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投稿者:
sougou
2020/10/27 10:43
和洋女子大学大学院 総合生活研究科博士後期課程を修了。順天堂大学スポーツ健康科学部で助手として働いている黒坂裕香さんのインタビュー記事を紹介します。
順天堂大学スポーツ健康科学部 助手
黒坂 裕香さん
総合生活研究科博士後期課程修了 博士(学術)
「始めてみなければ分からない、研究の楽しさを感じて」
■現在の仕事とやりがい
現在、順天堂大学 スポーツ健康科学部 運動生理学研究室の助手として、スポーツ選手のエビデンスに基づいた栄養戦略の構築のための研究活動や、体組成測定・栄養調査などを通じた選手のサポ-ト活動、選手の生理学的基礎データの収集などを行っています。また、学部教育では「運動生理学実験実習」を担当し、運動による様々な生理学的応答についての実習を行なっています。
研究では、運動・食生活などの生活習慣を扱っています。取り組んでいる研究のデータから、少しでも人の行動や考えに影響が与えられるような結論が導き出せたときにやりがいを感じます。
■大学院での研究テーマについて
大学院では、運動と食事制限による脂肪肝予防メカニズムについての基礎研究を行っていました。最初のきっかけは、大学院進学以前にフィットネスクラブでトレーナーをしていた頃に「運動の効果は減量だけでなく身体の内面にも生じていることを、利用者の方々にしっかり説明したい」と感じたことでした。大学院進学後肥満症と脂肪肝について学ぶ機会がありました。肉眼や、顕微鏡を介して通常とは明らかに違う肝臓を観察し、こんなにも肝臓内に脂肪が溜まるものなのかと衝撃を受けました。肝組織が有している脂肪をため込む余力と、食事や運動によりコントロールされるその機構を研究テーマとし、大学院時代は、ひたすら運動や食事習慣と肝臓に関する実験に取り組みました。
■大学院の学びが活かされていると思うこと
大学院時代の研究活動を通じて、「私だけの視点」を持つことができました。大学院時代に1つのことを深く深く掘り進める研究活動をしたからこそ、また新たな気づきがあり、今の研究に発展しています。
また、大学院時代は、指導教員や先輩研究者の方々について、沢山の学会や研究会に参加をしました。そこで広がった他の大学の研究者との繋がりが、今を支えてくれています。
■大学院進学を決定した理由
私は、大学卒業後に一度、社会人としての経験をしています。そして社会人大学院生として、博士前期課程・後期課程を和洋女子大学大学院で過ごしました。大学院で研究がしたいという思いが強かったので、「チャンスが巡ってきた!」と迷わず進学しました。
■在学生へのメッセージ
授業の履修や試験勉強に忙しい大学時代とは異なり、大学院は、教科書の範囲から飛び出して、自分の興味をとことん追い続けることができます。実験をする度に、その結果に一喜一憂し、その先が気になって、早く次の実験がしたくて仕方ありませんでした。大学院での学びは簡単なものではありませんが、是非、多くの人に「始めてみなければ分からない研究の楽しさ」を感じてもらいたいです。
■スポーツ栄養に興味のある高校生のみなさんへ
大学で栄養学を志した人が、スポーツ栄養の分野で活躍しようとした場合には、大学卒業時点では、スポーツに関する学びが不足していると思います。選手やスポーツをする人に寄り添った栄養指導を行うには、運動により生じる身体の様々な応答と適応を基礎からしっかりと学んでおく必要があります。和洋女子大学大学院では、スポーツ栄養の専門の教員がいますので、管理栄養士資格を取得したあと、スポーツについて学ぶ機会が得られるはずです。体育系学部の学生は、卒業後に大学院で栄養学を学ぶことはできても管理栄養士を取得する機会は得られません。栄養系の大学で管理栄養士に向けてしっかり学んだ後、大学院でスポーツについて学ぶという順序がおすすめです。
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<総合生活研究科について>
和洋女子大学大学院 総合生活研究科では各専門領域での研究を学ぶ他、研究・教育現場や企業で活躍している社会人の方のスキルを体系化するための研究の場としての役割を果たすこともめざしています。家庭科教諭として活躍されている方はスキルアップとして家庭科の専修免許状を取得することができます。管理栄養士の高度専門教育の場としては、現場での実践経験の豊富な医師や管理栄養士による研究と教育を充実させています。
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