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心理学科

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投稿者: shinrigaku
2017/12/25 14:18

「乳幼児心理学(履修時期:3年次 単位数:2単位)」は、妊娠出産から6歳頃までの時期の 幼い子どもの発達を心理学的に学ぶ授業です。この時期の子どもたちは日々めざましく成長していく存在です。子どもの感情や認知の発達、言語の獲得を整理しつつ、発達支援のポイントや子どもたちと関わる喜びにつなげることを目的としています。担当は小沢哲史准教授



この日の授業では、育児語と呼ばれる、乳幼児との会話で使われる言葉の特徴や乳幼児が言語を習得する発達過程などについて学びました。その中で小沢准教授は「ムタ実験」という、子どもの言語習得を理解するための実験について解説しました。まず、学生たちを2つのグループに分け、1つのグループには、卵形でアクリル製の物体を見せ、学生たちに「これはムタです」と教えます。そして「ムタで何をするかみていてください」と言いながら、それを机の上でくるくると回します。また、もう1つのグループにも、同じ卵形でガラス製の 物体を見せ、「これはムタです」と教えます。そして「ムタで何をするかみていてください」と言いながら、それを目の前にかざして透かして見るような動作をします。そして、両方のグループに、発泡スチロール製の卵形の物体とアクリル製のピラミッド形の物体を見せ、「どちらがムタでしょうか?」と問います。子どもたちはちょっとしたその場の状況のわずかな違いにも影響されやすく、それほどきれいに明確な結果が出るわけではありません。それでも、卵形という形状に着目した、ころがす動作を見たグループは発泡スチロール製の卵形の物体をムタだと思いやすく、材質に着目した、透かしてみるという動作を見たグループはガラス製のピラミッド形の物体をムタだと思いやすいということです。
もし最初の物体で子どもたちが実際に遊んでいたなら、結果ははるかに明瞭だったかもしれません。転がす遊びをした子どもたちは卵型の発泡スチロールをムタだと思いやすく、透かしてみる遊びをした子どもたちはガラス製のピラミッドをムタだと思いやすいでしょう。つまり幼い子どもたちは、受身に名前を覚えるのではなく、見聞きしたことや実体験に基づいて積極的に自ら名付けていくと言えます。

【写真左】授業中の学生たちの様子 【写真右】ムタ実験で使った素材

<小沢先生よりのメッセージ>
かわいいけれどわがまま、天使と悪魔の両方の顔を持つのが幼い子どもたちです。子どもの気持ちや理解の仕方のポイントをつかむことで、子どもにふりまわされることなく、深いレベルで喜び合い、学び合い、穏やかに成長を支えることができるようになります。1、2年生ではなく3年生の後期に開講しているのは、背景に愛着理論や対象関係論といったやや難解な理論が見え隠れしているからです。1、2年生の時期の学びによって、今回、紹介した内容もいっそうわかりやすく、深い意味をもって感じられると思います。


<参考文献>
小林春美 (1998). 大人の動作と幼児による語の意味の推測との関係, 教育心理学研究, 46, 1-10.
 

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