途中で教員をあきらめるまでには踏み切れませんでした。最後までやりきってから次に進もうと考え、教育実習にも参加して教員免許を取得しました。また、教員採用試験までの間は就職活動も行い、学習関係の職種を探して会社説明会などにも参加しました。仕事を通じて「人のために役立ちたい」ということが大きな想いとしてあったので、学習系の仕事が人の役に立つことなのかと迷うこともありました。でも、講師として生徒に教えることで生徒が成長する、それが人のために役立つことなのではないかと考えるようにしていました。しかし、就職活動中にやはり違和感を覚え、3次選考に進んでも先が見えずに試験を辞退したこともありました。大きな転機はやはり、教員採用試験に合格できなかったこと。試験に不合格になったのをきっかけに、福祉の道に進むことに決めました。生活環境学科で勉強してきたことが、いまの仕事の思わぬ場面で役立っています。着物を着て育った入居者の方が多いのですが、若いスタッフは着付けができません。そんな時に率先して着付けをすると入居者の方々も喜んでくれます。食事でも見た目、盛り付け方、配置、食べやすさなど、細かいところに気を配っています。家庭科=生活 と言っても過言ではないので、学んだことのすべてが役に立っていると実感しています。将来的には、いまの仕事を通じて、世間の介護イメージ「3K」を払拭したいと思っています。普通に生活しているだけでは出会えない人たちと出会い、出会って数年の方の最期を見送る。介護ほど難しい仕事はないと思います。しかし、介護ほど面白い仕事もないと思っています。私たちの仕事は「人」を見ること。そして日々、人は変化するものであるというところが、この仕事の難しさであり、楽しさでもあります。人の人生を見ていくのは簡単なことではありません。けれど、自分たちより多くの経験をされてきている方々の生活をお手伝いさせていただいている中には、学ぶことがたくさんあります。どのような職種の仕事にも大変さはあると思います。でも、その大変さよりも「楽しさ」を実感できるのが介護職だと感じています。

※取材時に「将来的には、いまの仕事を通じて、世間の介護イメージ「3K」を払拭したい」とお話してくださった渡邉さん。その目標のために、2013年の春より、介護職から総合職(採用部署)にキャリアチェンジをしたそうです。