キーワードで学ぶ国際観光確定版

45 ナイトタイムエコノミー ナイトタイムエコノミーとは「夜間経済」とも訳され、「一般的に「9 時―5 時」などと呼称される昼間に行われる経済活動に対し、日が落ちた以降、すな わち 「アフターファイブ」の夕刻から翌朝までの間に行われる経済活動の総称」 (木曽崇2017:9)と定義される。昼間に観光や仕事を終えた後、食事に出か けたり、観劇やエンターテインメントを楽しむといった消費活動がそこにふく まれ、通常、日中の活動が念頭に置かれがちな観光に、夜間の消費活動も充実 させることで、より消費機会を増やし、国や地域の経済活性化につなげること が期待される。近年では日本政府も強く促進している、カジノを含む統合型リ ゾート(IR)も、この「ナイトエコノミー」の役割を期待されている。 【参照項目】統合型リゾート 【参考文献】木曽崇(2017)『「夜遊び」の経済学:世界が注目する「ナイトタイムエコノミ ー」』光文社新書. (金丸裕志) 農村観光(グリーン・ツーリズム) 農村観光(グリーン・ツーリズム)とは、緑豊かな農山漁村地域において、 その自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動である。アグリツー リズムやルーラルツーリズムとも呼ばれる。観光の内容には、農家民宿、農業 体験、農業に関するイベントへの参加、自然の営みとの触れ合いなどがある。 農村観光が注目されるようになった背景には、過疎化・高齢化による農業労 働力の減少や農村の疲弊化がある。そのため、地域活性化や環境・地域資源の 保全を推進する政策が多くの国や地域で実施された。 【参照項目】 アグリツーリズモ、棚田観光、エコツーリズム、ワインツーリズム、モノ消費 からコト消費 【参考文献】 古川彰・松田素二編(2003)『観光と環境の社会学』新曜社. (板垣武尊)

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