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日本文学文化学科

07 12

投稿者: nihonbungaku
2021/07/12 9:14

■専門・研究分野
日本語そのものを対象に研究をする「日本語学」が私の専門分野です。その中でも、日本語の変化に着目する「日本語史」という分野で主に研究をしてきました。言葉が変化する時、そこにはどのような背景・要因があるのか、変化していく過程はどのようなものか(じわじわゆっくり変わるのか、一気にがらっと変わるのか)、日本語として生き残る言葉と廃れてなくなってしまう言葉にはどのような違いがあるか、といったことに興味があります。近年では、特に、近代化(新しい科学技術や概念が入ってきて、社会の仕組みやあり方などが変わること)が言語変化に与えた影響について研究をしています。
研究を進める際に、大量の言葉のデータを集めてきて、それらを数えて量を比較することなどから、言語の実態を浮き彫りにするという方法を取る点も、私の研究の特徴です(計量言語学といいます)。データを作ったり分析をしたりするのに、プログラミングや統計の考え方・手法を使いますので、パソコンが研究に欠かせない相棒です。

■現在の道に進もうと決めたきっかけを教えてください
幼い頃から本が大好きで、多読が功を奏したのか国語だけは得意でした。教育系大学の国語科教員養成課程に入り、周りと同様に自分も国語科教員になるんだろうなと思っていたのですが、知識を得るだけでない大学での学びは楽し過ぎました。当時、言語学のゼミに参加していたのですが、「共感覚表現」という、五感のうちのある感覚を表す語が、別の感覚を表すのに転用される比喩表現(「暖かい色」「甘い香り」「臭い演技」「黄色い声援」など)について、辞書やさまざまな作品から用例を大量に集めてきて、転用の方向性について発表をしたことがあったんです。その時、ゼミの担当教授が「面白い!素晴らしい!あなたはセンスがある!」と言ってくださって、その言葉を真に受けてしまった私は「研究者になるしかない!」と大学院進学を決めたのでした(その教授は「素晴らしい」が口癖だと有名だったのですが……)。何より、自分でたくさんの材料を集めてきて、そこからルールを見付けたり、新しい事実を発見したりするのは、パズルや謎解きをしているようで楽しくて楽しくて。そのワクワクを求めて、今もこうして言葉の海の中を泳ぎ続けています。

■いわゆる「若者言葉」について、先生の見解をお聞かせください
(最近の中学生や高校生は「OK」→「おけまる水産よいちょまる」、「良い」→「よきまるざえもん」 など、一昔前は省略言葉が流行っていたようですが、最近は元の言葉より長くなるのが特徴のようです)

言葉の変化や、定着・淘汰に強い興味を持っているので、「若者言葉」は格好の観察対象です。若い人の話に聞き耳を立て、SNSなどでも日々、情報収集をしています。言語学者の多くは、こういった新しい表現や変化などを興味・研究の対象として見ていて、その良し悪しをあまり問題にしません。良し悪しが語られるとすれば、それはミスコミュニケーション(情報伝達上の機能不全)についてですが、そもそも若者言葉は「隠語」などと同様に仲間内だけで通用するという点が最も重要なファクターなので、仲間以外の人達とのミスコミュニケーションなんて、むしろ大歓迎!なんですよね。若者言葉が、次から次へと移り変わっていくのは、ある意味、当然。若者はずっと若者でいるわけじゃありませんし、オバサンやオジサンが使うようになったら、もうそんなダサい(死語?!)表現なんて使えません。最近の若者言葉が少し冗長な表現に変わってきているとしたら、どんどん略して短くする表現に飽き(や反動)が来ているからでしょう。若者言葉が次々と元気に生まれているのは、若い人達の創造性や新しいものを求めるエネルギーが損なわれていないことの表れだとホッとしますが、表現の成り立ち方自体は、略すにしても、無関係の言葉を継ぐにしても、昔の新語・流行語等の作られ方となんら変わりはないので、まだびっくりするような表現には出会えていません。発明的な表現が今後出てくるか、これからも注目していきます。

■学生たちへメッセージ
できるだけ多くのことにチャレンジしてください。早くから「これ」と思えるものがあることも、とても素敵なことです。でも、選り好みせず、「ちょっと苦手かも」と思うことも含めて、いろいろなことを試してみてください。勉強に限らず、です。一見、無関係に思えることも、実は深いところで繋がっているということはたくさんあります(大の数学嫌い、ただの本の虫だった私が、プログラミングや統計を駆使して言葉を研究するようになるなんて思ってもみませんでした!)。人も物も出来事も、出会いは全て皆さんの血肉になって、必ず将来の皆さんを助ける財産になります。失敗を恐れず、正解ばかりを求めず、目の前の新しい扉を次々、開けていってほしいなと思います。

間淵洋子准教授のプロフィールはこちらから
日本文学文化学科 日本文学専攻の学びについてはこちらから
日本文学文化学科のチバテレ制作による学科紹介動画はこちらから

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