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心理学科

名前: shinrigaku 作成日: 2014/02/07 14:14
心理学類のブログ

投稿者: shinrigaku 投稿日: 2017/12/26 11:08
■「インスタ映え」を心理学で考える
「インスタ映え」が2017年のユーキャン新語・流行語大賞を受賞しました。この言葉は、SNSサービスの「Instagram(インスタグラム)」に公開した写真がひときわ映える、見栄えがよいということを意味しているといいます。「インスタ映え」を意識して、普段から写真を撮影している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この「インスタ映え」に注目して、授業で行った作業をとおして、心理学の考え方について紹介したいと思います。2年生の選択科目である「心理学基礎演習Ⅰ」の授業で、中学生、高校生、大学生などの若者で流行しているもの・盛り上がっているものをひとつ取りあげて、その理由や背景を分析するという作業を行いました。図①に示したように、自分の考えを整理する、グループで意見交換して参考資料を調べる、集めた情報を図表にまとめるという流れで授業は進んでいきます。

【図①】 

中学生、高校生、大学生などの若者で流行しているもの・盛り上がっているものとして、「インスタ映え」「インスタグラム」の他にも、フォトジェニック、ロールアイス、電球ソーダなどもあげられていました。写真映えを意味するフォトジェニックに加えて、ロールアイスや電球ソーダは「インスタ映え」するから流行しているという意見もあり、「インスタ映え」の影響力の大きさが感じられます。

■「インスタ映え」を図解する
「インスタ映え」や「インスタグラム」については、6名の学生が図表にまとめてくれました。それぞれの図表を参考に、図解したものが図②です。あくまで図解例のひとつですので、ご留意ください。

【図②】


図②
からは、「インスタ映え」の心理には複数の欲求が複合的に影響していることが指摘できます。自分を発信したい気持ちは自己表現の欲求、「いいね」をもらいたい気持ちは他者から評価されることを求める承認欲求、オシャレなものをまねしたい気持ちは有名人や芸能人などに重ねることもある理想の欲求とそれぞれ関係していそうです。同時に、「インスタ映え」の意識を促進するような環境があることにも注目できます。皆がやっているということは、自分を発信する相手や「いいね」をしてくれる相手、まねしたくなるような相手がたくさんいることになります。インスタグラムそのものの加工機能が充実していることに加えて、観光地などでも「インスタ映え」をターゲットにしたスポットが増加しています。「インスタ映え」が流行するとそのための環境も整備され、環境が整備されるとさらに流行するという、意識と環境の相互作用があることも理解できます。

■作業をとおした心理学の考え方
今回紹介した作業をとおして、図③のように心理学の考え方を整理しました。

【図③】
皆さんが普段から気になっていることや関心を抱いていることがテーマになるところが、心理学の面白さともいえます。人の心は目に見えにくいからこそ、世の中で広まっている話を「ほんとうにそうなのか?」と問い直し、具体的なデータをもとに理解を深めていきます。また、作業をとおして「インスタグラム」を使っていない人や「インスタ映え」を気にしすぎないようにしている人がいることもわかってきました。「インスタ映え」を例にとっても、その関わり方には幅や個性があります。心理学では、人間の心理に共通する傾向と同時に、一人ひとりの多様性を発見し大切にしていく学問でもあります。このように和洋女子大学では、相手の心に寄り添うことをめざして、具体的な作業や体験をとおして人間の心理を理解するための心理学の考え方や方法を学ぶことができます。

心理学類や心理学の学びに興味が湧いた方は、ぜひ学校見学にお越しください。私たち教員が皆さんの様々な疑問や質問に詳しくお答えします。

池田幸恭准教授のプロフィールはこちらから
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投稿者: shinrigaku 投稿日: 2017/12/25 14:18
「乳幼児心理学(履修時期:3年次 単位数:2単位)」は、妊娠出産から6歳頃までの時期の 幼い子どもの発達を心理学的に学ぶ授業です。この時期の子どもたちは日々めざましく成長していく存在です。子どもの感情や認知の発達、言語の獲得を整理しつつ、発達支援のポイントや子どもたちと関わる喜びにつなげることを目的としています。担当は小沢哲史准教授



この日の授業では、育児語と呼ばれる、乳幼児との会話で使われる言葉の特徴や乳幼児が言語を習得する発達過程などについて学びました。その中で小沢准教授は「ムタ実験」という、子どもの言語習得を理解するための実験について解説しました。まず、学生たちを2つのグループに分け、1つのグループには、卵形でアクリル製の物体を見せ、学生たちに「これはムタです」と教えます。そして「ムタで何をするかみていてください」と言いながら、それを机の上でくるくると回します。また、もう1つのグループにも、同じ卵形でガラス製の 物体を見せ、「これはムタです」と教えます。そして「ムタで何をするかみていてください」と言いながら、それを目の前にかざして透かして見るような動作をします。そして、両方のグループに、発泡スチロール製の卵形の物体とアクリル製のピラミッド形の物体を見せ、「どちらがムタでしょうか?」と問います。子どもたちはちょっとしたその場の状況のわずかな違いにも影響されやすく、それほどきれいに明確な結果が出るわけではありません。それでも、卵形という形状に着目した、ころがす動作を見たグループは発泡スチロール製の卵形の物体をムタだと思いやすく、材質に着目した、透かしてみるという動作を見たグループはガラス製のピラミッド形の物体をムタだと思いやすいということです。
もし最初の物体で子どもたちが実際に遊んでいたなら、結果ははるかに明瞭だったかもしれません。転がす遊びをした子どもたちは卵型の発泡スチロールをムタだと思いやすく、透かしてみる遊びをした子どもたちはガラス製のピラミッドをムタだと思いやすいでしょう。つまり幼い子どもたちは、受身に名前を覚えるのではなく、見聞きしたことや実体験に基づいて積極的に自ら名付けていくと言えます。

【写真左】授業中の学生たちの様子 【写真右】ムタ実験で使った素材

<小沢先生よりのメッセージ>
かわいいけれどわがまま、天使と悪魔の両方の顔を持つのが幼い子どもたちです。子どもの気持ちや理解の仕方のポイントをつかむことで、子どもにふりまわされることなく、深いレベルで喜び合い、学び合い、穏やかに成長を支えることができるようになります。1、2年生ではなく3年生の後期に開講しているのは、背景に愛着理論や対象関係論といったやや難解な理論が見え隠れしているからです。1、2年生の時期の学びによって、今回、紹介した内容もいっそうわかりやすく、深い意味をもって感じられると思います。


<参考文献>
小林春美 (1998). 大人の動作と幼児による語の意味の推測との関係, 教育心理学研究, 46, 1-10.
 
投稿者: shinrigaku 投稿日: 2017/12/21 15:25

■試験勉強やレポートになかなか手をつけられない
みなさんは試験勉強やレポートをすぐに始めることができますか? 高校生で一般入試を考えている方は、ちょうど今は追い込みの時期でしょうか。大学生の皆さんは、もうそろそろ学期末の試験勉強やレポートの提出が始まる頃ですね。冬休みはお休みするとしても、今からこつこつとやっていけば、試験も余裕を持って受けることができますし、レポートも締め切りにも追われることなく出すことができるでしょう。ただ、なかなかそう簡単にはいきません。実は、この教員コラムは10月に書くことになっていました。自戒の意味もこめて、今この記事を書いています。

■大学生の先延ばし

するべきことにいつまでも手をつけずにいることを「先延ばし」といいます。大学では評価のために試験だけではなく、レポート課題が出されることが多くあります。高校生の方は、あまりレポート課題には馴染みがないかもしれません。海外でも大学生は多くの締め切りを抱えており、80~95%の大学生は先延ばしをすると言われています(Steel, P. 2007)。よって、すぐに手をつけられる人のほうが稀であって、たいていの人は締め切り直前になってから始めて、苦しい思いをするのです。ただ、皆と同じならいいかと安心して手をつけないでいると、おそらく1月下旬あたりに大変な思いをするでしょう。今のうちにできることには取り掛かるに越したことはありません。

■なぜ人は先延ばしをするのか
人が何かを先延ばししたくなるときは、その課題が自分の能力を超えていてできないと感じてしまうことや、課題をしないことで失敗して自信をなくすことを避けるためといわれています。その他、完璧にこなしたいという思いなども影響します。よって、先延ばしをしないためには自分ができる能力の範囲に課題を細分化すること、失敗を恐れないこと、完璧を求めないことなどが重要だと言われてきました。ちなみに、皆さんはどんな気分で試験勉強やレポートを先延ばしして、先延ばししている最中はどんな思いでいますか?多くの方は、本当は今すぐにでも手をつけないといけないと分かっているのに、できない自分を責めてしまって苦しい思いをしていることでしょう。下手をすると今すぐに消えてしまいたいと思っているかもしれません。

■先延ばしを克服するには自分を許すこと
先延ばしを克服するためには「自分を許すこと(Self-forgiveness)」が重要だと言われています。先延ばしをしている自分を責め続けることは大きなストレスとなります。そのことで、余計に行動を起こせないという悪循環が起きています。大学生134名を対象とした先延ばしに関する研究では、最初の試験での自分の先延ばしを許せていた人ほど、その次の試験勉強のときは先延ばしをしていませんでした (Wohl, Pychyl & Bennet, 2010)。
先延ばしは多くの人がしてしまいます。自分を責め続けながら先延ばしをしても、自分を責めないで先延ばしをしても、先延ばしをしていることには変わりありません。どうせ、先延ばしをするなら自分を責めずに楽しいほうが良いでしょう。自分を責めることで余計に自信をなくして、課題に取り掛かりづらくしているのです。先延ばしのメカニズムが分かったところで、気分を切り替えて、15分だけと決めて勉強に取り掛かってみませんか? 大変だと思っていたけれど、意外と始めてみたら気分も乗ってきて、あっという間に終わってしまったという経験は、皆さんにもあるでしょう。来年の2月頃には、受験勉強や試験勉強もレポートも終わって、晴れ晴れとした気持ちで遊べるかもしれませんよ。
 

<参考文献>
Steel, P. (2007). The nature of procrastination: A meta-analytic and theoretical review of quintessential self-regulatory failure. Psychological Bulletin, 133, 65–94.
Wohl, M., Pychyl, T., & Bennett, S. (2010). I forgive myself, now I can study: How self-forgiveness for procrastinating can reduce future procrastination. Personality and Individual Differences, 48, 803–808.

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