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将来像~卒業生の活躍

将来像~卒業生の活躍一覧

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服をつくる夢を諦めきれずに転職して、今の仕事を楽しんでいます

野口愛海 さん

株式会社ラフィーネ
サンプル縫製工場での裁断担当(取材時)
2022年3月卒業

――現在の仕事内容について
主な仕事内容はコレクションや展示会用など、服のサンプルの裁断です。CAMは使用していないので全て手裁断です。稀に坂系グループの衣装のお直しやプレスをしたり小ロットの量産の服のボタン付けをしていたり……。下積みとしてさまざまなことをさせていただいています。ベテランの方ばかりなので技術面で密かに盗めるものは盗んでいます。
 
――仕事の魅力・やりがいを教えてください
私の扱う服はプレタポルテに分類されるものなので緊張感はありますが、SNSなどでコレクション発表時にメディアに出ると嬉しいです。また、好きなブランドの世に出る前の服を事前に見ることができるのも今の仕事の特権だと思っています。コレクションや展示会に限らず、舞台衣装やアイドル衣装にも携わることができ、自分が関わったものがたくさんの人の目に触れる機会が多いのは、やっぱりにんまりしちゃいますね(笑)。
 
――この業種・仕事に進もうと思ったきっかけは何ですか?
私が和洋国府台女子高等学校のファッションテクニクス科に通っていた頃。縫うことが好きでファッションテクニクス科に進学したのですが、全てを完璧にこなす担任の先生に、高校2年生の夏休み前、最後のホームルームで「あなたたちの作品はシュレッダー行きよ」との言葉を頂きました。当時17歳の私の胸には、この言葉は奥深く刺さりました。正直、悔しかったのです。そして決めたのです。絶対に2度とこんなことを言わせない、先生に認めてもらえるようなプロになるのだと。そして、いつか先生にわたしの縫った服を着てもらう! と心に決めました。その言葉がきっかけで、今、完璧なものづくりが求められ、高級既製服と称されるプレタポルテの道へ進んでいます。悔しさをバネにたどり着いた先がここなのです。先生の言葉がなかったら、私はこの道には進んでいなかったことでしょう。恩師であり、高校3年間を支えて頂いた尊敬する先生には感謝しかありません。

ファッションテクニクス科は現在、開講していません

【写真】実際の裁断の様子。文鎮で布とパターンをきっちり押さえて、専用のカッターと定規を使って布を裁断、しつけ糸で印をつけていきます

 

――服飾造形学科での学びは、今の仕事にどのように役立っていますか?
衣料管理士の資格を取るべく布と向き合ってきた事とスタイル画でのハンガーイラストを学んだことが活きていると思います。地直しをする際にスチームをかけた時、縮む布、風合いが変わってしまう布。繊維や織によって特質があります。それを事前に大学の実験で知ることができました。ハンガーイラストでは、パターンを見ただけでは区別がつかないもの(タックなのかボックスプリーツなのかなど)の見極めを、仕様書を見て判断することができるようになりました。

――和洋女子大学へ進学を決めた理由
祖母が和洋に通っていたため、中学の頃からぼんやりと和洋で中・高・大の10年間を過ごすのだろうと思っていましたし、中学の進路希望の面談では「ファッションテクニクス科に入って、そのまま大学の服飾造形学科に行きます!」と宣言していました。服飾造形学科で衣料管理士の資格を取り、ドレーピングを学びたいと思っていました。恩師である高校の担任の先生も和洋出身だったので「同じ道に進もう!」と自然と思うようになっていたのかもしれません。

――服飾造形学科の授業で印象に残っているものがあれば教えてください
下之角千草助教のドレーピングの授業が印象的でした。「立体裁断ってこうやるんだ!」と毎回、楽しく授業を受けていました。「こんな方法もあるんだ!」と授業のたびに可能性が広がっていきました。あと、編み物の授業もとても楽しかったです。今でも冬に向けて夏場から何かしら編んでいます。テキスタイルコレクションでは、こんなにも自由でいいんだ!と自身の世界観が広がりました。現在、働いているアトリエにはさまざまなテキスタイルの生地が届きますが、「こんな生地もあるのか」とスワッチを参考にいただいたり、服作りの基となる生地にも日々、興味が湧いている毎日です。
 
――後輩たちへメッセージをお願いします!
私は就職活動の時期がコロナ禍だったこともあり、希望する服飾関係の会社の内定が決まらずに異なる業界で社会人生活をスタートしました。けれど、就職後、自分のやりたいことではない仕事をしていたら「私は何故ここで働いているのだろう?」「私の夢ってなんだっけ?」と壁にぶち当たりました。皆さんにもそういうことがあるかもしれません。そんな時は、初心にかえって自分が好きな道に進むきっかけとなった人物や場所を訪れてみてください。忘れかけていた最初の自分の気持ちを思い出せるはずです。諦めずにいれば夢は絶対に叶います。実際、夢を叶えるためには人脈が必要です。そして、運も。とにかくやりたいことがあるのならば、頼れるものは何でも頼るのみ。そして、行動あるのみ。
私は転職をするために、幾つものプレタポルテ工場に電話をかけまくり実際に赴いて話を聞いたり、ある服飾業界に詳しい人の個展に通い詰めて情報を集めて人脈を広げたり、実際に小さなアトリエでインターンとして職場体験、別件で自分にクライアントをつけて縫製依頼を受けたりなどをいろいろな行動を起こしました。どうしても自分の夢を諦めきれず、働きながら、このような活動を経て転職することができましたが、大学生の時間がたくさんある時にこそ、いろいろな活動をしてみるといいと思います。大事な時間、貴重な大学生活を過ごしてください。皆さんの人生がより豊かになりますように祈っています。

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「服を通して人を幸せにしたい」という想いで働いています

大橋 香苗 さん

株式会社アダストリア
販売スタッフ(取材時)
2020年3月卒業

――現在の仕事内容について
グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなどを展開する株式会社アダストリアで、店舗での接客をはじめ、売場作成・管理、在庫管理、動向回収~分析、商品提案まで、お客様が服を通して幸せに暮らせるように日々、働いています。また、スタッフの育成にも携わり、店舗としてのレベルを上げ、顧客満足度アップのために、社員同士でコミュニケーションを取りながら、アイデアを出し合い、話し合い、工夫を重ねながら、業務に努めています。

――仕事の魅力・やりがいを教えてください
お客様に商品の魅力をお伝えし、納得して購入してくださった時に嬉しさを感じています。店舗という現場で、直にそれを感じられることが1番の魅力であり、やりがいです。また、自分が直接、聞いた「お客様の声」を実際に商品に反映できるようなシステムもあり、自身の想いを会社に伝えて、形にできることがとても楽しいです。また複数のスタッフと一緒に働いているため、何かを成し遂げられた時は、一緒に喜んで進んでいけるので、職場環境もとても良いと思っています。

――この業種・仕事に進もうと思ったきっかけは何ですか?
大学生の時、「将来、何をしたいか」を考えた時に、「服を通して人を幸せにしたい」という想いがありました。服飾造形学科で一級衣料管理士(テキスタイル・アドバイザー=TA)の資格も取得していたため、検査機関なども就職先として検討しましたが、私は「服を通して人を幸せにする」ために、間接的に力になるというよりも、「直接、自分で伝えたい」という気持ちが強かったので、業種を「接客(販売)」に絞り、現在の会社を選択しました。実際にインターンシップへ行った際、会社の方針と自身のやりたいことが一致したこともあり、アパレル業界へ進むことを決めました。

――服飾造形学科での学びは、今の仕事にどのように役立っていますか?
服飾造形学科で学んだ、ほぼ全ての内容が今の仕事に役立っていると言っても過言ではないくらい、大学での授業は濃い内容でしたが、一番を強いてあげるならば、TA(一級衣料管理士)の資格取得のための授業でしょうか。それらの授業の内容自体は「衣服」になる前の「繊維」のことなので普段、生活しているだけでは、中々、身につかない知識です。その知識を接客時に根拠としてお客様に説明すると、大半の方に納得していただき、不安解消にも繋がって、安心して購入してくださるので、服飾造形学科での学びが仕事に本当に役立っていると思います。

――和洋女子大学へ進学を決めた理由
高校生の時に和洋女子大学のオープンキャンパスへ行った際、服飾造形学科の先生や先輩方が親身に対応してくださったのが、進学を決めた1番の理由です。私自身は「少し家庭科が得意で裁縫が好き」というレベルだったので、専門分野を幅広く学ぶ、服飾造形学科の授業についていけるかどうかの不安が大きかったんです。けれど、先生との距離が近くて相談しやすそうであることや、先輩方が楽しく大学生活を過ごせている様子が伺えたので、安心して和洋女子大学に決めました。

――服飾造形学科の授業で印象に残っているものがあれば教えてください
「立体構成」に関する授業です。特にジャケット制作は難しく苦労した思い出があります。普段、何気なく着ている洋服でもたくさんのパーツがあって、制作工程がとても多いこと、服を作ることの大変さとありがたさを体感しました。それと同時に、制作を通して、世間にたくさん流通している服飾製品について、どんどん興味が湧き、服飾業界は面白いなと感じるきっかけとなりました。

――後輩たちへメッセージをお願いします!
将来について考えると、ワクワクとともに不安感も覚えると思います。ですが、和洋女子大学は、先生方や職員の方々が学年・年齢問わず、私たちに親身になって相談に乗ってくれますし、同じ歩幅で進んでくれるため、安心して大学生活を送ることができます。また、学生自身のやりたいことを全力で応援してくれ、サポートもしっかりしてくれます。大学時代に、幅広く何にでも挑戦することは、卒業後の未来に必ず役立つことばかりです! 皆さんが充実した楽しい大学生活を送れることを願っています。

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1級衣料管理士の資格を取得し、繊維製品の検査・試験の仕事をしています

菊池 優奈 さん

公益財団法人日本繊維検査協会(取材時)
「1級衣料管理士」資格取得
2020年3月卒業

――現在の仕事内容について
繊維製品に関わる各試験の中で、現在、物性試験・寸法変化率の試験担当をしています。
物性試験は織物や編み物に外力を加えた時の性能を評価や、耐久性能や実用性能を調べる試験です。たとえば、織物であれば着用時に引っ張られても簡単に破れないかどうかを試験する引張試験。着用時に生じる摩擦によって生地表面に毛玉がどの程度発生するか調べるピリング試験等があります。
寸法変化率は、生地は織りあがるもしくは編みあがるまでに様々な条件下に置かれ、製品になってからもクリーニングやアイロン等の処理を受けることにより寸法が変化します。このため、事前に試験してものづくりの参考とするのと同時に、製品での寸法変化を予測するための試験を行います。
また繊維製品の水に対する吸水速度や吸水量を調べる吸水性、水や汗に対する乾燥速度を調べる速乾性等の機能性試験も行っています。

――資格の勉強で印象に残っていること・現在の仕事に活かされていることを教えてください
衣料管理士の資格取得に必要な所定の科目を受けた授業の中で、特に実験・実習系の科目が印象的でした。そういった授業が学年によって週に複数ある時もありましたし、そうなると実験レポートがそれぞれにあって、当然、実験以外の座学の科目でのレポートが被る週もあったりします。そうなってくると、だんだん実験中の詳細を忘れていくので、データのまとめや考察等をグループでやるにしても個人でやるにしても、科目ごとに細かく手順や変化をメモしたりしていました。大学でのレポートは次の授業まで時間がありますが、仕事では、毎日、膨大な結果や時間毎の判定を試験後にまとめたりしています。たとえば、試験のため試料をサンプリングして、比較用の見本も採ったとしても、その見本とサンプリングされた試料はまったく同じではない場合があります。そういった時の参考にするため、何か気になったがあればなんでもメモしておく様にしています。それらは学生時代のレポート類を作成する際に行っていた「メモをとる」習慣が活かされているかもしれません。
また、各授業で扱う試験機の使い方や試験機の取り扱いの注意など、試薬を入れたりする各道具・器具の扱いや注意等の授業で頻繁に行ったり聞いたこと事はそのまま仕事でも活かされています。入職したてや異動直後は誰かが傍にいて見守ってくれたりもします。ですが、いずれは1人で試験をしなくてはいけないので、慣れない手順を踏み、数多くの試験を行い、確実に進めていく為に、そういった試験の基本を授業の中でしっかり身につけられておいて良かったなと感じています。

――これからの夢・目標を教えてください
まだまだ慣れないこともあるので毎日、試験検査を行いつつ勉強の日々だと感じています。1つ1つのことを、きちんと覚えてお客様の製品作り、また、協会や上司の手助けができる様、これからも頑張っていきたいです。

――在学生へのメッセージ
大学では興味のあること、資格・検定・授業など、いろいろなことに挑戦してみてください。私自身、未だに「あの授業、履修しておけば良かったな」と後悔しているものや、「個人的に勉強しておけば良かったな」と思うものがあります。
和洋女子大学の併設校の中学生の頃から、手芸を通して洋服に興味を持ち、高校時代はファッションテクニクス科に通い、「大学でも洋裁をさらに学びたい!」と思い、和洋女子大学へ進学しました。
けれど、履修登録をして授業を受けていくうちに和裁に興味が湧き、制作科目は和裁を選び、
卒業制作では訪問着を制作しました。衣料管理士の資格をめざしたのも、初めから「現在の仕事に就きたい!」と思っていたからではなく、悩んでいたので敢えて挑戦しました。今、思い返すと学生の頃に思い描いていた事とは違う事をしてきたような気もしますが、結果的には大学で楽しく多くの事を学び、現在の職に出会えたので満足しています。
和洋では幅広い科目分野を受けることができ、また先生方との距離も近く相談しやすい環境、充実した施設や講座やサポート制度がたくさんあります。まだ何をしたいか、どんな勉強がしたいのか、どんな職に就きたいのか、わからない場合でも、様々な挑戦や授業を受ける中で自分の興味がどこに向いているのかがはっきりしてくると思います。たくさんの事を経験して、4年間の大学生活が充実して楽しく過ごせることを願っています。

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寝ても覚めても良い作品づくりを日々、心がけています

海老名 理紗子 さん

和洋女子大学 服飾造形学科 スタッフ
2016年3月卒業

■専門・研究分野
専門は編み物で、衣類よりも立体物に重きを置いています。近年の作品では、羊毛や綿でできている毛糸を使い、対称の存在である海や水辺の生き物のモチーフを作ることをメインテーマにしています。

■和洋女子大学を卒業後、服飾造形学科の助手を経て、地元のコミュニティセンターに勤務され、制作の幅を広げられたと聞きました。これまでのキャリアについて教えてください
コミュニティセンターでは通常の貸館業務のほかに、季節ごとの館内装飾やハンドメイドレシピの毎月の発行(サンプル制作・レシピのデザイン作成)、ワークショップの企画など、講師として運営を行い、地域の他センターとの差別化を図りました。助手補(現:助手)のときは自分発信で企画を立て事業をすることはなかなかありませんでしたが、自分のこれまでの経験と知識を生かしつつ、新しい仕事をすることができました。コミュニティセンターを退職後の現在も同施設のイベント事業の講師は継続して行っています。

■コンテストなどで数々の賞を受賞されていると伺いました。制作の時に心がけていることや、こだわりなどがあれば教えてください
いつも、なにか制作に入る際は、思いついたモチーフや今、使いたい技法などを文章でとにかく紙に書きだしてみます。書いた文言がしっくりくるものや、おもしろいと思ったものを組み合わせてデザインを決めていきます。そういう要素をぽんぽんと思いつく為に、常日頃、気になったものや事象はネットや本ですぐに調べるようにしています。また、制作に入ったときにはやり直しに躊躇せず、行き詰ったら一晩寝てリセットした状態で作品と再度、向き合うようにしています。そうすると寝る前には判断がつかなかったものが翌朝にはできるようになっていることが多いです。寝ても覚めても日々、良い作品づくりを心がけています。

■今年度から服飾造形学科のスタッフに復帰されましたが、意気込みを聞かせてください
復帰前と心持ちはあまり変わりません。大学での学びが円滑でよりよいものになるように、先生方と学生たちをサポートしていきたいと思います!

■後輩たちへのメッセージ
大学生活は長いようで短く、そして自分の思うことが自由にできる最大の期間です。新型コロナウイルス感染症の影響で活動に制限がされていることもありますが、悔いの残らないよう毎日を過ごしてくださいね。「先生」と「先輩」の両方の立場から皆さんを応援しています!

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本音でぶつかり、助け合える人間関係を大学時代に作れたことが、私の財産です

直井 あき さん

株式会社ノバレーゼ
(NOVARESE銀座 ドレスコーディネーター)(取材時)
2014年3月卒業

大学時代を振り返り、夢中になって服作りに取り組んでいたことや将来について悩んでいたことを思い出します。
悩む度に、大学の仲間や先生に支えられて乗り越えていました。和洋女子大学で過ごした時間が、今の私を作ってくれていると感じています。

■現在の仕事内容について 
結婚式が決定した新郎様・新婦様に婚礼衣裳のご案内をし、衣裳決定後、お二人に合わせたトータルコーディネートをご提案しています。式の約1週間前に当日きれいに着てもらうためのサイズチェックを行い、商品管理部門に引き継ぎます。お客様が10年、20年先に振り返っても色褪せない、お二人らしいコーディネートをご提案することを心がけています。 

■今の仕事の魅力を教えてください
お二人の大切な結婚式のお手伝いができることです。婚礼の衣裳選びは結婚式の準備で最初に行うことが多いステップです。また、どんな結婚式にしたいか、どんなドレスが着たいかイメージできていないお客様も多くいらっしゃいます。そんなお客様の方向性をフィッティング内で伺い、なりたい姿を一緒に作り上げられたとき、達成感や感動があります。また、一着一着、想いを込めて作られたウェディングドレスは身に着けていただくことで、より美しく見え、花嫁姿を引き立てます。新婦様の運命のドレスに出逢った瞬間に立ち会えることも魅力です。 

■和洋女子大学を卒業後は銀行に就職されたそうですが、銀行員から転職されたきっかけを教えてください
自分の結婚式を経験したことがきっかけです。結婚式では大切な人達とのつながりを再確認し、今までの人生で一番幸せな時間を過ごすことができました。この感動をたくさんの人に味わってもらいたい。そのお手伝いをしたいという想いが自分を突き動かし、前職とは全く異なるブライダル業界への転職を決意しました。数ある職種の中でも、昔から心惹かれていたドレスや和装を通して人のために働きたいという気持ちが強く、ドレスコーディネーター職を選びました。

■在学中に学んだことでドレスコーディネーターの仕事に活かされていると思うことは何ですか? 
服飾の知識や技術はもちろんですが、人と協力できる関係性を作り上げる力が活かせていると思います。
サークル(「Earth Space」(大学祭でファッションショーを行うサークル))でのファッションショーとゼミ長代表として卒業制作ファッションショーを経験したことは自分を大きく成長させてくれました。自分で作り上げた作品に情熱とこだわりのある仲間とのやり取りは、意見がぶつかり合うこともあり当時はとても悩みました。しかし、本音でぶつかり、助け合える人間関係を大学時代に作れたことは、社会人として組織で働く中でも、お客様と信頼関係を築くためにも活かせる大切な経験となりました。和洋で経験した人との関わり方は私の財産だと思っています。 

■これからの夢がありましたら教えてください
感動を忘れない人生を送ることです。そのために、仕事をしているときも、私生活でも自分の「ドキドキわくわく」する気持ちを忘れず、チャレンジ精神旺盛に過ごしていきたいです! 

■在学生へのメッセージ 
学科や大学そして、自分の思い込みに縛られず、様々な分野に挑戦してみてください。私は服が作れるようになりたいと思い、服飾造形学類(現 服飾造形学科)に入学しましたが、大学卒業後は金融業界に就職しました。資格取得のための講座の受講、協定を結んでいる他大学への授業の履修、海外への語学研修など、和洋女子大学には学科の隔たりなく挑戦を応援してくれる仲間や先生、制度がたくさんあり、その様々な経験をしたからこその選択でした。社会人になり銀行で様々な経験を積んで、新たな自分のやりたいことに挑戦しようと異なる業界へ転職をしたのも、和洋女子大学での経験が背中を押してくれたからだと思っています。今はコロナの影響で大きく変わった生活様式に戸惑いもあると思います。以前のようにはできなくても、今だからこそできることを精一杯、頑張って、そして精一杯、楽しんでください。それがきっと自分の視野を広げて、成長させてくれると思います! 充実した4年間を和洋女子大学で過ごしてください。    

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服飾に関する多くを学び、かけがえない友人や思い出ができました

小林 葵 さん

千葉県立佐倉東高等学校
服飾デザイン科所属 家庭科教諭(取材時)
2014年3月卒業

私の夢は高校の家庭科教諭になり、専門学科で服づくりを教えることでした。今、 その夢が叶っています。日々、大好きな生徒たちの笑顔を支えに頑張っています。 

■現在の仕事内容について 
朝の打ち合わせ前に、朝早くから被服製作をしに登校してくる生徒の指導をしています。朝の打ち合わせが終わった後、クラスのSHRに行き、そのまま授業という流れです。授業の空いている時間は教材研究をしています。授業と平行して作品を作って授業で見本として使用し、部分縫いの細かなものを1つの工程ずつ作成しています。高度な裁縫技術と共に、幅広い知識も必要になってくるので、服飾デザインに関する勉強もしています。
もちろん教諭としての担任業務や、校務分掌、学年仕事などもこの空いた時間を有効的に使い仕事を進めています。放課後では、授業課題に取り組む生徒の被服製作の指導をしています。クラスの子が帰った後は、部活動の指導をし、その後も教材研究……。と、日々休む暇も無い状態で毎日駆け抜けています。 

■大学の学びで印象に残っていること、今、役立っていると思うことを教えてください
大学4年間は本当に毎日楽しかったです。朝早くから夜遅くまで友人と大学で勉強し、課題を進めていました。授業の空き時間ではメディアセンターで、服飾に関する貴重で珍しい本がたくさんあったので、それを読んでいました。他の図書館では中々そろっていないものばかりだったので嬉しかったです。また、在学中では1年次からファッションショーサークル「earth space」の部長として活動していました。その際に嶋根歌子先生に顧問として、親身にご指導していただきました。
大学で服飾に関する多くのことを学んだことや、かけがえのない友人や思い出を得たこと。これら全てが今の私になっていると思います。特に専門学科の教諭となった今、大学での学びが役に立っています。 

■印象に残っている授業を教えてください
立体構成学実習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ:被服製作が大好きだった私にとって1番大好きで1番頑張っていた授業でした。型紙の書き方や、縫製の仕方など丁寧でわかりやすく教えていただきました。この授業で得た知識や技術が今の自分に活かされていると思っています。

ドレーピング実習Ⅰ、Ⅱ:ドレーピングという技法をこの授業で教わることが出来ました。平面の製図で裁断するのではなく、ボディに布を直接かけて形作りをし、不要な所をとって服の形に仕上げるこの技術を教えていただきました。ドレーピングでは、平面上の見つけにくい美しいラインが見つかるということを学ぶことができました。

ファッション画:服飾を職業とする上で必要不可欠なものがデザイン画です。デザイン画の授業では基本的なプロポーションから、応用的な動きをまず学びました。デザイン画は基礎があってからの応用でしたので、在学時代は基礎をきめ細かに教えていただきました。

在学中に学んだ全ての授業が今の私を作ってくれました。 

■和洋に入る前後で変わったと思うことはありますか 
和洋に入る前は「とにかく服が作りたい!」という気持ちでいっぱいだったのと、「家庭科の教員免許がほしい」という気持ちでした。和洋で服飾を学びながら、在学中の4年間、たくさんのことに挑戦し、多くの人の優しさに支えてもらったことで「家庭科教員になって今度は私が支えてあげたい」と思うようになりました。和洋での学びが私の夢や目標を大きく変えてくれたと思っています。   

■これからの目標・夢
次の夢は今持っているクラスの生徒たちを笑顔で卒業させることです。
目標は、弓道部の段審査で弐段を取ることです。現在弓道部の顧問をしていますが、弓道は今までやったことのないスポーツでした。生徒と一緒に練習をして弓が引けるようになり、昨年初段を習得しました。次は弐段を取るのが目標です。 

■後輩たちへのメッセージ 
この4年間様々なことにチャレンジしてみることが大切です!多くの人と関わることで人間的にも大きく成長出来ます。また小さな失敗をしてみることも、社会に出たとき、強く、誰に対しても優しくなれると思います。どんなことでも一所懸命に取り組んでみてください。和洋での4年間の学びは人生のかけがえのない財産になると思います。             

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3ブランドのデザイナーとして大活躍、常に向上心を忘れずにチャレンジする日々

水上 路美 さん

株式会社ビームス
(RayBEAMSチーフデザイナー/ RBSデザイナー/ BEAMS COUTUREデザイナー)(取材時)
2002年3月卒業

■中学生の頃から、少しずつデザイナーの道を考えるようになった
和洋九段女子中学校と高等学校に通っていました。中学・高校の在学中に「デザイナーになりたい!」という気持ちが大きくなっていったので、大学は和洋女子大学の家政学部 服飾造形学科へ進学しました。

■在学中からずっと憧れていたデザイナーさんに、学生のうちからアプローチ 
大学生の頃から、「keisuke kanda」というブランドの神田恵介氏に魅了され、アシスタントをやっていました。神田氏をデザイナーとして、誰よりも尊敬しています。そのご縁で、去年、自身で立ち上げたブランド「BEAMS COUTURE(ビームスクチュール)」のクリエイティブディレクターに神田氏をお迎えし、現在は一緒に活動させて頂いています。 

【写真】旭化成ホームプロダクツ株式会社の製品ジップロックとのコラボ商品 

■大学時代に出会った方々とのご縁が、私の仕事のベースです 
友達だったり、尊敬する先輩だったり、大学時代に出会った方々とのご縁が今でも私の仕事のベースになっています。大学時代の思い出としては、自分で立ち上げた、里見祭(大学祭)でファッションショーを行うサークル「Earth Space」での活動が印象深いですね。嶋根歌子教授がとても熱心に協力して下さったおかげで充実した活動ができたこと、とても感謝しています。放課後に皆で残って作業して服を作っていたことが本当に懐かしいです。ファッションショー以外でも授業の実験やデッサン、和装・洋裁、調理、司書の授業など、学生生活の全てが楽しかったです。 

■デザイナーとして働く中で、苦労することとやりがいは紙一重 
仕事をしている中で苦労したことと言えば、会社として新しいことをやる際、いろいろな部署の方に協力してもらうために、自分の想いを伝えて回った事でした。大変でしたが、それが楽しさでもあり、やりがいにもつながったと思います。常に何事にも向上心を忘れず、チャレンジしていくことを日々、楽しんでいます。 

【写真】水上さんが携わる服育イベントの様子 

■世界進出することが目標です! 
これからの目標や夢はビームスのレディースを日本だけでなく、もっともっと広く世界に発信していきたい。世界進出することが目標です。 

■後輩たちへのメッセージ 
“自分がどんな人生を送りたいのか”を考えてみてください。その人生を送るためには、今、何をするべきか。そう考えて行動すると、きっと楽しい人生になると思います。それから、大学時代の出会いを大切にしてください。社会人になってからのでの出会いとは全然違うものだと思います。いろいろな方とお話したり、遊んだりしてください。 
和洋女子大学で頑張っている皆さんと、いつか一緒にお仕事できる日を夢見ています。 
期待しています! 応援しています! 頑張ってください! 

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大学の学びで取得した、衣料管理士の資格を活かして、ファッション業界で活躍したい

髙野 紗帆 さん

東京吉岡株式会社
営業事務職
2017年3月卒業

東京吉岡株式会社は、アパレルメーカーの服飾副資材(タグ・フラッシャーなど)や販売促進ツール(ポスター・POP・DM・案内状・ノベルティーなど)を企画・デザイン・制作する会社です。私は営業事務職として働いています。

在学中は衣料管理士の資格取得のための所定科目を履修するのはもちろん、先生方が皆、一生懸命に私たちに教えてくださるので、自分の興味のある授業に全力で取り組みました。4年次の卒業制作では、ゼミ長を務め、皆の意見をまとめることは大変でしたが、作り上げた作品は今までで最高の仕上がりになりました。

社会人になっても、やりたいと思ったことをやり尽くす! という気持ちで頑張りたいです。

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和洋で学んだことが全て、いまの仕事に活かされています

川合理紗 さん

徳武産業株式会社(ケアシューズメーカー)
営業職
2012年3月卒業

あゆみブランドのケアシューズ

販売会で接客中の川合さん。商品について説明をしながらお客様のニーズを的確につかんでいきます

■現在の業務内容について
私は徳武産業株式会社というケアシューズメーカーで営業職として関東、甲信越地域を担当しています。弊社のブランド「あゆみ」を取扱って頂いている企業に対して、靴の提案を行う他、福祉展示会へ参加して一般の方や介護職の方に商品を紹介したり、「症状に合った靴選び」というタイトルで靴への知識を向上して頂くための勉強会の実施などを行っています。また、取扱い企業の営業の方と同行して各地の福祉施設を回って、計測会や販売会を行い、お客様それぞれに合った商品のご提案を行っています。

■いまの仕事の魅力
弊社のケアシューズは一般に販売されている靴とは違います。外反母趾等、足になんらかの症状があるために靴を履くことができず、仕方なく素足や靴下で生活していた方に、左右異なったサイズの靴が購入できる左右サイズ違いの販売や、左右片方のみの販売を行っています。「『あゆみ』の靴なら履けた、ありがとう」というお客様からの言葉が最高に嬉しい言葉です。わざわざ、私宛にお手紙をくれる方もいて、そんな時に「この仕事をしていてよかった!」とやりがいを感じ、「もっと使いやすい靴を皆さんに届けたい」というやる気が生まれます!

■在学中に学んだこと、経験したことで、現在の仕事に活かされていると思うこと
私は在学中に衣料管理士の資格取得のための所定科目を修得し、衣料管理士の資格を取得しました。現在の仕事は衣料管理士の資格が必要な職業ではありませんが、商品を提案する際に商品の機能だけでなく、生地や繊維の特長・管理方法の理由を交えて説明ができることで、お客様や企業の方に、より商品を理解して頂けていると思っています。また、新商品開発の際には、デザインだけでない素材面での提案ができることも強みです。素材関連の授業で学んだ生地についての知識が、商品提案の際やクレーム対応で保管方法などが生地レベルの説明ができる時などにつくづく役立っているなと感じます。また、意外といまの仕事に活かされているのが、和裁の授業で得た知識です。高齢者のお客様が多いので、施設訪問の際に話をする時などに着物の話をしたりすると話が弾み、コミュニケーションをとることに役立っています。振り返ってみると、和洋で学んだことが全て、いまの仕事に活かされていると感じています。

■後輩たちへのメッセージ
私は小さい頃からモノづくりが大好きでした。中学生の時にユニバーサルデザインの世界を知り、将来はその分野で働きたいと考えていました。私は和洋国府台女子中学校高等学校を経て、和洋女子大学に入学しました。服飾造形学科での「衣」に関する幅広い学びを習得することで、念願が叶って、社会福祉につながる現在の職業に就くことができました。大学の授業で学んだすべてのことが、いまの自分の知識にプラスになっているのはもちろんなのですが、何より私が社会人になって感じるのは、人の優しさや厳しさを知り、関係をつくる難しさを乗り越えることができたのは学生時代に多くの人との関わり― 共通科目の授業への参加やサークル・部活等で学科を超えて様々な考えを持った人との交流やコミュニケーションの経験が、現在の私をつくってくれたことです。その経験が社会人になったいま、とても重要で必要だったと感じています。楽しいことだけでなく厳しさも学べる、優しさのあるところが和洋女子大学の良さだと思います。4年間の学生生活でいろいろな人と関わって、人を好きになる楽しさを感じてもらいたいなと思います。

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着物は縫えば縫うほど、奥が深い世界

深津 暢子 さん

和裁士
2008年3月卒業

■和裁士をめざすことになったきっかけ
祖母が和裁士だったこともあり、母も着物が好きでよく着ていました。子供の頃から着物が身近にあったので、自然と興味を持つようになったのだと思います。入学時には「手に職をつけたい」と思っていましたが、何を仕事にするのかは決めかねていました。和裁以外にもニット、染色、刺繍などを服飾造形学科で幅広く学ぶうちに、やはり和裁の道に進もうと決めました。本格的に和裁士としてやっていこうと決めた理由は、自分の周りにいる着物を着る方々が素敵な方ばかりだったこと。その方たちのお手伝いをしたくて、この仕事をめざすことにしました。卒業後、和裁所に入り、4年間住み込みで修行して仕事を覚え、和裁の技能士の資格を取得して独立し、現在に至っています。

■現在の仕事内容について
自宅を仕事場にして、呉服店や個人のお客様からの依頼を受け、着物や長襦袢、コートなどを仕立てています。お直しの依頼も受けますし、初めて着物を作る方や自分に合った寸法を探している方には採寸もしています。大体、月に12〜13枚くらいのペースで縫っています。

■大学の学びで役に立っていること
授業の最初に必ず行っていた「運針」ですね。大学の4年間でしっかり基礎ができていたので、和裁所に入ってからもすぐに実践で縫うことができました。また、サークルは茶道部だったのですが、茶道の先生からは着物の着姿や物事に対する心構えを教えていただき、それらも現在の仕事に役立っています。

■これからの夢
着物は、違う材質、違う形、ひとつとして同じ物を作ることはありません。縫えば縫うほど、奥が深い世界です。お客様の希望を適えるためには、習ったことだけでは足りないこともあります。様々な工夫を凝らし、時には新しい技術を身につけて経験を積みながら、自分のできることを少しずつ広げていきたいと思っています。

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やっぱり自分のドレスを作りたい! という強い気持ちで独立しました

松山 瞳 さん

フリーランスドレスデザイナー
2010年3月卒業

■現在の仕事内容について
オーダーメイドのドレス制作と楽天市場の「cawaii」というネットショップでのデザイナー、2つの仕事をしています。オーダードレスの仕事は、1着を2〜6カ月かけて制作します。お客様の要望を細かく伺い、デザイン画をおこしてデザインを提案。デザインが決まったら、採寸をして、仮布でドレスの形作り。試着と補正を繰り返し、形が決まったら本布で縫製して仕上げます。cawaiiの仕事の方は、毎月4〜5デザインをクライアントに提案し、依頼が入ったデザインのサンプルを中国とやりとりして制作しています。

■現在の仕事に就いた経緯
卒業後、アパレル企業に就職し、販売員として働き始めました。けれど、やっぱりドレスを作りたい! と思い、1年後にレンタルドレスの縫製をする仕事に転職。縫製の仕事をしながら、デザインイベントなどに出展して、自分のドレスを発表していました。その会場で、注文を頂く事ができたり、ウェディング関係者の方から仕事を頂いたり、楽天市場に出店している企業の社長にスカウトされたりと、現在の仕事に繋がる出会いがたくさんありました。

■大学の学びで役に立っていること
4年次のゼミの先生は本場フランスのメゾンで働いていた方でした。その先生から直々に教えて頂いた、オートクチュールの技法を用いたドレス制作の技術は、現在の仕事に必要不可欠です。実技以外には美術系の授業や洋装史などの講義の授業で得た知識も、現在、様々なお客様と会話させていただく上で役立っています。

■これからの夢
現在、ブランドディレクターとして、楽天市場で新ブランドを作る準備をしています。まずは、このブランド化を実現させたいですね。オーダードレスの方は、関わってくださる方々の心をあたたかくすることができるドレスブランドに成長させ、末永くデザイナーとして仕事をしていきたいと思っています。

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VOICE

和装の普及に役立つ可能性を秘めた「つまみ細工」を作っています

諸越 理恵 さん

つまみ細工作家
2010年3月卒業

私は「つまみ細工」という江戸時代から伝わる伝統工芸を作っています。
おもに千葉や東京で行われる手作り市やフリーマーケットを中心に出品し、友人2人(共に和洋女子大学卒業生)と「Moroさん家のお針箱」として活動しています。5月のゴールデンウィークに幕張メッセで行われる「どきどきフリーマーケット」には毎年、参加。昨年からは八幡で行われる回遊展などのイベントや里見祭(大学祭)の「技あり卒業生shop」にも参加し、活動の幅を広げています。
私が初めてつまみ細工を作ったのは、大学4年の時。授業で学んだ着付けの技術を生かして、卒業式には自分で着物と袴を着たい! そしてヘアスタイリングや髪飾りも自分で作りたい! と考えていました。なにか和風なカチューシャを作れないかといろいろと考えていた時に、母から「つまみ細工がいいんじゃない?」と薦められ、本屋の手芸コーナーでつまみ細工の作り方の本を買ってきて、それを見ながら作り始めました。本来のつまみ細工は絹の生地を使ってのりで張り付けていくのですが、私はいろいろな材質の布を使ったり、ボンドで張り付けたり縫い止めたり……。いろいろと試行錯誤しながら作っていきました。それ以来、つまみ細工づくりを続けています。
つまみ細工の魅力は、いろいろな布を合わせながら色や柄を考えて作っているうちに、イメージ以上のものが出来上がったりすることでしょうか。特に柄物は柄の出方などによってかなり出来上がりの印象が変わるので、最初に思っていたものとはまったく違うものが仕上がったりすることもあり、そこがとてもおもしろいと思っています。
大学時代の思い出と言えば、「授業の課題」。作業が早い方ではなかったので授業の時間内に終わることが少なく、休み時間を使ったり、宿題として自宅に持って帰ったり。昼休み時間もずっと作業をしていて、お昼の時間がなくなってしまいそうになったこともありました(笑)。課題には苦労しましたが、本当に必死にやっていた分、一番よい思い出にもなっています。また、和裁の授業では布の扱い方や和服の構造を知ることができ、とても勉強になりました。手縫いというコツコツとした作業をすることで、作品が徐々に出来上がっていく楽しさも学ぶことができたと思っています。そして、先生方や助手の皆さんには本当にお世話になりました。わからないことを質問に行くと、いつもやさしく丁寧に教えてくださり、そのおかげでいろいろな課題をこなすことができ、無事に卒業することができたのだと思っています。

今でも3~4カ月に1度くらいのペースで大学に顔を出しています。
和裁の研究室の先生方からは作品に関する意見や感想を伺ったり、値段についてのアドバイスを頂いたり……。卒業してからもずっと支えて頂いています。最近では職員の方に作品を買って頂く機会もあります。また去年から、服飾造形学科の卒業制作ショーに出る4年生の為に、髪飾りや帯留めなどを学生の意見や要望を取り入れてオーダーメイドで作ってます。自分が制作した着物地の余り布を使ってほしいという学生もいて、着物の雰囲気に合わせてデザインを考えていくのがとても楽しいですね。制作のアイデアは普段の生活の中にあります。たまたま目にした看板や何かのパッケージなど、いろいろなものから色の組み合わせなどのヒントを得たりしています。
制作時間は集中具合や作品にもよりますが、ブローチや髪飾りなどは3~4時間くらいかかります。制作過程で一番時間がかかるのが、デザイン。何の布を使ってどう作るか。これがなかなか決まらずに、いつも時間がかかってしまいます。
つまみ細工は日本の文化を見直し、和装などの普及に役立つ可能性を秘めていると思います。和装というと敷居が高い感じがしますが、日常的に普段使いできるようなつまみ細工を作り、それを皆さんに身につけてもらうことで和装や日本文化をより身近に感じてもらえることを願っています。今後も地道に活動を続けていきながら、大きなイベントに参加する機会を増やし、いろいろな方と交流することでもっともっと活動の場を広げていきたいと思っています。