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投稿者:
sougou
2020/12/21 11:19
和洋女子大学大学院 総合生活研究科博士後期課程を修了。早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門で次席研究員(研究院講師)として働いている高見澤菜穂子さんのインタビュー記事を紹介します。

【写真左】国際学会のポスタ 一発表をした際
【写真右】食品展示会(共同開発した製品とのツーショット)
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 次席研究員(研究院講師)
高見澤 菜穂子さん
総合生活研究科博士後期課程修了 博士(学術)
「『食べることが好き』が原動力!」
■現在の仕事とやりがい
“人の健康をサポートする食品の機能”を探索するための研究を行っています。たとえば、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品のように、健康強調表示を食品に記載するためには、科学的な根拠が必要です。このような科学的根拠を得るために、私は、試験管での試験、動物試験、ヒトを対象とした試験などを行なっています。研究で得た成果は、学会発表や学術論文を通して情報交換することも仕事の一つです。また、研究によって得られた知見が人々の生活に活かされるように、研究成果を商品開発に繋げる仕事もしています。食品メーカーなどと共同で、食品の機能性を活かした食品の開発を行っています。開発に関わった商品が店頭に並ぶところを見ると、とても嬉しく、やりがいを感じます。
■大学院での研究テーマについて
修士論文のテーマは「紅茶と乳酸菌の組み合わせによる耐糖能改善作用に関する研究」。博士論文のテーマは「紅茶およびアマニの耐糖能改善効果と作用機序に関する研究」です。「紅茶の機能性」に興味を持ち、修士課程から現在まで、紅茶に関する研究を行っています。日本で茶と言えば、緑茶が一般的ですが、世界的には紅茶が圧倒的に多く生産されています。私は、大学院生になるまで、緑茶、ウーロン茶、紅茶が、おなじ茶の木から作られている事も知りませんでした。また、同じ紅茶でも栽培される産地の気候風土によって香味や色味に違いがある事も知り、紅茶に興味を持ちました。おなじ茶の木から作られているにも関わらず、緑茶やウーロン茶に比べて、紅茶に関する研究が少ないように感じ、紅茶の機能性について研究するようになりました。特に、糖尿病発症のきっかけとされている食後の急激な血糖値の上昇を抑える機能が紅茶にある事を明らかにすることが、大学院生の研究テーマでした。
■大学院進学を決意した決め手は何ですか?
大学院に進む際に、進学費用がかかる点や、社会人になる時期がまわりのみんなより遅れる点について悩みました。ですが、「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」という言葉が、進学を決意する大きな後押しになりました。また、定年まで働き続ける長い人生を考えれば、修士課程の2年なんて大した遅れではないと考え直し、奨学金を借りて進学する道を選びました。
■在学生へのメッセージ
私は「食べる事が好き」という単純な理由で管理栄養士課程に進んだため、日々の勉強の大変さに苦労しました。ですが、そんな学生生活はとても充実した濃い日々であったため、苦労を共にした友人とは社会人になった今でも繋がっています。また、学生生活の中で研究活動に興味を持つようになり、大学入学当時には考えてもみなかった大学院への進学を決意することになりました。そして、現在も食品に関わる仕事を続けている大きな理由は、やはり「食べる事が好き」だからです。
みなさんも、興味のある事、面白そうだと思う事から進路を考えてみてはいかがでしょうか? 今は大きな目標や夢が無くても、進んでいくうちに進路がはっきりしてきたり、想定していない選択肢が増えたりすることがあるかも知れません。
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<総合生活研究科について>
和洋女子大学大学院 総合生活研究科では各専門領域での研究を学ぶ他、研究・教育現場や企業で活躍している社会人の方のスキルを体系化するための研究の場としての役割を果たすこともめざしています。家庭科教諭として活躍されている方はスキルアップとして家庭科の専修免許状を取得することができます。管理栄養士の高度専門教育の場としては、現場での実践経験の豊富な医師や管理栄養士による研究と教育を充実させています。
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