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家政福祉学科

05 23

投稿者: kaseifukushi
2019/05/23 10:56



■専門・研究分野


社会福祉学、子ども家庭福祉

■現在の道に進もうと決めたきっかけ

大学生時代の4年間、児童養護施設の学習ボランティアをしていました。また、4年生の時にひとり親家庭で育った子ども・若者に対するインタビュー調査に関わる機会を得て、卒論を執筆しました。この2つの出来事を通じて感じたことは、施設や離婚が悪いとかそういったことではなく、そうした場面に直面したときに、どのような支援が展開されることで、しっかりと子ども自身が自分の状況を自分ごととして理解なり納得する機会ができるのだろうかということでした。とりわけ虐待や離婚は一般的には家族のような私的領域の責任として捉えられがちですが、その構造を丁寧に分析すると社会の側に負うべき責任があることがわかります。ですから、そうした状況に置かれている子どもへの支援もまた社会の側が担わなければならないのですが、世論は家族の責任だけに終始してしまっているように見えます。子どもが様々な困難に直面してしまったとして、そこから人生の主役として生きていくことができるようになるために、社会は何をしていかなければならないのかを考えるようになりました。



実際に大学院修了後、児童養護施設に勤めていましたが、支援者側と子どもでは権力関係が全く違うことから、支援者が「良かれ」と思って子どもの想いを十分に踏まえることなく物事を進めてしまうことができることがわかりました。もちろん、そうした場面に遭遇したことがあるわけではありません。しかし、自戒を込めて言えば、私たちは子どもたちの声を聞かなくても子どものことについて物事を決めることができる権力を持っています。「子どもの権利条約」が成立し、子どもは権利の主体として位置づくこととなりました。しかし、1994年に子どもの権利条約を日本が批准したとしても日本社会ではそのことがなかなか認められず、おとなの従属的な立場に置かれていました。「子供」という表記はまさにそのことを示していると考えられます。このような問題意識の元、子どもの権利、特に意見表明権(子どもの権利条約第12条)を基盤としながら、子ども自身が今とこれからをどのように掴みとることができるのかについて、子ども家庭福祉領域をフィールドとしながら現在は研究に携わっています。



■学生たちへのメッセージ

前任校では保育者養成のお仕事をさせていただきました。ですが、ゼミでは保育に関わらない多様な働き方をしているおとなたちと話す場を地域に作り出し、学生たちが地域のおとなと関わる機会を作ってきました。学生たちがそれまで育ってきた中で、これまで出会ってきたおとなは家族か学校の先生ぐらいだったと言い、他のおとなとの出会いは緊張と不安が最初はあったと異口同音に語っていました。しかし、いざ話す場面に出かけるとおとな自身の面白さや、しっかりと話しを聞いてくれるおとなと出会い、「こういうおとなになりたい」というイメージが抱けるようになってきたようです。また、私自身もそうですが、学生と一緒に地域を回りながら、たくさんの大切な人たちに出会うことができました。2018年9月の北海道の地震に遭遇したとき、思い浮かんだのは学生を含めたわたしのことを気にかけてくださったたくさんの人たちの顔でした。こうした身近な場でつながった人たちとの関わりこそが生きていく上でとても大切なのだと感じています。

私たちは東日本大震災を経験し、何か大きな存在に対する絶対的な信頼をしながら生きていくということはもはや幻想だと気がつかされました。福島第一原子力発電所の事故はまさにその象徴です。改めてそばにいてくれる人たちと、これからどうやって生きていこうかと一緒に考えていくことが重要なのです。少し話題が変わるように見えるかもしれませんが、私が一番影響を受けたおとなは、母校の大学のゼミの先生でした。当時は大学の先生というと研究室で研究をしているというイメージしかなかったのですが、私がお世話になった先生は、どんどん外に出ていろいろな人たちと議論を交わしながら、支援や施策を作り出していきました。ソーシャルアクションに淡い憧れを持っていた学生でもあったので、実践と研究ができる人になりたいと心から思ったことを今でも覚えています。今、自分自身がそうなれているかは置いておいて、「すごい!」と思える人に感染して、今と将来を掴もうと日々暮らしていけることはとても幸せなことなのではないかと思います。

そうした、かっこいいおとなに感染する機会が、この4年間でたくさんあることを願っていますし、そうした機会をこの地域の中で学生さんと一緒にたくさん作っていきたいと思っています。


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