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国際学科

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投稿者: kokusai
2019/01/18 13:54

2019年3月29日、イギリスが「合意なき離脱」として、EU(ヨーロッパ連合)を抜けることで話題を呼んでいます。一体、この「合意なき離脱」とはどんな内容なのでしょうか。また、世界やヨーロッパの経済にどのような影響があるのでしょうか。国際学科 国際社会専攻の山下景秋教授と生徒の会話を通じて、貿易戦争や経済のことについて学んでみましょう。

【写真】イギリスのEU離脱を表現

(生徒)先生!イギリスがEU(欧州連合)から2019年3月29日をもって離脱するというニュースを最近見ました。なぜ離脱するんですか?

(先生)なぜかというと、EUというのはEU加盟国の間で人が自由に移動することが認められているため、イギリスの中に移民や難民が多く流入したからだと言われています。

(生徒)では、移民や難民が流入すると、どんなことが起こるんでしょうか? 離脱しようと考えたのはなぜですか?

(先生)まず、移民・難民がイギリス人労働者の仕事を奪っているとイギリスの一部の人たちが思っていることがあります。貧しい移民や難民はイギリス人労働者よりももっと安い賃金でも働こうとするので、雇用する側も低い人件費の人材を選びます。また、流入した移民・難民を政府が教育面や住宅の面で支援しなくてはならないことに対し、イギリスの人達が自分たちのことをなぜ優先しないのかと、不満に思っていることもあります。


【写真】貧困の様子を表現

(生徒)確かに不満がたまりそうですね。では、話題になっているイギリスやフランス・ドイツの移民はどこから来た移民なんですか?

(先生)イギリスやフランスには、元の植民地から歴史的に多くの人が移民してきています。たとえば、フランスの植民地だったアフリカの国からフランスへ移民することなどが、その例です。フランス語がわかるというのが、移民受け入れの理由の1つです。
ドイツは、人手不足の時に、トルコなどから多くの移民を受け入れました。このような移民は、EUの外からの移民です。

(生徒)EUの外からの移民なんですね。では、EUの中での移民というのはあるのですか?

(先生)
あります。ソ連が崩壊した後、ポーランド、チェコ、ハンガリーなどの東欧諸国がEUに加盟してから、EU加盟国間でのヒトの移動が自由なため、貧しい東欧諸国からイギリス・フランス・ドイツなどに多くの移民・出稼ぎとして移動しました。また、欧州の中ではいまだに貧しく若い人の失業者の多い、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルという南欧諸国からの移民・出稼ぎも多いです。


【写真】世界地図とガラスの地球儀

(生徒)では、移民ではなく難民はどこからイギリスへ来たんですか?

(先生)シリアという国から来た難民が多いです。シリアでは深刻な内戦が続いており、多くの人たちが命を失う危険な状況にあるからです。

(生徒)そうなんですね。移民・難民の問題は、仕事などが絡む経済面だけの問題ですか?

(先生)それだけではありません。ヨーロッパの自国の伝統的な歴史・文化・宗教・慣習などが、外部から移動してきた人たちによって失われることに対する恐怖心が一部の人たちの中にあるように思われます。彼らは、仕事を奪われるという恐怖心も合わせて、移民や難民を排斥する運動を始めています。自国第一主義いわゆるナショナリズムが勢いを得ています。

(生徒)そうだったんですね。2019年3月29日、イギリスはEUから「合意なき離脱」となるのか気になりますね。

(先生)そうですね。そういえば、離脱しようと動く国もあれば、加盟してもらいたい国もあるのをご存知ですか? フランスとスペインの間にあるバスク地方は、スペインからの独立を求めて運動しており、EUに加盟したいらしいという話があるんですよ。


【写真】バスク地方

(生徒)加盟することによるメリットはなんなのでしょう?

(先生)独立したうえで、EU加盟により他の加盟国からも国として認めてほしいのでしょう。しかし、バスクのEU加盟は矛盾をはらんでいると思います。というのは、バスクの文化・歴史の独自性を発揮したいということで独立しようとしているのでしょうが、EUに加盟すると、他の国から移民や難民を含む人が自由に入ってくるようになるため、独自の文化・伝統が希薄化する可能性はありますよね。バスクの問題は、まさにEUの問題の本質を象徴していると思います。

(生徒)先生、本日はありがとうございました。また質問ができたらお願いします!

(先生)こちらこそ、ありがとうございました。

今回のインタビューコラムを書いてくださったのは国際学科の山下景秋教授です。

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