キーワードで学ぶ国際観光確定版

36 エコツーリズム エコツーリズム(Ecotourism)とは、「自然環境や歴史文化を対象とし、それ らを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責 任を持つ観光のありかた」(エコツーリズム推進会議)と定義される。主に自然 豊かな地域を目的地とし、その中で観光者が環境保全および自然環境と不可分 に存在する文化や歴史について考える機会を提供する。具体例として海外では 熱帯雨林や珊瑚礁、日本では屋久島や小笠原などがあげられる。日本では2007 年、「エコツーリズム推進法」が制定され、自然環境保全や地域振興を推進しそ の教育の場を提供するエコツーリズムを推進してきた。 【参照項目】マスツーリズムと特定ツーリズム(ポスト・マスツーリズム)、世界遺産と環境 保全のジレンマ 【参考文献】①橋本和也・佐藤幸男編(2003)『観光開発と文化』世界思想社.第2章・第7 章.②環境省「エコツーリズム推進会議」 https://www.env.go.jp/nature/ecotourism/try-ecotourism/env/kaigi/kaigi.html (金丸裕志) エスニックタウン エスニックタウンとは、移民エスニック集団が移住先の国において形成した 都市内の商業業務地区である。エスニックタウンには、そのエスニック集団に 関連する物産店、飲食店、宗教施設などが集積する。そのため、移民にとって は「故郷」を享受できる空間であり、エスニックタウンがある都市の住民にと っては気軽に行ける「外国」として消費される。エスニックタウンの例として、 チャイナタウンが挙げられる。ロンドン、パリ、サンフランシスコ、シンガポ ールのチャイナタウンなどには、現地の人が行列を作るレストランが数多く存 在する。日本でも、横浜、神戸、長崎のチャイナタウンが有名である。他にも、 新大久保のコリアタウンや西葛西のインド人街などがある。 【参照項目】 エスニック・ツーリズム、都市観光、東京観光 【参考文献】 ①山下清海編著(2011)『現代のエスニック社会を探る―理論からフィール ドへ』学分社.②ブルーガイド編集部編(2013)『おさんぽマップ東京エスニックタウン』実 業乃日本社. (板垣武尊)

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