キーワードで学ぶ国際観光確定版

31 MICE 会議・研修(Meeting)、招待旅行(Incentive travel)、国際会議・学術会議 (Conference)または展示会(Convention)から成るいわゆるMICE(マイス) を目的とした旅行客は、国際観光の一角を占めており、世界的に年々増えてい る。日本で開催された国際会議の件数は、震災の影響を受けた2011 年1892件 以来年々増えて、2018 年は前年比 3.6%増の 3433 件であった。参加者総数も 6.6%増の184 万人に達し、そのうち外国人参加者数は12.3%増の21万人近く になり、経済効果16年度で1兆円を超えた。18 年の国際会議開催件数を国別 で見ると、定義によって件数は異なるが、1 位がシンガポール(1238 件)、2 位 が韓国(890 件)、3 位ベルギー(857 件)、4 位アメリカ(616 件)となり、 日本は5 位(597 件)である。 「民族生態博物館」観光と「民族」 民族生態博物館観光はエスニック・ツーリズムの類型の中の自然村博物館型 に入るが、2018 年現在この種の博物館は中国全土で16 カ所を数える。これは 文化遺産を原状のまま当該コミュニティ・環境の中に保存するという理念のも とで少数民族の村を丸ごと博物館として保護し、観光の対象としたものである。 1998 年にアジア初の民族生態博物館として設立され対外開放となった梭嘎 (Suoga)苗族生態博物館(貴州省)はその代表格であるが、ここでは資料室参 観、伝統儀式参加、民家訪問などができるようになっている。ただ観光化の中 で村人たちの生活様式や民族服飾からはもとの純朴さがなくなってきていると いう指摘もあり、「民族」保存との乖離が懸念される。 【参照項目】聖・俗・遊と観光の持続可能性 【参考文献】①田夏萌2016 中国生態博物館的建設実践——以貴州六枝梭嘎生態博物館為例.長 江叢刊・理論研究.11,p142-143.②梭嘎生態博物館図冊(百度) (里正明伍) 【参照項目】 【参考文献】日本政府観光局(JNTO)「コンベンションの誘致・ 開催支援」<https://mice.jnto.go.jp/> (杉浦功一)

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