キーワードで学ぶ国際観光確定版

19 観光地マーケティングの4P/4C理論 マーケティング分析を行うときに大切な視点として、マーケティング・ミッ クスと呼ばれる手法で用いられる4Cと4Pという概念がある。4Cとは、消費 者側から見た視点で、1)価値(Customer Value)、2)コスト(Cost)、3)利便 性(Convenience)、4)コミュニケーション(Communication)を指す。4Pとは 企業側の視点で、1) 製品(Product)、2) 価格(Price)、3)流通経路(Place)、 4)販売促進(Promotion)である。 4C と4P はそれぞれ対応させて考えられるため、それを観光地としての魅力 を発掘し観光振興策を練るための観光地マーケティングに応用すると、以下の ような視点が重要であることが分かる。 1)価値と製品:観光資源を発掘し、付加価値をつけ、またはイベントやショ ーなどのソフトの観光資源を創出し、行きたくなるような製品にすること。 2)コストと価格:交通費、宿泊代、お土産代など様々な価格における競争力 を考えること。外国からの観光客には為替レートや原油価格も影響する。 3)利便性と流通経路:旅行の買いやすさ(予約しやすさ)、行きやすさを重視 すること。インターネットの発達、スマートフォンの普及、システムの開発に より大幅に改善され、旅行会社経由から個人手配に移行している。 4)コミュニケーションと販売戦略:観光地の魅力をどうアピールし、また顧 客のニーズにどう応えるか。販売促進活動は、以前は主に旅行会社に対して行 われていたが、ホームページやSNSによる消費者への直接的な宣伝が重要にな ってきている。また、口コミなどの投稿に対する対応も重要になっている。 【参照項目】 【参考文献】藤丸麻紀(2018)マーケティングからみた訪日観光地としての東京. 李明伍, 臺純子編著『国際観光社会論』志學社.p29-56. (藤丸麻紀)

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz