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投稿者:
fukushoku
2016/11/01 16:14
服飾造形学類の「機器測定法(履修時期:2年次 単位数:2単位)」は、様々な機器を使って、繊維とその周辺の化学物質の成分や構造について調べる方法を学ぶ授業です。機器測定(分析)は機器と測定の原理を理解することが大切です。この授業では代表的な機器についての測定原理や機器のしくみについて、まず講義を行い、可能な限り実際の機器を使って手法を体得します。質量分析計(MS)や核磁気共鳴分光計(NMR)などの大型の分析装置については、学外の施設を利用することもあります。担当は鬘谷要教授です。
10月25日、この日は第3回目の講義で実際に走査型電子顕微鏡を使って各自の毛髪を観察しました。第1回目の講義で機器分析法の意味や意義について解説後、2回目と3回目で走査型電子顕微鏡を使って、繊維や髪の毛を観察しています。

【写真】電子顕微鏡での観察結果は教室内に設置された2台のモニタで他の学生も見ることができます
【観察方法】
①髪の毛(観察試料)を切り、観察用の金属台に電気を通す両面テープを使って貼り付ける
②電気を通さない試料をきれいに観察するために金蒸着装置で金蒸着を行う
③試料を電子顕微鏡内に設置して、コンピュータを操作しながら観察する
【写真左】観察試料の作成方法を学生に伝える鬘谷教授 【写真右】写真右側にあるのが、金の蒸着装置
【写真左右】500倍の倍率で髪の毛を観察。各自、試料づくりから観察、プリントアウトまでを行います。走査型電子顕微鏡は30,000倍の倍率まで観察することができます

【写真】光学デジタル顕微鏡で観察を行うチーム
<鬘谷先生よりのメッセージ>
機器分析は様々な分析装置を用いて、測定や観察を行う手法です。本講義では電子顕微鏡、光学デジタル顕微鏡、赤外分光分析計(FT-IR)、可視・紫外分光分析計、分光放射照度計、赤外線サーモカメラ、HPLCなどを実際に取り扱います。従来、機器の操作には特殊な技術や経験が必要でしたが、今日ではコンピュータの進化で非常に簡単に操作が行え、短時間の説明を聞くだけで誰でも操作する事が出来ます。講義では原理の説明から始め、得られる結果からどんな事が分かるかという点に注力しています。
この日は電子顕微鏡で全員の毛髪の観察を行いました。痛んだ毛先の状態や、結構なキューティクルが鮮明に映し出されると、学生から大きな歓声が上がっていました。
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