44 東南アジアの海浜リゾート開発 年間を通じて温暖な東南アジアには、世界的な海浜リゾートが多数ある。18 世紀にヨーロッパで誕生した海水浴は、 列強の進出と共にアジアへと伝播した。 日本では、明治維新後にドイツ人医師ベルツによって、湘南に海水浴場が開設 された。しかし東南アジアを支配した宗主国は、山岳地域に避暑地を建設した だけで、海にはさほど興味を示さなかった。他方、20世紀初頭にタイ王族がホ アヒンに別荘を建設し、特権階級向けの海浜リゾートとして発展した。1970 年 以降は、ベトナム戦争に従軍する兵士やバックパッカー向けに、タイ、マレー シア、インドネシアに海浜リゾートが開発された。その後、平和が訪れたベト ナムやカンボジアにも誕生し、現在でも多くの観光客で賑わっている。 【参照項目】 ヨーロッパの海浜リゾート開発、ガイドブック 【参考文献】 板垣武尊（2018）アジア地域におけるバックパッカーの目的地の変遷．李・臺 編『国際社会観光論』志學社．p161-182. （板垣武尊） 都市観光（アーバンツーリズム） 都市観光とは、都市を対象とした観光活動である。観光の内容には、宿泊、 買い物、食事、見学、展示会、イベントへの参加などがある。関連施設には、 ホテル・旅館、商店・土産物店、飲食店、都市建築・構造物、劇場、博物館、 スポーツ施設などがある。また、農村では決して見られない街路や空間構造な どが織りなす景観から、都市は人間が捜索した最大の芸術品とも称される。さ らに、国際観光のゲート・ウェイ（玄関口）としての役割も重要である。この ような観光対象の多様性から、都市には多くの観光客が訪れる。 【参照項目】 ナイトタイムエコノミー、ショッピング（爆買い）、統合型リゾート（Integrated Resort：IR）、東京観光、エスニックタウン 【参考文献】 ①杜国慶（2016）文化ツーリズムと都市観光．菊池俊夫・松村公明編著『よく わかる観光学3 文化ツーリズム学』朝倉書店．p99-110．②クリストファー・ロー著，内藤嘉 昭訳（1997）『アーバンツーリズム』近代文芸社． （板垣武尊）
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