キーワードで学ぶ国際観光確定版

78 USJの価格変動制料金制度導入 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2019 年 1 月10 日から、一律 料金制から変動料金制に移行した。ただし、今のところは閑散期か繁忙期か、 さらに平日か週末かによる4段階の価格設定になっており、AIの需給予測によ り購入時点によって日々価格が変動するダイナミック・プライシングとまでは いえない。なお、東京のディズニーリゾートは一律料金、香港ディズニーラン ドは開園当初は平日と週末の2段階料金であったが現在は一律料金、上海ディ ズニーは平日、週末、祝祭日の3段階料金となっている。供給量を大きくは変 えられず、需要量はシーズンによって大きく変動するため、変動料金の方が合 理的ではあるが、消費者への分かりやすさ、日付を指定せずに好きな日に行け る利便性などを考えると、変動料金制にはリスクもあるといえよう。 【参照項目】航空料金・ホテルのダイナミック・プライシング 【参考文献】 (藤丸麻紀) 『ラストエンペラー』と紫禁城観光 中国が「文化大革命」から「改革開放」に舵を切って間もない頃の1987年に イタリア・中国・イギリスの合作による映画『ラストエンペラー』(The Last Emperor)が封切られ、世界の関心を集めた。このアカデミー賞作品賞受賞作品 は中国最後の皇帝溥儀の自伝『わが半生』(原名『我的前半生』)に基づくもの で、幼い皇帝と雄大な紫禁城、少数民族の満州人による統治と漢文化といった コントラストは改めて世界に衝撃を与え、紫禁城(故宮)を訪れる外国人が急 増した。このようなコントラストは今日紫禁城の門の一つである天安門に帝国 皇帝を否定するはずの毛沢東の巨大な肖像画が掲げられているところにも現れ ているように思われる。 【参照項目】「メディア– 社会」論と観光 【参考文献】溥儀著 小野忍他訳(1992)『わが半生―「満州国」皇帝の自伝』上・下 .ちく ま文庫. (里正明伍)

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