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子どもの食育

1984年から千葉県匝瑳市の地域保健活動に参画して、今年度で28年目を迎えます。長期にわたり、地域の子どもたちの生活習慣病予防を目的に、管理栄養士をめざす健康栄養学科(生活学科、健康栄養学科)の学生が健康診断、食習慣調査、生活状況調査、個別指導、集団指導とさまざまな形で携わってきました。
ここでは、これまでの成果や現在の活動など、随時ご紹介していきます。


1984年から本活動に携わってきた坂本元子前学長のご挨拶はこちらからご覧ください。

地域保健活動の概要

匝瑳市における地域保健活動の年間スケジュールです。

匝瑳市前期スケジュール

匝瑳市後期スケジュール

活動のご紹介

健診・調査

小・中学校で健診・調査を実施しました。

6月下旬に小学4年生、中学1年生を対象に、平成23年度小児生活習慣病予防健診および食生活調査を実施しました。
健診では、身体計測に加え腹囲測定、血圧測定、血液検査(血清脂質、貧血検査)を実施しました。
調査は食習慣調査、生活状況調査を事前に配付しておきました。健診日に回答に対する確認を子どもたちに行いました。
健診・調査結果は「アドバイス表」としてまとめ、個々に返却します。

栄養教育

中学校で栄養教育を実施しました。

11、12、1月に健康栄養学科3年生18名が千葉県匝瑳市の中学校3校で栄養教育を実施しました。

「望ましい食生活について考えよう よく噛むことの大切さ」をテーマに、中学1年生を対象に授業を行いました。

今回、新しいテーマに挑戦することになり、昨年の夏休みから全員で協力して、準備をしてきました。

テーマを設定した理由は以下の通りです。
「現代は昔に比べ咀嚼回数が大幅に減少し、食事時間も40分近く短くなっています。咀嚼回数が多くなれば歯の病気予防だけでなく脳の発達や肥満予防にもつながるため、咀嚼の重要性について理解を深めてもらいたい。また、噛むことだけでなく食事のとり方や生活習慣病との関連についても興味・関心をもってもらうことを目的としました。」

学習目標は、1咀嚼の大切さを知り、望ましい咀嚼回数や食品の理解を向上させる、2適切な食事のとり方について考え理解を深めてもらう、3生活習慣病との関係について考え、理解を深めてもらう、です。

45分から50分の短い時間の中で、現代人の咀嚼回数と食生活の関係を最初にお話ししました。
一番盛り上がったのは、「クロスワード」です。咀嚼に適した食品をクロスワードから探します。
忘れてはいけないのは、「歯の健康」と「生活習慣病」の関係です。対象の生徒たちは昨年6月に小児生活習慣病予防健診を受診しています。食事や運動との関連性も理解させつつ、よく噛んで食事をすることの大切さを伝えました。

生徒たちは、咀嚼の大切さ、望ましい咀嚼回数や適切な食事のとり方について理解できたでしょうか。生活習慣病(予防)に対する関心が高まったのでしょうか。
授業後に行ったアンケートでは、“クロスワードが楽しかった”という感想が一番多かったのですが、“歯にいい食べ物がいっぱいあると思いました。”“かむことの重要性についてよくわかりました。” “これからはもっと噛む回数に気をつけたいと思いました。”“自分の生活を見なおそうと思いました。” “生活習慣病にならないために、これからは食生活を工夫していきたいです。”といった感想もあり、楽しく授業がうけられたようでした。中には、“色々なことがわかったし、面白かったので和洋女子大学生が来てくれてよかったです。”と嬉しいコメントもみられ、学生たちの励みになったようです。

講演・学会発表

本活動に関連した講演・学会発表などの最近の報告はこちらからご覧ください。

講演

Prevention of Chronic disease and obesity: from Tools for risk assessment and management to Policy

2010年12月7日に韓国ソウルで開催されたPrevention of Chronic disease and obesity: from Tools for risk assessment and management to Policyにおいて、学長の坂本元子先生が小児生活習慣病予防と栄養教育について講演しました。

・Motoko Sakamoto D.M.Sc., RD, Reiko Hashimoto M.Sc., RD: Prevention of Life-Style Related Diseases and Nutrition Intervention for Children

小児生活習慣病予防

第65回日本体力医学会大会 県民公開講座

2010年9月16日に本学で開催された第65回日本体力医学会大会 県民公開講座において、学長の坂本元子先生が匝瑳市の活動を中心に小児期における生活習慣病の予防について講演しました。

小児生活習慣病予防

International Conference on “Innovation in Food & Nutrition Science”

2010年7月7~11日にMongolian University of Science and Technology(モンゴル科学技術大学)で開催されたInternational Conference on “Innovation in Food & Nutrition Science”において、学長の坂本元子先生が匝瑳市の活動内容の一部として、小児生活習慣病予防について講演しました。

モンゴル科学技術大学はモンゴルウランバートルにある本学との協定校です。

Innovation in Food & Nutrition Science

・Motoko Sakamoto, Reiko Sugiura: Prevention of Life-Style Related Diseases in Childhood

坂本元子学長1 坂本元子学長2

また、Wayo Women’s University Sponsored Seminarでは、これまでに本活動で作成し匝瑳市の子どもたちへの栄養教育で使用してきた教材などをモンゴル科学技術大学の学生さんやモンゴルの栄養士さんに紹介することができました。
・Reiko Sugiura, Motoko Sakamoto: Nutrition Education for Children –Educational Materials-

栄養教育教材1 栄養教育教材2

栄養教育教材3 興味のある教材を手にとってみています。

栄養教育教材4 セミナー参加者と集合写真を撮りました。

学会発表

第4回日本食育学会総会・学術大会

2010年5月29~30日に熊本県立大学で開催された第4回日本食育学会総会・学術大会において、平成21年度の活動内容の一部を報告しました。

・橋本令子、坂本元子:中学一年生を対象とした生活習慣病予防のための食育活動

匝瑳市学会発表20100529

坂本元子前学長のご挨拶

生活習慣病の予防は食習慣の改善がまず第一といわれます。食習慣は生まれたときから家族の一員として家族と同じ食事をすることに始まります。この習慣を成人になってから変えるということは、つまり食べ慣れたものを変えるという最も難しい壁となっています。
この活動は、一つの地域の子どもたちについて生活習慣病予防のために、健診を実施し、生活状況、食物摂取状況などから、子どもたちの健康状態を把握し、課題を探り、生活習慣の適正指導、食物摂取の適正摂取が生活習慣病のリスクの改善につながることを信じて、1984年から25年間連続して管理してきました。この実践について地域の理解、家族の熱意、施設の協力、そして多大な費用の裏付けなくしてはこの事業の実現は困難なことであろうと思います。
まず、人の習慣をかえること、しかも病気でもなく元気な子どもたち、貧しい地域ではなく充分に食料を入手できる環境にあり、目の前には美味しい食べ物が溢れている地域、このような条件の中で予防のために、あなたが大きくなったときに生活習慣病に罹らないために、という遠大な将来の生命を予測しながら、長期にわたり実施してきたことは大いに意義あることと思っています。
しかもこの25年の間にさまざまな環境の変化がありましたが、これにも係わらず、法律で決められた事業でもないところに予算を配し、自治体の職員がこの事業の実施を支援し、子どもたちの施設や学校が、規定もない事業に協力を示して、大学の教育もこの一端を担いながらいい成果を挙げてきています。これは人々が自己の健康を、町の人々の健康管理を、成人になるまでの健康管理をみんなで支え合っている姿勢です。その結果、リスクの総出現率は経年で減少してきました。このことは栄養教育の効果によるものだけでなく、この組織を支えているすべての人々、団体の健康意識の改革によるものであり、リスクの軽減に直接的な影響をあたえています。
また、個人のカウンセリングは異常値出現率の減少に効果が著しいですが、地域全体を考えた場合に集団指導の導入などの効果も大切です。生活習慣病のリスクへの対応は幼児期、小学生、中学生の時期から長期に気長く、楽しい教材で教育することが効果的であると考えます。あと10年すれば高齢者の特別健診を受ける年齢に達するでしょう。そのときにいまの受診者よりも異常値の少ない状況がみられれば、初めてこの長期の予防政策が成功したといえるでしょう。生活習慣病予防、食の改善には、根気と忍耐そして、10年、20年の長期の年月が必要であることを感じています。

平成22年2月
学長 坂本元子

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