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「臨床心理学基礎実習(履修時期:3年次 単位数:1単位)」は、臨床心理学で必要とされる基礎的事項(箱庭療法・芸術療法・投影法・質問紙法・遊戯療法・リラクゼーション・グループワークなど)について、実習・作業・グループワークなどを通して、より体験的に学ぶ授業です。臨床心理学で必要とされる知識、技能ならびに態度を身につけ、自分や他者についての理解を深めることを目標にしています。担当は細井啓子特任教授と寺島瞳准教授です。
7月5日の授業では、箱庭療法と遊戯療法を心理学類専用の実験室で行いました。 ■箱庭療法
<細井先生よりのメッセージ> 箱庭療法は、ユング心理学のD・カーフがM・ローエンフェルトの世界技法を発展させ、河合隼雄が日本に導入した技法です。はじめは子どものセラピーとして使われましたが、今では年齢に関係なく、臨床現場でよく使われる技法のひとつです。砂が入った箱のなかでおもちゃなどを自由に使います。この実習は臨床心理士養成を目的としたものではありませんが、実習を通してどのように自分を表現したのか、自分を知る機会ととらえてほしいと思います。
■遊戯療法 遊戯療法(ロールプレイ)の担当は寺島先生。こちらも2人1組でこども役とセラピスト役を各々、体験します。こども役はプレイルーム内のおもちゃを自由に使ってセラピスト役と遊び、セラピスト役はセラピストとして接しながらこどもと一緒に遊びます。5分間の遊びの様子を別室のカメラで観察し、観察者は二人をよく見て様子を書き留めます。プレイごとに全員でセラピスト役の良かった点について話し合います。
【写真】プレイルームの様子は隣室のモニタで見ることができます。マジックミラー越しに直接、部屋の二人の様子を見ることもできます
【写真左右】様々なおもちゃを使って遊びを行います。ピンク色のトレーナーがこども役、ブルーのトレーナーがセラピスト役です
<寺島先生よりのメッセージ> 遊戯療法とは主に子どもを対象とした心理療法で,心理療法の多くは言葉を通して行われるのに対して,遊戯療法は遊びを通して行われます。本実習では,子どもの気持ち,セラピストの気持ちの両方を経験すること,また遊びの様子を客観的に観察することを通して,子どもへの接し方を体験的に学びます。本実習において,子どもを統制せずに,暖かな態度で関わることを学ぶことは,学生の皆さんが親になった時にも役に立つことと考えています。