キーワードで学ぶ国際観光確定版

61 インバウンド消費とキャッシュレス対応 訪日外国人急増により、外国人旅行者によるインバウンド消費も急増してい る。日本は外国と比べてキャッシュレス決済比率が低く、現金での支払いの割 合が高いが、外国人観光客の決済の利便性を考え、2019 年 10 月の消費税率引 き上げに伴うキャッシュレス利用によるポイント還元キャンペーンに合わせて、 キャッシュレス化を導入する店舗も増えている。欧米での利用比率が高いクレ ジットカードは、導入コストや決済手数料が高いが、中国や東南アジアで利用 比率が高いQR コードなどのモバイル決済は導入コストが低く、積極的な導入 が進むと思われる。ただし、偽札の心配や富裕層以外にクレジットカードが発 行されにくいためモバイル決済が進んだ中国に比べ、日本は偽札の心配が少な く、かえってモバイル決済に対する安全性が懸念されることから、急速な普及 は見込めないと考えられる。 【参照項目】ショッピング(爆買い) 【参考文献】JTB 訪日旅行重点 15 か国調査2019「インバウンド市場動向2019」(藤丸麻紀) 温泉 温泉とは地中から湧き出る温水のこと。火山の多い日本には温泉が多数存在 する。全国には、草津温泉や別府温泉、伊香保(いかほ)温泉、登別(のぼりべつ) 温泉など町全体が温泉で成り立っている温泉地もある。温泉に浸(つ)かること によってリラックスできる効果があるばかりか、傷や病気にも効く効能もある とされ、大昔から温泉は多くの人々から愛されてきた。外気に触れる露天風呂 の温泉は、自然を感じることができる。 最近は、日本の温泉に入ることを希望する外国人観光客が増えてきた。北海 道や長野県などでは、スキーをした後温泉を楽しむ外国人も多い。長野の地獄 谷野猿公苑(じごくだにやがいこうえん)という野外の温泉では、野生の猿たち が寒いとき湯に入る姿が微笑ましい。この姿はYouTubeなどの動画で世界中の 人達に見られている。ただ、寒いとき(特に露天風呂)、入浴前と入浴後の温度 が大きく異なるせいで倒れる人が多いことには十分注意しなくてはならない。 また入浴前と入浴後には、十分水分を摂ることが重要である。 【参考文献】朝日新聞出版編(2016)『TRADITIONAL JAPAN日本の伝統&絶景100』朝日新聞 出版. (山下景秋)

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