キーワードで学ぶ国際観光確定版

32 「無煙産業」批判 「無煙産業」(non-smoke industry)とは自然資源、エネルギーの消耗が比較 的少ないとされる産業を指す言葉として一般的に流通しているが、観光がその 代表格として取り上げられることが多い。しかし観光産業に関しては必ずしも 「無煙産業」とは言えないという認識が世界的に増幅しており、実際観光その ものではなくそのあり方との関連づけが一般的に行われている。ただ中国の場 合、習近平氏のいわゆる「両山理論」(綺麗な自然こそ金山銀山)が観光開発の 根拠として解釈されるといった事情もあって、観光全体を「無煙産業」として 位置付けるような傾向が確認される。 【参照項目】聖・俗・遊と観光の持続可能性 【参考文献】①「倡導緑色旅遊消費発揮無煙産業優勢」(新浪网,2017 年1 月19 日, https://news.sina.com.cn/o/2017-01-19/doc-ifxzutkf2030431.shtml) ②M Lenzen,Y.Y.Sun.,F. Faturay.,Y.P.Ting.,A.Geschke., A.Malik.2018.“The carbon footprint of global tourism” ,Nature Climate Change ,volume 8,p522–528. (里正明伍)

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