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投稿者: shinrigaku
2016/12/12 11:41

感情の浮き沈みとは
誰にでも感情がうまくコントロールできないことはあるものですが、その浮き沈みが激しく、不安定な状態になることがあります。「他の人ならこんなに不安にならないだろう、泣いたり怒ったりしないだろう」とわかっていながらも、自分では感情がコントロールできず、人間関係や日々の生活に支障が出てしまうことがあります。

あなたには以下の図のようなことはありませんか?

 
高校生や大学生の歳にあたる思春期・青年期は、このような感情の浮き沈みが一時的に激しくなることがあるといわれていますので、思い当たる節がある方も心配ありません。人によっては、成長に伴って気分が落ち着くことも多くあります。

感情の浮き沈みに対処するグループ・プログラム―STEPPS―
私はこのような感情の浮き沈みに自分で対処するためのグループ・プログラムについて、他大学の研究者とともに研究を行っています。このプログラムはSTEPPS(ステップス)と呼ばれています。感情が激しくなることを予測し、柔軟な考え方や対処行動をとって、自分で感情をコントロールできるようになることを目的としたプログラムです。認知行動療法*というカウンセリングの理論を背景に構成されています。
もともとは境界性パーソナリティ障害*の患者さんのために開発されたもので、他の治療法に比べてコストがかからずに、比較的簡単に実施することができるため、近年注目されています。私たちの研究グループでは、STEPPSの日本語バージョンを作成して、日本の大学生にも効果があるかどうか研究しています。現在までに26名の大学生にSTEPPSを実施しており、STEPPSの実施前後で、考え方や感じ方が変化したり、ポジティブな感情が増えたりなどの良い効果がみられています。参加した方からは「毎日が楽しく感じられるようになった」「生きやすくなった」「はじめたときと比べて考え方が変わったように思った」などの感想が得られました。

*認知行動療法
人の思考および行動パターンを理解し、思考や行動、感情が変化するようにアプローチするカウンセリングの一技法。
*境界性パーソナリティ障害
対人関係、自己像、感情などの不安定さや著しい衝動性が特徴的なパーソナリティの障害。

STEPPSの内容
感情が激しくて飲み込まれそうなときは、例えばダムの水門が壊れた状態に例えられます。水門が壊れていれば、感情は激しく流れ出して止まりません。その状況から抜け出すためには、水門を直して流れる水量をうまく調整する必要があります。
水門を調整する、つまり激しい感情に飲み込まれないようにするためには、その体験を言葉にして共有してもらうこと、その体験から距離をとること、感情の嵐が過ぎ去るまで気晴らしをして乗り越えること、問題に向き合うことなどが有効です。
STEPPSは1回2時間、週に1回、全20回のプログラムで、6名~10名程度の参加者および2名のカウンセラーとともに、これらの具体的な方法について一緒に話し合い、学んでいきます。グループのメンバーに話して、同じつらさを共有して、その場に受け入れてもらうだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。

臨床心理学に関する授業内でもSTEPPSの内容について少し紹介しています。ご興味がある方はぜひ心理学類に学びにいらしてください。

*本研究は、科学研究費補助金(基盤研究C)(研究代表者寺島瞳、課題番号30455414)による助成を受けて実施しています。

参考文献
Blum, N., & Bartels, N., St. John, D., & Pfohl, B. (2012). STEPPS: Systems Training for Emotional Predictability and Problem Solving (Second Edition).   Coralville, IA: Level One Publishing.

心理学類の学びについてはこちらから
寺島准教授のプロフィールはこちらから

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