兵庫県立小野高等学校 放送部の生徒たちが、心理学科の池田幸恭教授の協力を得て、ドキュメンタリー作品を制作しました。生徒たちは「家族への感謝」をテーマにした、テレビドキュメント作品を制作する過程で出会った、心理学科の池田教授の論文に感銘を受け、池田教授にインタビューをオファー。8月にZoomによるインタビューが実現しました。その時のインタビューの様子が作品の中に使用され、「家族への感謝」について、生徒たちの想いの詰まったテレビドキュメント作品が完成。その作品が「兵庫県高等学校総合文化祭放送文化部門」に進出が決まり、11月23日（木）に行われる決勝に出場します。この作品に込めた想いや、今後の目標など、放送部テレビドキュメント班 制作代表の1年生にお話を伺いました。

――兵庫県立小野高等学校 放送部は、どんな活動をしていますか？
現在、2年生8名、1年生8名の計16名で活動をしています。校内では行事の司会運営などを中心とした活動、校外では地域イベントでの司会などの活動をさせていただいています。そして、「NHK杯全国高校放送コンテスト」、「全国高等学校総合文化祭」などの全国大会への出場をめざして日々、努力しています。

――今回、出品するドキュメント作品はどんな作品ですか？ また、どんな想いで制作されましたか？
今回のドキュメント作品は「家族への感謝」をテーマにした作品です。この作品は、 様々な人に、「家族がしてくれていることのありがたさを知ってほしい」「家族に感謝を伝えたいけれど、伝えられていない人に、家族に感謝を伝えようという気持ちになってほしい」「家族への感謝の伝え方を考えてほしい」という想いを込めて制作しました。

――池田教授にオファーした理由やきっかけを教えてください
番組制作の中で青年心理学などについて詳しい方をインターネットで探していて、和洋女子大学 心理学科の池田教授が書かれた論文「母親とのかかわり方からみた青年期における母親に対する感謝の心理状態の特徴」に出会い、感銘を受けてインタビューをお願いしました。論文には、青年期の人がもつ母親に対する感謝の心理状態について詳しく書かれており、興味を惹きつけられました。

――池田教授とのインタビューを振り返っての感想をお聞かせください
インタビューの前には、緊張する気持ちが強かったですが、池田教授が「家族への感謝」についてお答えくださった回答が、貴重で興味深いものばかりだったので、大変、有意義な時間となりました。また、池田教授が、どの質問にも丁寧にお答えくださったので、「家族への感謝」についての考えをより深め、それを番組制作に繋げていくことができました。インタビューの中で、特に日本では、「これまで親に苦労をかけてきてすまないと思う」というように、感謝にすまなさ感情が含まれることや、「家族なのに水臭い」というように、大人も家族に感謝を伝えにくい傾向がみられる文化的特徴があること、また、アメリカやヨーロッパでは、感謝を手紙で相手に伝えるようなプログラム開発も取り組まれていることなどをお話しいただき、「家族への感謝」は、ただ感謝をする、感謝をされるという間の関係だけのものではなく、様々な文化などにも関わるものであるということに、池田教授のおかげで気づくこともできました。

――今後の活動予定や目標などお聞かせください
放送部は、行事での司会など、普段あまり関われないことに学校内でも学校外でも多く関わることのできる部活です。そのため、これからも1つ1つの活動に、携わることができることに感謝しながら積極的に関わっていきたいです。また、大会では、アナウンス部門、朗読部門から成る「読み」の部門や、ラジオドキュメント部門、テレビドキュメント部門、創作ラジオドラマ部門、創作テレビドラマ部門から成る「番組」の部門で、全国大会に出場し、全国大会優勝をめざせるように、毎日の活動で精一杯、努力を重ねていきたいです。