キーワードで学ぶ国際観光確定版

79 旅館 旅館とは、宿泊料をとって宿泊させる日本の宿泊施設。日本旅館ともい う。旅館の種類には、観光目的の観光旅館や温泉が自慢の温泉旅館、料理が主 な割烹(かっぽう)旅館などがある。通常、一部屋は二人以上宿泊するが、(欧 米では部屋ごとに料金が設定されているのに対し)料金は一人当たりいくらと いう料金設定になっている。客室は畳敷きで、部屋の中心に座卓が置かれ、そ の上に急須や湯呑茶碗が置かれている。そして窓の手前に縁側があり、座椅子 が置かれている作りである。その外は日本庭園に面していることが多い。浴衣 が備え付けられてあり、それに着かえることができる。旅館に共同の風呂があ るか、部屋付きの風呂がある。野外で入れる露天風呂があるところもある。通 常、朝食と夕食が付いていることが多い。どちらも多くの場合は和食で、膳の 上に料理が載せられている。仲居さんが食事を部屋に持ってきてくれる部屋食 と大広間や食堂で他の客と一緒に食事する場合がある。 (山下景秋) 和菓子 日本の伝統的な菓子のこと。季節感を感じさせる、味だけでなく視覚的にも 美しい菓子である。小豆や砂糖、もち米などの素材を、蒸す、焼く、揚げる、 固めるなどにより作られる日本の菓子。中国やポルトガル、スペインなどの海 外の菓子を日本独自の菓子に仕立て上げた。茶席で食べることを目的とする茶 菓子などがある。材料は(洋菓子は、乳製品や卵などの動物性の材料を多く使用 するのに対し)米や小豆など植物性のものが多く、菓子の形には梅や菊などの 花であることが多い。また桜の葉など植物の材料を使うことも多い。人の手で 丸めたりへこませたりして形を作り、洋菓子に比べてこじんまりとした大きさ のものが多い。生菓子(水分含有量が30%以上の菓子)としては、餅(もち)菓子 (もち米やうるち米を主原料とした団子や大福もちなど)、蒸(むし)菓子(せい ろで蒸して作る。ようかんなど)、流し菓子(液体状の生地を型に流し、砂糖や あんを主原料として寒天などで固める)、練り菓子(あんに砂糖やもち粉などを 加え練り上げた生地のこと)があり、 干菓子としては、 打(うち)菓子、 押し菓子、 掛(か)け菓子、飴(あめ)菓子がある。 【参考文献】朝日新聞出版編(2016)『TRADITIONAL JAPAN日本の伝統&絶景100』朝日新聞 出版. (山下景秋)

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