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心理学科

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投稿者: shinrigaku
2017/12/21 15:25


■試験勉強やレポートになかなか手をつけられない
みなさんは試験勉強やレポートをすぐに始めることができますか? 高校生で一般入試を考えている方は、ちょうど今は追い込みの時期でしょうか。大学生の皆さんは、もうそろそろ学期末の試験勉強やレポートの提出が始まる頃ですね。冬休みはお休みするとしても、今からこつこつとやっていけば、試験も余裕を持って受けることができますし、レポートも締め切りにも追われることなく出すことができるでしょう。ただ、なかなかそう簡単にはいきません。実は、この教員コラムは10月に書くことになっていました。自戒の意味もこめて、今この記事を書いています。

■大学生の先延ばし

するべきことにいつまでも手をつけずにいることを「先延ばし」といいます。大学では評価のために試験だけではなく、レポート課題が出されることが多くあります。高校生の方は、あまりレポート課題には馴染みがないかもしれません。海外でも大学生は多くの締め切りを抱えており、80~95%の大学生は先延ばしをすると言われています(Steel, P. 2007)。よって、すぐに手をつけられる人のほうが稀であって、たいていの人は締め切り直前になってから始めて、苦しい思いをするのです。ただ、皆と同じならいいかと安心して手をつけないでいると、おそらく1月下旬あたりに大変な思いをするでしょう。今のうちにできることには取り掛かるに越したことはありません。

■なぜ人は先延ばしをするのか
人が何かを先延ばししたくなるときは、その課題が自分の能力を超えていてできないと感じてしまうことや、課題をしないことで失敗して自信をなくすことを避けるためといわれています。その他、完璧にこなしたいという思いなども影響します。よって、先延ばしをしないためには自分ができる能力の範囲に課題を細分化すること、失敗を恐れないこと、完璧を求めないことなどが重要だと言われてきました。ちなみに、皆さんはどんな気分で試験勉強やレポートを先延ばしして、先延ばししている最中はどんな思いでいますか?多くの方は、本当は今すぐにでも手をつけないといけないと分かっているのに、できない自分を責めてしまって苦しい思いをしていることでしょう。下手をすると今すぐに消えてしまいたいと思っているかもしれません。

■先延ばしを克服するには自分を許すこと
先延ばしを克服するためには「自分を許すこと(Self-forgiveness)」が重要だと言われています。先延ばしをしている自分を責め続けることは大きなストレスとなります。そのことで、余計に行動を起こせないという悪循環が起きています。大学生134名を対象とした先延ばしに関する研究では、最初の試験での自分の先延ばしを許せていた人ほど、その次の試験勉強のときは先延ばしをしていませんでした (Wohl, Pychyl & Bennet, 2010)。
先延ばしは多くの人がしてしまいます。自分を責め続けながら先延ばしをしても、自分を責めないで先延ばしをしても、先延ばしをしていることには変わりありません。どうせ、先延ばしをするなら自分を責めずに楽しいほうが良いでしょう。自分を責めることで余計に自信をなくして、課題に取り掛かりづらくしているのです。先延ばしのメカニズムが分かったところで、気分を切り替えて、15分だけと決めて勉強に取り掛かってみませんか? 大変だと思っていたけれど、意外と始めてみたら気分も乗ってきて、あっという間に終わってしまったという経験は、皆さんにもあるでしょう。来年の2月頃には、受験勉強や試験勉強もレポートも終わって、晴れ晴れとした気持ちで遊べるかもしれませんよ。

 

<参考文献>
Steel, P. (2007). The nature of procrastination: A meta-analytic and theoretical review of quintessential self-regulatory failure. Psychological Bulletin, 133, 65–94.
Wohl, M., Pychyl, T., & Bennett, S. (2010). I forgive myself, now I can study: How self-forgiveness for procrastinating can reduce future procrastination. Personality and Individual Differences, 48, 803–808.

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