キーワードで学ぶ国際観光確定版

62 ガイドブック 旅行をするうえで、ガイドブックは欠かせない。インターネットで簡単に情 報を収集できるようになった今の時代でも、旅行のプロが教えてくれる情報に は一定の価値がある。一方で、ガイドブックは観光研究の材料でもある。例え ば、同じ地域を対象としたガイドブックを複数取り上げ、言語やシリーズごと に比較してみると面白い。ガイドブック上で東京を旅すると、英語と中国語と 日本語では全く異なる街になる。また、インターネットの口コミやSNSとの相 違もある。他にも、同じガイドブックの古い号を参照し、掲載情報の経年変化 (掲載地、記述の変化など)を分析した研究もある。こうしたガイドブックや 観光情報の分析を行うことで、より旅行が楽しくなるのは間違いない。 【参照項目】 東京観光 【参考文献】 山口さやか,山口誠(2009)『地球の歩き方の「歩き方」』新潮社. (板垣武尊) 語り部 語り部とは、元々は文字のなかった時代に、昔話や民話、神話などを語り継 ぐ人のことをいう。なかにはその話芸でもって職業となし、朝廷に使えたもの もあったという。ただ今日、「語り部」といわれるのは、昔話や民話だけでなく、 戦争や大災害といった、非日常的でありまた歴史上「語り継がれるべき」とさ れる経験談を、それを直接経験していない遠隔地や後世の人々に語って聞かせ る人々のことを指すことが多く、それらの多くは、戦地や被災地でのある種の 観光コンテンツとなっている。ただその性質上、教育的な意味も多く、多くの 児童や学生など若者が団体旅行の中で訪れることも少なくない。 【参照項目】スタディツアー、中高生の海外研修、留学、ダークツーリズム 【参考文献】一般社団法人 語り部協会http://kataribe.or.jp/aboutus/about/ (金丸裕志)

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